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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミール編
86/226

フィオンと再戦

ラクリィ対フィオン再び!

 それぞれの方針が決まりそれなりの期間鍛錬を行い、確実に強くなることが出来ていると思う。

 ある程度形になってきたところで、俺はフィオンと模擬戦をすることになった。

 フィオンとはミストライフに入った時に戦ったが、あの時は最後の最後でいいようにやられてしまい俺の敗北となった。

 勝ち負けではないが、俺にもプライドというものはあるので、負けることは出来ない。

 目の前に立つフィオンからは、相変わらず見た目に似合わない覇気を感じる。

 装備も前回のように鉄の棒などではなく、しっかりとその首にマフラーを巻いていた。

 離れたところでは調査班のメンバーが見に来ており、万が一の時のために止めに入れるように準備をしている。

 始まりの合図はイルミアだ。


「それじゃあ・・・・・・始め」


 イルミアの開始の合図と共に俺は全力で探知を発動させた。

 シャクスト戦でも見せていたフィオンの動きは凡そ人間のものではなく、集中していても視界から外れてしまいかねないからだ。

 探知により高い感覚を得た俺は、マフラーから剣を二本生み出し、素早く接近してきたフィオンの初撃を難なく回避する。

 フィオンは回避されること前提だったようで、そこから追撃のためにマフラーを足のように使いながらつかみどころのない動きで俺に付いて来る。

 回避してばかりでは始まらないので、正確にフィオンの動きを捉えつつこちらも反撃する。

 鋭く攻撃をするも、マフラーによって何のリスクもなくガードされてしまう。

 速度を上げ、素人目から見れば同時に攻撃しているようにも見える速度で連撃を行うも、その全てがフィオンには届かない。

 自在に変形し宝剣も受け止めてしまうのは本当に厄介だ。更に移動や攻撃にも使えるそれは何本もの腕が生えているような感じに思える。

 二本の剣による攻撃を防いでいても、刺のように形を変えたマフラーからの攻撃により、完全には抑えきることは出来ない。

 状況を打開すべく俺はボディーミストを使い、フィオンの死角となる場所に瞬時に移動する。


「これはどうだ?」


 霧化した俺に聞こえたのはフィオンの怪しげな呟き。

 次の瞬間マフラーが大きくフィオンを包み込み、その側面に大量の刺が生まれた。

 刺は長く俺の剣ではフィオンに攻撃を通すには刺に突っ込まなくてはならない。


「ちっ・・・・・・」


 こうなってしまうとどうしようもないので、次に映るべく半歩その場を後ろに下がる。

 それを確認してかフィオンはマフラーを元に戻した。そこに見えたのはこちらに向け魔法を構えるフィオンだった。

 だが、その動きは探知にて分かっていたので、魔法が飛んでくる射線のギリギリと通り抜けてフィオンに接近する。

 タイミング的に先程のようにやり過ごされてしまうことはないだろう。となるとマフラーによるガードが一番可能性が高い。

 俺はソードミストを発動させて、マフラーによるガードが不可能な一撃を放つ。


「まだだ! まだ甘い!」


 フィオンがそう叫ぶと地面が一瞬にして盛り上がり壁を作った。

 それに関しては問題ではない。ソードミストならば関係なく斬ることが出来るからだ。

 しかし警戒させられる原因となったのは、壁がフィオンの後方に現れたことが理由だ。

 フィオンが間違えたとは考えにくく、何か策があってのことだろう。

 だが、その狙いは分からずに俺は流れのまま攻撃をするしかなかった。

 攻撃が当たる瞬間、フィオンの姿が消えた。

 勿論俺の探知にはしっかり引っかかっているので、何処にいるかは分かっている。しかしあまりに驚きに俺は顔だけでフィオンを追いながら立ち尽くしてしまった。


「おい、なんだそれ・・・・・・」


 フィオンは壁にマフラーで張り付きながら壁に形を変えて、その側面を移動していた。

 実際には違うが、フィオンは空中を移動することを叶えている。

 俺の霧化でも空中は移動できるが、フィオンがそれを行えるのならば魔法を放ちながらなど様々なことが出来る。


「凄いだろ? あり得ない強度で且つ自由に形を変えられるこれが手元に来たからこそできる戦法だ!」


 蜘蛛のように自在に動くフィオンはとても誇らしげだった。


「どうする? この辺で降参しておくか?」


 フィオンの挑発に俺は――――――


「まさか」


 挑戦的な笑みで返した。

 立体的な動きをしてくるフィオンは戦闘においての経験がかなり積める。こんなところで降参するのは勿体ないだろう。

 それに初めから負けるつもりも一切ない。


 それから俺とフィオンはじゃれるようにいつまでも模擬戦を続け、結局決着はつかなかった。

 お互いが攻撃に全力で対応し、決定打を与えられずにいればそうなるのは当たり前だ。

 夕食から戻ってきた調査班のメンバー達にまだやってるのかと言われて、ようやく自分たちがどれ程長い間戦っていたのかを理解して、お互いに苦笑いいながら模擬戦は終了した。


VRくん「結局どっちの方が強いんだろうな?」

VRちゃん「ラクリィは火力と反応、フィオンは手数って感じで長所が違うから一概にどっちとは言えないわね」

VRくん「今度強さランキングみたいなの作者に作らせるか」

VRちゃん「いいわね! あ、そういえば一つ告知が」

VRくん「お? なんだ?」

VRちゃん「次回から新章スタートよ!」

VRくん「遂に来たか! で、どんな話なんだ?」

VRちゃん「ラクリィの秘密について触れるらしいわよ」

VRくん「ラクリィは確かに主人公なのに謎があったな。出生とか」

VRちゃん「やっと明かされるわね。 さて次回! 『タキシム王国』 お楽しみに~」

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