表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミストライフ  作者: VRクロエ
ミール編
82/226

武器開発

 フィオンの招集により、今日俺達調査班のメンバーとミールは研究室に集められていた。

 前から言っていたミールの異能を使って新たな武器を開発するために様々な物も用意されており、さながら物置のようになっている一室で俺達は意見を出し合う。

 ミールの異能を使えば唯一無二の性能を持った武器を作ることが可能がだ、それを使いこなせて且つ王達にも通用するようなものでなければいけない。

 愛着がある物に程強力な付与が出来るのだが、武器などは宝剣クラスでなければ基本的には壊れたら使いまわしになるので、そこまで強力な付与をすることは期待できない。

 俺やアロマが持つ剣には試してみたがそもそも付与をすることが出来なかった。やはり特別な剣だからだろうか。

 そうなると現状付与すべきはフィオンのマフラー、トアンとミシェが持つ特殊な剣とイルミアの小型な剣になる。

 だが、フィオンは自身のマフラーはいじらなくていいと言っていた。既に色々と出来るのもあるが、常に身にまとっているので下手に付与すると使いにくくなるからだそうだ。


「ではまずトアン、ミシェ、イルミアの武器からいこう。何か案があれば言ってくれ」


 イルミアの武器は無難に『斬れる』か『折れない』辺りが安定な気がする。素早さ重視で戦うのであればこの付与だけでも十分強力だ。

 問題はトアンとミシェだ。それなりに長いこと使っている武器らしいので、結構強力な付与が出来ると思うが、そもそも武器の扱いが難しく下手に付与すると使えなくなってしまう可能性もあるので慎重に考えなければいけない。


「トアンの武器、『伸縮』が無難」

「ほう、イルミアその理由は?」

「受け止めたりガードが難しい武器なら、リーチが伸びると有効打になりやすい」


『伸縮』がいいと言ったイルミアが言いたいことは、並の剣で受けてもそれを斬り裂いて攻撃出来、盾等で防ごうとしても斬り裂くあるいは避けるように歪んですり抜けてくるトアン武器のリーチが伸びれば、より深く相手に攻撃が入るということだ。

 確かに理にかなった付与であり、使いこなせれば大抵の相手を初撃で仕留めることも可能になってくる。


「なるほど・・・・・・良い案だ。もっと詰めるなら『勢いに応じて伸縮する』といったところか? どうだトアン?」

「俺も良い案だと思うな。問題はやはり使いこなせるかだが、しばらく大きな動きはないんだろう? だったら何とかしてみせるさ」


 イルミアの意見をフィオンが実用性の高い形にし、トアンも問題なさそうなので決まりだろう。


「ミシェの武器に関してだけど、わたしも一つ思いついたことがあるの」


 ここ最近ミシェと最も模擬戦をしているアロマが思いついたという意見を話す。

 ミシェの武器も相当癖が強く、かなり扱いが難しい。さらにアロマが今話している内容は、武器そのものを多少いじらなくてはならないものだった。

 しかし現実的ではあり、こちらも使いこなせればかなり強力な武器になりそうだった。


「どうかなミシェ?」

「いい、と思う。少し足りなかった部分も補えるし、後は私次第だね」


 アロマの意見通りに作るとなると、付与がかなり複雑なものになり、トアンの武器よりもさらに扱いが難しそうであった。

 だがミシェもやる気を見せており、何だかんだ使えるように調整してきそうだ。


「私の武器はまずフィオンにいじってもらうことになるね」

「問題ない、任せておけ。そもそも作ったのは私なのだから多少構造を変えるくらい造作もないさ」

「ミールちゃんも大変だと思うけどお願いね」

「はい! ご期待に沿えるよう頑張ります!」


 方針も決まったところでさっそく付与をしていく。

 複雑な付与になるので時間は掛かるが、鍛冶師が剣を一本作るよりも短時間で強力な物が出来ることを考えれば大した時間ではないだろう。

 休憩を入れつつ3人の付与も終わり、その後は簡単な付与だが使い何処によっては大きな効果を生む使い捨ての武器や道具なんかを開発していった。

 フィオンの異能も合わさり、変な物もたくさん出来たが、凶悪な物までいくつか生まれていた。


『地面に刺さると小さな爆発を起こす』付与をしたナイフや、『速度が落ちずに飛んでいく』付与をした剣、『擦れると耳に聞くほどの金属音が出る』付与をした盾など場面によっては決定打にもなりえるだろう。


 色々と作っているうちに全員楽しくなってきたのか、半分遊びのような感じになっていた。

『滑る』剣は打ち合いにならずに相手に届くが、相手に当たっても滑るので斬れなかったり、何の用途があるかは分からないが『浴びても濡れない』水が出来上がったり『開いたページから自動音読される』本が出来上がったりなど、不思議アイテムが次々と量産されていった。

 そんな遊びのようなものは夕食の時間になるまで続き、我に返った時には全員が微妙な顔をしていた。

 一応付与した物は全て捨てずに物置にしまったのだが、この品々が使われる日は果たしてくるのだろうか。

VRくん「結局ミシェが持つ武器ってどんなのなんだ?」

VRちゃん「器用さがかなり要求されるものね。そのうち出てくるわよ」

VRくん「気になるが楽しみに待っとくか」

VRちゃん「それがいいわ。 さて次回! 『違和感』 お楽しみに~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ