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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミール編
80/226

久々の拠点

へ・い・わ

 長い道のりを数日間にわたって歩き、ようやく見たことのある風景だ現れた。メリユース領のミストライフ拠点付近までやってきて、謎の安心感がある。

 疲労からか会話も減っていたが、ここまで来てメンバー皆安堵の声を上げる。

 それから更に数時間歩き、ようやく入り口の前までたどり着いた。

 フィオンが、隠してある入り口を開けるとミールは驚いていた。その先に待っている先の見えない階段に苦笑いしていたのは想像がつくだろう。

 入り口にしろ階段にしろ、俺も同じようなリアクションを取った記憶がある。

 ミールにほっこりしつつ疲れた身体に鞭を打ち階段を下りていった。


 下までやってくると、俺達が帰ってきたことは直ぐに伝わって、食堂は少しの賑わいを見せていた。


「お帰りなさい! ラクリィお兄さん!」

「ただいまルコ」


 フィオンなどは今回あったことを話している中、椅子に座り身体を休めていると、ルコが水を持ってきてくれた。


「無事に帰ってきてくれて良かったです!」

「約束しただろ、無事に帰ってきてまた生活班の仕事を手伝うって」


 正直かなり危険なことが多かったが、ルコに心配はさせたくないので、何でもないように話す。

 それからしばらくルコに俺達がいなかった間の様子を聞いたりと、他愛ない会話をする。

 そろそろ会話を切り上げて部屋に戻って休もうかと思った所で、端の方でフィオンを待っているミールの姿があった。


「そうだルコ、新しい仲間が増えたんだ。紹介しておくよ。――――――ミール! 少しいいか?」

「あ、はい! なんですかラクリィさん?」


 ミールはルコと同い年だ。ならば今のうちから顔を合わせて仲良くなっておくのもアリだろう。


「新しく仲間になったミールだ。生活班に入る予定だし、年も同じだから仲良くしてあげてくれ」

「あ、えっと、ミール・キアナです! よろしくお願いします!」

「ルコ・アルスカです! よろしくミールちゃん」


 もしかしたらルコの人見知りが発動して中々上手く挨拶が出来ないかと心配もしていただ、ミールが同い年ということもあり問題無かったようだ。


「敬語は使わなくていいよ、同い年なんだし。それと私のことはルコって読んでね」

「わかり・・・・・・分かったルコちゃん!」


 会話を聞いている限り仲良くなれそうだった。

 2人はそれから色々と話し始めたので、邪魔にならないように俺は自身の部屋に戻ることにした。


「ふぅ・・・・・・」


 久々の自室は、何というか気の抜ける感じがした。

 気を張らなければいけないのがそもそもおかしいのだが、ここ最近は張り詰めてばかりだったので、その緩急に身体が驚いているような、そんな感じだ。

 とりあえず着替えを用意し身体を綺麗にする。

 シャクストとの戦闘で出来た治りきっていない傷に温水が染みる。

 冷やさないように身体を乾かし、部屋着に着替えてベットに横になると、急激な眠気で瞼が自然と閉じられる。

 自身でも驚くほど一瞬で意識が溶けていった。






 ――――――――――






 翌日、寝すぎてだるい身体を起こし食堂に向かう。

 そこには同じくだるそうな表情をしたアロマが座っていた。


「らっくんおはよ~」

「おはようアロマ。なんだがだらしないぞ?」

「だって身体が重くって。それに頭も上手く回ってない気がする」


 テーブルの上で溶けるような格好をしながらアロマは欠伸をしていた。

 アロマはそもそも兵士だったころから極限まで神経をすり減らすような戦闘は殆どしてこなかったので、今回の戦いはかなりきつかったのだろう。


「そういえばシャクストと戦う前にヤカサスとの戦闘があっただろ? それはどんな感じだったんだ?」

「あー、そういえばあったね」

「そういえばって・・・・・・」

「はっきり言って拍子抜けするほど楽だったね。イルミアがいなかったらもう少し苦戦してたかもしれないけど、それでも1対1でも負ける気はしないかな」


 詳しく話を聞くと、実際の戦闘時間はかなり短かったらしい。

 王城では俺とフィオンを捕らえたことから、かなり実力があるのだと思っていたが、多分キャロルが強かっただけだろう。

 キャロルは本気のシャクスト相手に、俺達が逃げるための時間稼ぎをしてくれた。

 それも1人でしっかりとそれを行ったことを考えると、実力を相当隠していたように思う。


「まあもう会いたくないけどね。正直鬱陶しい」

「そうか・・・・・・」

「それにさっさと忘れてもっと力を付けないとね。あ、料理きたよ! 食べよらっくん!」


 丁度この話題も切れるというところで料理が運ばれてきたので、切り替えて食べることにした。

 外では質素な食事ばかりだったせいもあり、ミストライフの料理を口にして涙が出そうになった。

 レホラでは本当に色々とあったが、今は忘れてミストライフの整った環境の中で身体を休めることにしよう。

VRくん「久々のがっつり日常回だ」

VRちゃん「勢いがありすぎるのも疲れるから、たまにはこういうのもいいわね」

VRくん「しばらくはこんな感じか?」

VRちゃん「まあ数話はこんな感じね。というかミール編が終わるまでは」

VRくん「この調子だとあと少しってとこだな」

VRちゃん「ええ、終わったらまたミストライフっぽくなるわよ。 さて次回! 『ルコとミール』 お楽しみに~」

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