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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミール編
72/226

シノレフの農村

新章スタートです!

 シャクストの戦闘から五日が経った。

 現在俺達はシノレフ領に完全に足を踏み入れ、その中にあるとある農村にやってきていた。


 各王国には王都以外にもこうした農村に人が住んでいた。

 霧のない数少ない領地で野菜などの食料を育て王都に運ぶ。

 農民はその生涯を農村内で過ごすことが殆どで、貧しい生活を送り生涯を終える。

 逆に王都で生活をする人達は食料の供給がギリギリのこの世界でもそれなりの生活を送ることが出来る。

 つまりは王都に住んでいるというだけで恵まれているのだ。


 夜の為静まり返った村の中、その一角にある人が来ることが無さそうなところに潜んでいる。

 霧の中の移動は明確な限界がある。その為こうして霧のない地域で休む必要があるのだ。

 体内に取り込んだ霧が抜けるまで休んでいくことになる。


 霧魔獣の心配は殆どないので見張りは2人ではなく1人ずつ順番にやることになっている。

 人が来ないよう警戒しておくだけなので、戦力的なものは問題なく最悪見つかってもどうにかなるので休む時間を長くとれるようにしたのだ。


 今の見張りは俺の番だ。

 話し相手もいなく正直言って暇なので遠目に村を眺める。


 この村に来て抱いた感想は平和だ。

 貧しいと言っても生きていくだけならばどうにかなる。霧魔獣の被害も無さそうで、戦争とも無縁のその様子は見ていて羨ましくなるくらいだ。


 そんな感情を抱きながら何事もなく時間が過ぎていく。

 やがて見張りの時間が終わり俺も休むことになった。






 ――――――――――






 村に滞在してから四日が経過した。

 滞在中何事もなく、レホラからの追っても恐らくないだろうとフィオンは結論を出した。

 つまり明日には拠点への帰還するため動くことが出来る。


 昼間、フィオンの許可も出たので俺はバレないよう細心の注意を払いながら村の中を散策していた。

 とはいえ何かがあるわけではなく、人が住む家以外は殆どが畑の村だ。

 子供も含めた農民が畑仕事をしている。重労働のはずなのだがその顔には平和なことを裏付けるような笑顔が浮かんでた。


 流し見で歩いていたら村の端の方まで来てしまった。

 これ以上は何もないだろうと思い引き返そうとしたら、何やら物陰から声が聞こえてきた。


「や、やめてください・・・・・・」

「あ? なんだって?」

「もっと虐めてくださいって? しょうがねえなぁ」


 声の下方に行ってみると、男2人が女の子を虐めている現場だった。

 地面に蹲る女の子に男の1人が蹴りを入れる。

 さらにもう1人の男が女の子の髪を掴み持ち上げるように引っ張る。

 何とも胸糞悪い光景だった。

 平和そうだと思っていただけに、小さな村の中のこうした光景に驚く。

 しかし、それ以上に驚くことが一つあった。


「金色の髪? 珍しいな。というか初めて見た」


 その虐められている女の子は金色の髪だったのだ。

 俺のことは今は置いておくことにして、特殊な髪の色をしているのは知っている限りだと王族とフィオンだけだ。

 だが王族ではないだろう。王族の髪の色は代々引き継がれ変異することがない。そして王族の中で金色の髪をした人物はいないはずだ。


「いっ・・・・・・やめてください・・・・・・」


 そんなことを考えている間にも男達は女の子に暴力を振るっている。

 危険だが、助けないという選択肢は俺の中にはなかった。

 身体を霧化させバレないように近づく。

 男達は虐めることに快楽を覚えているようで周りには一切注意を向けていない。これなら気付かれる前に無力化出来るだろう。

 背後をとった状態で霧化を解除させ首元に強めの手刀を入れる。

 完全に不意を突いたこともあり、男達は小さく呻き声を上げた後に気絶した。


「大丈夫?」

「え? あ、あの・・・・・・」


 女の子に声を掛けると、気絶した男達に驚き俺の方を向いた。

 改めてみると幼い、ルコくらいだろうか? 綺麗な髪によく似合う可愛らしい顔をしていた。

 だが手や足などにはいくつもの痣があり、見ているだけで痛々しい。


「いつも暴力を振るわれていたのか?」

「は、はい・・・・・・」

「原因は?」

「分かりません。いつも何もしていないのにこうして連れてこられて・・・・・・」


 何も原因がないなら、男達の弱い者苛めか何かの標的にされていただけか。本当に胸糞悪いな。

 村の人達は助けてくれなかったのだろうか? いや、口止めされてたんだろうな。


「あの、あなたは?」

「ん? あー、そうだな・・・・・・」


 勢いで助けてしまったが、どうしようか。

 正直に言うわけにもいかない、シノレフの兵士と言っても疑われるだろうな。

 女の子は不安そうな顔をしてこちらを見ている。

 何も言わず立ち去るか? だけどそれだとまた同じ目にあうだろうな。

 フィオンならどうするか考えなくても分かるな。


「とりあえず来るか?」

「何処に・・・・・・ですか?」

「俺の仲間がいるところだ。そこで色々と聞かせてくれ」

「えーっと・・・・・・分かりました。でも、この人達は?」

「放置でいいだろ」

「あ、はい・・・・・・」


 女の子と連れてみんなの元に戻ることにした。

 その後のことはその時に決めればいい。


VRくん「早速新キャラが登場! 名前はまだない」

VRちゃん「馬鹿なこと言ってないでちゃんと話なさい」

VRくん「いいだろ別に。さて新キャラはまた何かありそうなキャラだな」

VRちゃん「そうね。この作品って髪の色が結構キーになるし」

VRくん「まあ、次回になればまた何か分かるだろ」

VRちゃん「どんなキャラなのか楽しみね。 さて次回! 『ミール・キアナ』 お楽しみに~」

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