レホラの王
8月辺りに滅茶苦茶更新する通称『更新祭』でもやろうかと思っております!!
出来たらのお話……
無事皆と合流でき、このまま帰還と行きたいところだが、まだ全てが終わった訳ではない。
「この後はどうするんだ?」
俺とフィオンに起こったことを何も知らないトアンはこの後の流れを聞いて来る。
一先ずは説明しないといけないだろう。
アロマも落ち着いたところで、俺とフィオンは先程までのことを話した。
捕まっていたこと、キャロルのこと、念のため今のうちに予想出来るヤカサスとキャロルの異能についても。
「じゃあとりあえずはキャロルさんと落ち合う場所に向かわないとだね!」
「ああ。もしかしたらキャロルはもう着いているかもしれない。場内のヘイトは私達に向いていたからな。ある程度は抜け出すのも楽だっただろう」
「なら急がないと! 私達の方で調べたことは移動しながら話すね」
帰りは来た時のようにわざわざ地面を掘る必要はない。既に作ってる道を戻るだけだ。
照明だけをアロマに頼み来た道を引き返す。
アロマ達の方で調べたことは3人とも共有しているようで、何かあった時の為にトアンがアロマの直ぐ後ろを歩き、ミシェが詳しい話を聞かせてくれた。
と、言ってもそこまで大したことがあったわけではなかったようだ。
まずは国内の様子だが、メリユースとあまり変わらず貧しいがそれなりに平和といった感じらしい。
軍にも特に大きな動きは無し。当面は気にしなくてもいいことばかりだが、一つだけ頭の片隅にでも置いておいた方が良さそうなことがあった。
「シェダ・ラガル・メリユースがレホラに来ていた? それは確かか?」
「間違いないみたいだよ。表向きは国同士対立しているとはいえ、王族同士が会うのは珍しいことじゃないしね」
シェダ・ラガル・メリユース。メリユースの現国王でありアロマの父親でもある。
名前が出た瞬間アロマが若干反応したが、今は深く追求しないことにしたようだ。
「危なかったな。タイミングがもう少し早ければ王が2人のいる状態だったというわけか・・・・・・」
「シェダは強いのか?」
「それはまあ、王なのだから強いのだろうが、如何せん情報が無さすぎる。正直ある程度情報があるシャクストよりも厄介だろうな」
確かにフィオンの言う通り手の内が分からなければ対処も簡単には出来ない。
シャクストはメリユースに住み、王城にもそれなりに顔を出していた俺でも顔を見たことがある程度だ。その性格も、ましてや実力も未知数。
もしかしたらアロマなら少しはとも思ったが、それなりに情報収集しているフィオンが分からないなら、アロマも知らない可能性が高い。
そう考えれば確かにタイミングは良かったと言える。
「そろそろだよ~」
アロマの声が聞こえたと思うと、天井に伸びる僅かな光が見えた。
俺達が来るときに作った穴であり、上に出ればそのまま外壁の外だ。
穴の真下まで来たところで全員で固まりフィオンの異能で地面を盛り上げてもらって地上に出る。
「キャロルは・・・・・・まだ来てないな」
「どうするんだフィオン。迎えに行くのか?」
「いや、少し待とう。焦って行き違いになっても嫌だしな」
「それもそうだな」
幸い霧魔獣の気配もない、夜で人も来ないだろうからここで待っていても大丈夫だろう。
時間もあるので改めて今回のことを整理しておくことにした。
まだ話していなかったフィオンの武器。それがマフラーだとはやはり思っていなかったようで皆とても驚いていた。
その性能、というか性質を話すと手合わせが楽しみだとトアンが少しワクワクしていた。
何だか和んだ空気になっていたが、人が来た時のことを考え常に周囲に気を配っている。
だが、もうじき夜が明けるという時間になってもキャロルは現れなかった。
「フィオンそろそろ・・・・・・」
「そうだな。この時間になっても現れないのであれば何かあったと考えるべきか」
「戦いになるのかな?」
「間違いなくな」
アロマは不安そうだ。
仕方がない、唯でさえ対人経験が少ないのに加えて、目に見えて危険がある。不安を抱かないのは無理だあるだろう。
「大丈夫だよアロマ」
「ミシェ・・・・・・」
「もう少し自分の実力に自信をもって! 慢心するのはダメだけど気持ちが下向きになりすぎるのもダメだよ!」
「ミシェはリラックスしすぎな感じもするがな」
「皆強いから、そう簡単に負けない。仲間を信じて」
「うん・・・・・・そうだね! よし! 頑張るぞ!」
アロマの気持ちも切り替わった所でもう一度あの場所へ向かう。
「行くぞ!」
「その必要はねぇぞ」
周囲への警戒を一瞬解いた時だった。
俺達の不意を突いて現れたのは緑色の髪をし邪悪な笑みを浮かべた大柄な男だった。
「シャクスト!!」
「久しぶりだなあフィオン! ほれ、土産だ」
「ぁ、うぅ」
「キャロル!?」
地面に乱雑に投げ出されたのは、いざこれから迎えに行こうといていたキャロルだった。
その身体はボロボロで、明らかに痛めつけられたのが分かる。
「じゃ、改めて。レホラ王国国王シャクスト・バルバトス・レホラだ!」
ここに来て一番遭遇したくない敵と対峙することになった。
遂にシャクスト登場!! 調査班メンバーでも全力戦闘の予感?
話は変わりますが、とある作品にて個性のあるキャラクターが後書きで喋っているのがいいな~と思ったのでこの作品でもそのうち出てくるかも?
作品のイメージとは少し違い、明るい感じのキャラで行こうと思っています!!