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ミストライフ  作者: VRクロエ
レホラ王国編
56/226

フィオン救出

本編に戻ってまいりました!

盛り上がってきていますが、レホラ編はまだまだ続くのでお楽しみを!

 今頃は既に俺の脱獄がバレているだろうか。

 牢屋から俺が姿を消していれば見張りに付いていた兵士に直ぐバレてしまうだろう。

 キャロルが多少時間を稼いでくれていると思いたいが、それにも限界はある。

 なるべく急がなければ。


 場内は昼間だからか、はたまた俺達が潜入したことにより警戒心が強まっているからか、かなり人が多い。

 逸る気持ちはあるが、見つかっては元も子もないので出来るだけ慎重に行こう。

 ただ、牢屋付近は流石にバレずに行くことは難しいかもしれない。

 霧化すれば可能だと思うが、囚われていた時のことを考えるとあまり頼りすぎると痛い目を見るかもしれない。

 試しに軽く発動させてみると問題無く使うことが出来た。

 やはり手枷か牢屋に何か仕掛けがあったのだろうか。

 いずれにせよ力技で突破することも考えなくては。


「ここか・・・・・・」


 フィオンが囚われているという牢屋へ続く階段までやってきた。

 音を立てずに階段を下っていく。

 階段の中腹辺りまで来ると、普段は感じない違和感のようなものを感じる。


「何だ? 人の気配と先の構造が何となくだが伝わってくる・・・・・・」


 基本的に人の気配には敏感だが、今感じているものはいつもとは比にならない程正確にその人数まで手に取るように分かる。

 内部の構造も全く知らないはずなのだが何となく分かってしまった。

 フィオンのことを心配するあまり何か変な力に目覚めたのかと思ってしまうが、そんな都合のいいことあるのだろうか?

 何にせよ、有難いことには変わりないのでこの情報を活用しないてはない。


 扉の前に立ち、入ってくる情報を整理する。

 一先ず見つからなさそうな所は普通に進んでいき、危ないところだけ霧化して進もう。

 内部はかなり広くなっているようで、何の情報も無ければ苦労したことだろう。


 扉を霧化して第一関門を抜ける。

 見回りの兵士に目を向けると、即座に全力戦闘になっても問題無いほどしっかり武装しており、纏う雰囲気からもそれなりの手練れだと分かる。

 無論あのレベルの兵士数人に囲まれようとも切り抜けられる自身はあるが、フィオンの拘束を解くのに多少の時間が掛かると考えると、無駄にバレていいことは無さそうだ。


 隠密行動は余り得意ではなかったのだが、霧化のお陰もあって何とか進めている。

 実際の距離はそこまで無いが、時間的には既に30分は経過しているだろうか、ようやくフィオンが囚われているであろう牢屋の前まで来た。

 俺の囚われていた牢屋のように中が見えるようになっておらず、目視は出来ないが、確かにフィオンの気配を感じた。

 扉の前は5人の兵士に守られていて隙が無いので霧化で行くしかないだろう。

 もし俺の予想が正しく牢屋に何かしらの仕掛けがあって霧化で抜けられない場合は覚悟を決めるしかない。


 霧化をして扉に近づく。

 恐る恐る進んだが、問題無く通り抜けることが出来た。

 思い過ごしだったのだろうか? とりあえず考えるのは後にしてフィオンの救出を急ぐ。

 フィオンは視界が奪われており、幾重にもある拘束具によって身動き一つ取れない程きつく縛られている。

 だが、普通の拘束具であればフィオンの異能があれば無力化出来そうなものだが、やはり拘束具に何か仕掛けがあるか、フィオンの異能の俺が知らない弱点でもあるのだろう。


「フィオン、迎えに来たぞ」


 外にバレないように小声で声を掛けると、フィオンが少し反応を見せた。


「ラクリィか。無事だったんだな・・・・・・良かった」

「こんな状態なのに人の心配なんかしてたのか。もう少し自分の心配をしてもいいんじゃないか?」


 フィオンは表にはあまり出さないが本当に仲間を大切にしている。

 過去のことにも影響があるのだろうが、もう少し自分の心配もしてもらいたいものだ。


 俺は剣でフィオンを傷つけないよう丁寧に拘束具を壊していく。

 最後の拘束具を壊して、最後に視界を覆っているものも外してやり、床に座らせた。

 張り付けのようになっていたため身体への負担は半端なかっただろう。

 幸い人が入ってくる様子は無いので、少しだけ休んでから行くことにした。


「この後はどうする?」

「そうだな・・・・・・。多少強引にでも脱出した方がいいだろう。先手を取られない限り捕まることはないと思う」

「分かった。――――――そうだフィオン、キャロルについて話しておきたいことがある」


 俺はフィオンに先程のキャロルとの会話の内容、そして仲間になることを了承してくれたことを伝える。

 それを聞いたフィオンは、心なしかと嬉しそうな表情になった。


「良かった、やっぱりあいつは敵じゃなかったんだな」

「合流場所も既に伝えてある。1人で抜け出せるかは多少心配だが、話した感じキャロルもかなりの曲者って感じだったから問題ないと思いたい」

「最悪態勢を立て直した後に迎えに行こう。仲間になるというのなら放ってはおけない」

「言うと思ってたよ。その時は色々覚悟を決めないとな」

「ああ」


 覚悟とは戦闘になる覚悟だ。

 生半可なものではない。正真正銘少しでも気を抜けば命を落とすことになる、そういったレベルの話だ。


「よしフィオン、立てるか?」

「もう問題ないさ。今更だが助けに来てくれてありがとう。嬉しかったよ」

「・・・・・・当たり前だろ、仲間なんだから」


 軽く微笑みお礼を言ってくるフィオンを見て無性に恥ずかしくなり素っ気なく返事をする。


「さて、行こうか。頼りにしてるぞラクリィ」

「こっちこそ。頼りにしてるぞフィオン」


 そう言いあう2人は共ににいくつもの戦場を生き抜いてきたような、そんな雰囲気が漂っていた。



ラクリィとフィオンのような信頼関係は眩しいですね~

アロマの方がヒロインしてそうですがフィオンも本当に可愛い

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