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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミストライフ加入編
37/226

アロマ加入

 レイラ中佐とサレンさんと別れた俺達はミストライフの拠点へと向かう。

 来るときは出るところを見られないように注意したが、帰りは万が一にも誰かに見られるわけにはいかない。

 もし出入口の付近で見つかればそのまま場所を特定される恐れがあるからだ。


 周りに気を配りながら時々出てくる霧魔獣を最低限の火力で処理する。

 こういった時ほど俺の霧化の力は役に立った。

 姿を隠し霧魔獣が断末魔をあげる隙も与えず1撃の元に屠る。


「らっくんの新しい異能? でいいのかな。本当に強力な力だね」

「アロマだって異能の変化が起こってさらに強くなったじゃないか。頼りにしてるよ」


 先の俺との戦いでアロマのモメントジャンプも強化された。

 再発動までの時間が短くなり、霧魔獣が複数出てきても俺と似たような対処が出来る。


 こんな調子で道中に出てくる霧魔獣は痕跡もほぼ残さずに処理することは難しくない。

 フィオンの異能ではどうしても少なからず痕跡が残ってしまうし火力も少し足りない。

 それに魔法は普通に目立ってしまう。

 なのでフィオンは周囲の警戒を主に行ってもらっていた。


 とはいえこんな何もないところに滅多に人が来るはずもなく全ては杞憂に終わった。


「さあ着いたぞ」


 やがて俺とフィオンが出てきた場所に到着する。

 何もない岩肌を見てアロマは不思議そうな顔をしていた。


「着いたって・・・・・・ここ何もないけど?」


 そんな様子のアロマを尻目にフィオンは異能で岩を切り崩す。

 こんなところにある入口など見られなければ絶対にばれることはないだろう、わざわざピンポイントで切り崩すこともあるわけはないし。


「こんなの分かるわけないって!」

「まあ分からないようなところに出入口を作ってるからな。さ、行くぞ」


 俺達が中に入ったのを確認してフィオンは入り口を塞ぐ。

 長い長い階段を下り今となっては安心感すら覚えるミストライフの拠点に帰ってきた。


 とりあえず飯を食べて落ち着こうとなり食堂にそのまま向かった。

 その途中でコナットに出会った。


「おや、フィオンさんラクリィ君お帰りなさい。――――――そちらのお嬢さんは新しいメンバーですかな?」

「ああ、メリユースの王族でもあるアロマだ」

「今日からミストライフのメンバーになったアロマです!」

「コナットです、よろしくお願いしますアロマさん。それにしても王族ですか・・・・・・随分と大物を連れてきましたね」

「まあ偶然な。とりあえず私達は食事に行くので詳しい話は後で話すよ」

「分かりました、では後程」


 コナットは丁寧に一礼すると去って行った。


 それからも数人と出会い軽く挨拶をしつつ食堂にたどり着いた。

 ルコとマキアさんはいないようだったので特に誰かと話し込むようなこともなく手早く食事を済ます。


「ご馳走様でした。まさかこんなしっかりとした食事が出てくるとは思わなかったから驚いちゃったよ」

「なんだか今日のアロマは驚いてばかりだな」

「そりゃあ驚くよ! 国の支援も受けてないのにこの食事に設備、犯罪組織って規模じゃないよ!」

「ふふふ、そうだろう。ここまで来るのは結構苦労したがな」


 フィオンは軽く言うが、実際は苦労なんてレベルじゃないだろう。

 フィオンの持つ異能でなければそもそも不可能に近い。それに異能があってもこの規模の拠点を1人で作るのは並大抵の作業量ではない。


「それにしてもアロマが来たことに誰も驚いた様子がなかったな。しいて言えば王族だってことに驚いていたくらいか」

「確かにわたしも思った。自分でこう言うのはなんかあれだけど、普通いきなり知らない人がいたらもっと驚くし怪しむと思うんだけど」

「ミストライフでは別に珍しいことじゃないんだ。突然誰かが誰かを連れてくる、ここのメンバーはだいたいそうやって増えていく。そもそもがどこかの王国で冷遇されていた者達だから協力的だしな」


 生活班の子供たちは聞いた話だと厳しい環境にあって国の庇護も受けられていな子たちを拾ってきていると聞いた。

 研究員達は真実に近づきすぎたのだという。

 マキアさんや他の調査班のメンバーについては詳しいことは知らないが何かしらあるのだろうか。


 ミストライフのメンバーはその大半が戦う力のない者達だ。そういった人を連れてきているうちに、もうみんな慣れてしまって新しいメンバーに驚かないそうだ。


「しっかりと見極めてメンバーにするのはお前達のように戦う力のある奴だけだ」

「そんな境遇の人がこんなにもいたなんて・・・・・・王族として恥ずかしいよ」

「王族と言ってもお前はあの国において大したことは出来なかっただろうさ。悔しい気持ちがあるのならミストライフのメンバーとしてこの間違った世界に切っ先を向けろ」

「うん・・・・・・そうだね。わたしにやれることがまだまだあるのならなんだってしてみせる!」

「そのいきだ!」


 その後アロマに部屋まで案内して、後日にまた詳しい案内をすることになった。


1.2.3話軽く修正しました!

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