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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミストライフ加入編
3/226

不可解な戦争

こんにちはクロエです。

毎回前書きが一番書く内容に苦労しております。どうしたらいいのでしょう?

 それからしばらくゆったりとし、そろそろ切り上げる頃合いかと思い立ち上がろうとする。


「待ってらっくん! 少し話しておきたいことがあるの」


 そう言ってアロマが引き止めるので座りなおす。

 先ほどとは違いアロマも顔は真剣だ。俺もリラックスしていた気持ちを切り替える。


「それで、その話ってのは?」

「うん。でもその前に・・・・・・、らっくんは今の世界の現状についてどう思う?」

「世界か、随分と規模の大きい話がきたな」

「ごめん、少し言い方が悪かったかも。世界というよりは4国・・・・・・、もっと言えばいつまでも終わらない戦争について」

「そりゃあ、本音を言えば馬鹿馬鹿しいと思うよ。500年も本来助け合わなきゃいけない人間同士で争ってるんだ。俺自身だって本当なら人なんか殺したくないさ」


 ただでさえこの世界には霧、霧魔獣(ミストビースト)などの問題があるのに人々は同族でも争っている。

 はっきりと言って愚かだとしか思わない。


「でも戦争の理由も納得せざるを得ない部分もあるよね。霧を無くす方法も今のところ無いし、限られた土地で生きていくには奪うしかない。

 でもねらっくん、おかしいと思わない?」

「何がだ?」

「4つの国が戦争をしていて500年間どこの国も無くならないなんて」


 言われて確かに少し変だと思った。

 この500年も続く戦争は奪う為の戦争だ。それなのにどこの国も奪えていないし奪われていない。それは国という大きな括りの話だけではなく、各国が所有する農地用の小さな領土も含めて短期間ですら占領された等の話は聞いたことがない。


 だがこれだけでは完全におかしいとは言い切れない。

 それはこの戦争形態にある。仮にこの戦争が2つの国だけで勃発したものだとすれば、それこそ多く見積もっても100年で決着が着くはずだ。

 だが4国でにらみ合っている以上無理に攻めて仮に1つの国に勝てたとしても、疲弊している間に他の国に叩かれるには目に見えている。


 しかしこの考えでは何故4つの国が同時に戦争を始めたのかがわからない。

 事実上これはほぼ目的が達成出来ない戦争だ。あるいは他の国が力を付けすぎるのを防ぐ為の可能性もあるが。

 だがそれなら、それこそ言葉において制限をかければよかった話だ。流石にどの国も他3国を敵に回した戦争はしないだろう。


 考えれば考えるほどに確かにこの戦争は不自然だ。


 あるいは何か根本的に違うことが――――――


「わたしね思ったんだ、そもそもこの戦争は()()()()()()()()()()()んじゃないかって」


 考えこんでいるところにアロマがもやもやしていた何かに対する答えを持ってきた。

 俺は小さく息を吐き下げていた顔を持ち上げアロマの方に向き直した。


「おかしい点があるとすればそこか。だがだとしたら他の目的ってなんなんだ」


 あるとすれば先程考えた他の国に対する抑制か? だとしても流石に短絡的じゃないだろうか。


「わたしが考えた可能性は3つ。

 まず1つ目は他国に対する牽制。1つの国が大幅に力をつけた時点で他の国はおしまいだからね」

「その可能性は俺も思い至った。あまりにも短絡的だとも思ったが」

「まあらっくんの言うことにも一理あるけど当時の状況はわたし達にはわからないからね。

 2つ目は突拍子もない話だけど、人類の進化を戦いの中で促すため。ほら、戦闘ってどうしても霧の中じゃない。今は5日も霧も中にいると人って死んじゃうでしょ? その環境に長い年月耐えられるようにみたいな」

「それはまあなんというか、無さそうだな」

「まあまあ、霧魔獣だって普通の生き物が長い年月で進化したものだしありえなくはないかもよ。

 それで3つ目なんだけどね・・・・・・」


 そこまで言って急に歯切れが悪くなった。表情も心なしか暗い。


「どうしたんだアロマ?」

「いや、やっぱりいいや。流石にこれは無いと思うから」

「なんだよ、気になるじゃないか」

「あはは、ごめんね。でも先に言った2つも、それどころか別の目的があること自体ただのわたしの推測だからあんまり気にしなくてもいいよ」


 アロマはこう言ってるが俺は別の目的があることについて確信に近い何かがあった。

 流石に2つ目の可能性は無いと思うが、1つ目は無くはないと思う。

 気になる3つ目はアロマはどうしても言いたく無さそうであった。嫌な予感もするが無理に聞き出すこともないだろう。


 しかし、今までは戦争について深く考えたことは無かったが、今度()()()辺りに相談してみてもいいかもしれない。


 それにしてもアロマも本人は王族扱いされたり、人から硬く接されることを嫌ってるが、こうして色々と国のことや世界のことを考えてるのを見るとやはり王族の血を引いてるなと思う。

 本人にこんなことを言えば勿論怒られるが。


「それで、話はこんなもんか?」

「うん、聞いてくれてありがとね。もういい時間だしそろそろ行こうか」

「考え事をしてると時間の流れが速く感じるな」

「ふふ、そうだね」


 アロマの顔からは暗い表情も真剣な気配も既に消え、代わりにいい笑顔が戻っていた。

 帰りの道は他愛のない話をしてしながら歩き、やがて別れの場所に着く。


 俺は別れ際、ふとアロマに言った。


「早く戦争も霧も無い世界になるといいな」

「そうだね、こうしてずっと美味しいものを食べて他愛ない話をらっくんとしてられる世界になったらいいな」


 それが俺とアロマの願いだ。

今回はセリフが多い回になりました。

次回からはいよいよ本筋にのっていきます。

バトルシーンも徐々に入り始めるのでお楽しみください。

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