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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミストライフ加入編
22/226

ミストライフの日常

今回はまあほのぼの回です。

 フィオンとの模擬戦から3日が経った。

 あそこまで激しく体を動かしたのは3ヵ月ぶりだったので、全身が筋肉痛になってかなり焦ったものだ。


 今日は特にやることもないので朝食を済ませてから、生活班の仕事を手伝いに来ていた。正確に言えば、ルコの手伝いなのだが。

 未だに生活班の中で仲がいいと言えるのはルコだけだった。

 マキアとも普通に喋ったりはするが、仲がいいという感じではない。何というか、なんだかサレンと話しているような感覚だった。


 と、言うわけで、俺は基本的にルコのやっていることや言われたことをやるだけだ。

 主なことは野菜の収穫など。料理などは正直俺では全く役に立たないので手出ししないことにしている。


「ルコ、こっちは終わったよ」

「ありがと、ラクリィお兄ちゃん! じゃあ運ばれてきた野菜を一緒に洗ってくれる?」

「任しとけ」


 ルコと並んで冷たい水で野菜を洗う、手に取る野菜はどれも新鮮で美味しそうだ。

 ここれだけの野菜を安定した数収穫出来る環境が整っているミストライフは本当にすごいと思う。この規模の4国から隠れられる場所をどうやって作ったのか気になるところだ。未だに把握できていないところが沢山ある。今度改めてゆっくり見て回るのもいいだろう。


 しばらく黙って野菜を洗っていると、隣から楽しそうな鼻歌が聞こえてくる。


「楽しそうだなルコ」

「はい! ラクリィお兄ちゃんと一緒だから。そうだ、先日フィオンお姉ちゃんと試合したんだよね? その時のお話を聞かせて!」

「あー、フィオンは強かったな。うまく話せるか分からないけど、それでもいいか?」


 ルコがそれでも聞きたいと楽しそうに頷くので話してあげることにした。

 話しながら改めて思い出すとフィオンは強かった。色々な武器を自在に使いこなす技量、体捌き。魔法の発動速度は速いし威力もある。そして選択肢の多い戦い方に的確に組み込まれた異能。

 本当に上には上がいると思い知らされた。


 それに・・・・・・


「舞うように靡くフィオンの蒼い髪は綺麗だったな・・・・・・」

「!? 確かにフィオンお姉ちゃんは凄く綺麗です。私もあんな風になれたらなぁ」

「ルコは十分可愛いよ」


 俺の呟くように言ったのがルコにも聞こえていたらしい。

 自虐するようなルコの言葉にフォローは入れておく。実際ルコはかなり可愛いとも思ったのは事実だ。


 しかし戦闘中は集中していて気にならなかったが、こうして戦闘を振り返り俯瞰で見てみると、ほぼ完成された動きに合わせて靡くフィオンの髪は本当に綺麗だった。

 何故だろう、初対面の時からフィオンには引き付けられる。何に対してかは明確には分からないでいるが。


「ラクリィお兄ちゃんはフィオンお姉ちゃんのこと好き?」

「――――――随分といきなりだな」


 ルコに言われて考えるが、俺はフィオンのことをどう思っているのだろう。

 考え方や志でいえば好きだ、容姿も綺麗だとは思う。性格的な面で見るとこれも嫌いではない。

 仲間としてはとても好感を持てるし、信頼も出会ったばかりにしてはかなりしている。

 だがルコの言う好きとは恋愛的なことだろう。そうなるとよくわからない。

 今までそのような経験が無いから、フィオンに対するこの感情が恋愛感情なのかいまいち理解できない。

 アロマに持っていた感情は恋愛感情ではなく、もっと違う別の感情のような気がする。

 そしてフィオンとアロマに感じている感情は別物だった。だからこそまだ理解できないでいる。


「どうなんだろうな、まだよくわからない。ただ、フィオンの為なら命くらいは懸けられる気はする」

「そうですか。逆にフィオンお姉ちゃんはどう思ってるんだろう」

「それは流石に俺にはわからないな。それをフィオンに聞くのはハードルが高い気がするし」

「私がなんだって?」


 ルコとの会話と考えごとに気を取られていて、フィオンが来ていることに気が付かなかった。


「フィオン、どうしてここに?」

「なんだ? 居てはダメだったか? まあこれといった理由はないさ。暇だったからラクリィが今日はここでルコの手伝いをしていると聞いたから見に来たんだ」

「暇だからってお前なぁ・・・・・・。あー、フィオンも手伝ってくか?」

「そうだな、そうさせてもらおう」

「勝手に決めちゃったが、いいかルコ?」

「は、はい! よろしくお願いしますフィオンお姉ちゃん!」

「ああ、任せておけ!」


 フィオンは俺の横に立ち同じように野菜を洗い始める。

 先程まであんな会話をしていたせいか妙に意識してしまう。

 チラッとフィオンの顔を見ると幼さを残しながらも凛とした綺麗な顔に思わず鼓動が速くなるのを感じた。

 背丈はルコより少し高いくらいという感じだが、それでも大人っぽい雰囲気があった。

 そんなことを思いながらフィオンを見ていると、どうやら見られていることに気付いたようでフィオンがこちらを向く。


「なんだそんなに私のことを見て。流石に少し照れるぞ」

「いや、何でもない気にしないでくれ」

「ならいいんだが」


 お互い顔を赤くしながら顔を逸らす。

 その様子をルコが複雑そうな表情をしながら見ていたが、2人ともそれに気づくことはなかった。





そろそろ冬アニメが始まりますね。

転スラ2期や無職転生等々なろう原作でも見たい作品が多いので書くのに集中出来るか心配です(汗)

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