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ミストライフ  作者: VRクロエ
霧の世界編
201/226

キャロルの判断

 混戦の中、俺達はキャロルの元へ向かった。互いにまだ様子見という段階なのか、キャロルは勿論、サレンさんとレイラさんもまだ戦線には参加していない。

 俺達が現れてもフュストルが動き出さなかったことから、こちらの戦力を把握したいのだろう。強者は自分が相手にした方がいいと考えてるに違いない。


「状況は!?」

「フィオン! 戻ってきたのですね! 今のところ大きな被害はありませんが、このまま長引けばどう転ぶか分からないでしょうね」


 人数ではこちらが勝っているが、相手は1人1人が異能者であり、個々の力で言えば劣るだろう。早めにフュストルという頭を潰してしまうのはありな気がする。


「私達は島の内部へ、昨日今日で行った場所に向かおうと考えています。トアンさんとミシェリアさんにはフュストルの始末をお願いします」


 既にどう動くかは決めてあるようで、指示が早い。


「今の状態で向かう意味は?」

「恐らくキャロルはこう考えているんだろう。このタイミングで襲撃してきたのは、私達がハクラの元、もっと言えば霧魔花に近づいたからだろう、と。発見されるのも時間の問題と判断して、ハクラはフュストルを送り込んできたと考えてるんじゃないか?」

「その通りです。もっと言えば、私達がこの島に来た時点でハクラは気が付いていたのではないでしょうか? でなければ、戦闘の準備を整えたフュストルがここに来るとは思えません。偶然にしては無理があります」


 なるほど、確かに筋は通っている。

 ハクラは今動くことが出来ない状況であり、即座に排除するのは難しいと考えた。その為、バレていないうちは手を出してこなかったが、俺達が近づいたことにより動かざる負えなくなった。元々場所は分かっていたため、スムーズにフュストルを送り込むことが出来たのだろう。

 探索中の俺達ではなく、拠点にしたのは、俺達が異変を感じて戻ることで時間稼ぎになると踏んでいたのかもしれない。


 拠点からハクラのいる場所まで近いとは考えにくいことから、相当な広範囲の探知が使えるようになったのだろう。一体どれ程力を増しているか、予想が出来ない。


「サレン、レイラ、ここの指揮は任せます。出来る限りトアンさんとミシェリアさんに邪魔が入らぬように」

「お任せください」

「キャロル様も気を付けて」


 先程まで探索に出ていた俺達は勿論すぐにでも動くことが出来る。キャロルも、基本的には身軽な装備で戦うようなので、あまり戦うように見えなくとも準備は出来ているのだろう。


「トアン、ミシェ、頼んだぞ」

「おう。お前の方こそ、絶対に勝ってこい」

「こっちが終わったらなるべく早く向かうからね!」


 気張った様子の2人はとても頼もしく、任せておいて大丈夫だろうと思えた。


 俺達は地図を広げ、ルートを絞る。確実に目視できる場所ではないので、洞窟なんかの入り口がありそうな場所を選択し、順に向かうこととなった。

 俺の探知で見つけることが出来ていないということは、何かしらハクラが仕掛けをしている可能性があるので、自身の目で見逃さないようにするしかない。


 いざ出発というところで、こちらに向けて魔法が飛んでくる。かなりの物量があることから、放ったのはフュストルだろう。


「今更こんなもので・・・・・・」


 フィオンが手を翳すと、飛んできた魔法の全てが消失する。

 大した攻撃ではないものの、邪魔は邪魔なので、もう打たせないとトアンとミシェがフュストルに向かっていった。

 それを確認して俺達は目標地点に向かう。それなりに距離があるので体力を使い過ぎないように速度にも気を遣ってだ。


「グァ」


 俺達が走り出すと、ファーニーが鳴いてくる。どうやら乗っていけと言っているらしい。

 バレている以上、確かに移動に気を遣う必要はない。速度の方が大事だった。


「頼むなファーニー。皆! ファーニーの背に乗ってくれ!」


 乗りやすいように身を屈めたファーニーの背に飛び乗っていく。方角の指示などはキャロルに任せることになり、俺達は空から地上に目を向ける。

 霧のせいで殆ど何も見えてはいないが、それでもただ目標地点に向かうことはしたくなかった。


「ファーニーさん、あの辺りで下ろしてください」


 キャロルの指示に従い、ファーニーは木々を避けながら地面に着いた。

 岩肌が所々に見え、落ち草などに隠れて穴が隠れていそうな雰囲気はある。俺達はゆっくりと進みながら、周辺を探索していった。


「キャロル、お前の異能で一気に地面の物をどかしてみてくれ」

「分かりました、やってみます」


 いちいち手作業でやっていてはキリが無い。フィオンの思い付きでキャロルの異能を使うことにする。

 それほど重たい物もないので、キャロルの異能があれば殆どの物をどかせるだろう。


「いきます」


 異能が発動し、地面に落ちる葉が舞い上がる。一ヶ所に集められていき、効果を及ぼした範囲の地面は綺麗に何も無くなっていた。


 そして・・・・・・


「あったぞ」


 俺達は、地面の中へとつながる階段を発見したのだ。

VRくん「ラクリィ達じゃない方の戦闘描写って書かれるのか?」

VRちゃん「この後数話してから書かれるみたいよ。全員が敵と相対してからになるみたい」

VRくん「本当に長い最終章になりそうだな」

VRちゃん「それだけのものが詰まったものになるんだからサイコーじゃない。 さて次回! 『地下都市』 お楽しみに~」

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