表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミストライフ  作者: VRクロエ
崩壊編
186/226

最終作戦1

「まずは敵戦力の確認から入ろう」


 フィオンの言葉と共に話がスタートする。

 明確に分かっている敵は、まずは一番の強敵であるハクラ。さらにハクラが操るシャクストとシャクラ。こいつらに関しては居場所が分かっているのでそこに関しては問題ない。


 次に拠点を襲撃した頭であろうフュストル。シノレフ国内にはいないようなので、何処かに潜伏しているか、霧魔花の島に渡ったか。恐らくは後者なのではないかというのがフィオンとキャロルの意見だ。

 フュストルは現在安心して身を隠せる場所はないと言って良い。最も安全なのは霧魔花の島なので、ほぼ間違いないだろうということになった。

 同じ条件のシェダだが、厄介なことに行動を予測できる程の情報と、こちらの予想を上回ってきそうな不気味さがある。予想はむしろしない方がいいとなって、発見次第対処という形に落ち着いた。

 残りの五芒星メンバーは臨機応変に対応。人数はかなり減っているだろうことは分かっているが、油断はできない。


 こちらの戦力は俺達を抜いて30人ほどがいる。レイラさんが戦いについていける兵士だけを選抜して編成した部隊だ。

 国の守りも考慮してこの人数になっているため、これ以上は増やせない。とはいえ相手の人数を考えれば丁度いいくらいだろう。


 それから各敵の戦闘データの共有、対策を練って、誰が当たるかを決める。


「万が一シェダが出てきたら俺に任せてくれないか?」

「それは、1対1でか?」

「ああ、心配しなくていい。必ず勝つさ」


 アロマを殺した張本人であるシェダは俺が決着をつけたかった。それ以外にも聞き出さねばいけないこともある。


「フィオン、いいのではありませんか?」

「そうだなぁ・・・・・・分かった、ラクリィに任せる」

「ありがとう」


 ハクラとの戦闘は俺とフィオンで行うのだが、フィオンはその時にシェダとの戦いで疲弊していないかの心配をしていたのだろう。その心配は正しいものだ。

 俺が探知を切っていたとはいえ、誰にも気が付かれず、尚且つ絶好のタイミングで出てきたシェダは、相当な実力があるはずだ。

 それに奴が持つ異能もまだ予想の範囲でしかない。楽な戦いにはならないだろう。

 それでも負けるつもりはかけらもないが。


「次にフュストルだが――――――」

「フュストルは私とトアンで当たるよ。拠点に手を出したことを後悔させてやらなきゃね」

「そうだな、ボコボコにしてやる」

「だが相性が・・・・・・いや、大丈夫だな。任せるぞ? ミストライフを怒らせたことを後悔させてやれ」


 近接戦闘特化のトアンと、ミドルレンジが強いミシェではフュストルとの相性は悪い。だが、一度戦った相手に後れを取るほどこの2人は弱くはないのだ。

 フィオンもそれを分かっているからこそ、言いかけたのを止めて任せることにしたのだろう。


「じゃ、私は王の死体をどうにかする」

「私もイルミアさんと共に戦いましょう。実の父親でもありますからね」

「ここは問題なさそうだな。異能の相性も良い。共闘は初めてだろうから打ち合わせ程度は行っておけよ?」


 イルミアとキャロルの異能者コンビは負ける未来が見えない。

 もし相手が生きていた頃の王だったら厳しかったかもしれないが、今はあの時程の実力がない。

 イルミアの実力は知っているし安心だ。キャロルもレホラとの戦争の時は大暴れだったと、霧魔花の島に行く前に聞いている。

 異能についても、イルミアは直接的な負荷を、キャロルは間接的な負荷をコントロールできるといった点でみれば、似たもの通しで相性も良さそうだ。


「では私とサレンは取り巻きの始末を。兵士達の士気も取らねばいけないので」

「任せてください」


 レイラさんとサレンさんはフィオンとキャロルに向け頭を下げながら言う。

 現状、フィオンとキャロルはこの作戦のトップに当たる。キャロルには元からだろうが、同じ立場で上に立つフィオンにも頭を下げたのだ。

 兵士達にも今回のトップにフィオンがいることは知らされており、フィオンは絶対の命令権を持っている。

 まあ、当のフィオンはキャロルに任せているようだが。


「対応する相手が決まったところで、次に必要な物を言ってくれ。それとミールにも付与をしてもらうから、考えてくれ」


 出し惜しみはしない以上ミールにも全力で手伝ってもらう。大変だろうが、ミールもやる気を出してくれていた。

 俺も何か考えておこう。ミールの異能で付与した武器は切り札にもなりえる程強力だ。後でフィオンにも意見を貰おう。


 各々がこういうのがあったらいいというのを言ってき、フィオンとキャロルがそれを確かな形にまとめていく。

 俺は出来ることもないので、それが終わるまではとりあえず考えているだけだった。


 付与された武器以外にも何かハクラの意表をつける何かはないか、それとシェダに対する戦闘も想像しておく。

 湧き出てくる憎しみを抑え込んで、あくまでも理性的にいることを心掛けていた。


VRくん「それぞれの相手が決まったな」

VRちゃん「イルミアとキャロルの組み合わせだけ意外かしら?」

VRくん「でも普通に強そうなコンビだよな」

VRちゃん「そうね。異能も似た感じだし、案外合うかも。 さて次回! 『最終作戦2』 お楽しみに~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ