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ミストライフ  作者: VRクロエ
ミストライフ加入編
15/226

戦争の裏側

投稿期間空いてしまってすいません。

次ももしかしたら期間空いてしまうかもしれません。

 そうしてフィオンは語り出した、500年にも及んでいる戦争の真実を。


 4つの王国が出来たとき、同時にその時代でも力のある者が王になった。その者たちは力だけではなく、上に立つ者としての資質も高く人々は何の不安も言わず受け入れた。

 その後、数十年は平和な時代だ続いていたが、人は増え土地や食料問題が深刻化していった。

 最悪はギリギリ避けていたものの、早く手を打たなければ取り返しがつかなくなってしまう。


 そこで4つの王国がとった選択は戦争だった。

 背に腹は代えられない。他国から土地を奪い取り自国民を癒す。王が民を決起させ準備は進められていった。

 それまでは仲は良くはなくとも、敵対とまではいってなかった4つの王国が完全に分離した瞬間だった。


 ――――――表向きはそうだったのだ。


 各国の兵士達が命を懸け戦っている。勿論多くの兵士だ死んだ。

 ただ王達にとってこれは思い描いていた通りになっていた。

 王達は秘密裏に結託しており、このままでは自分たちにも食料問題などのしわ寄せがくることを忌避して、ある計画をたてた。

 それは戦争による人口の減少。

 どれだけ交戦が起こってもどの国にも甚大な被害が無いのは、国のトップであり最も力のある王にその意思がなかったからだ。ある程度人が死ねば目的は達成される。

 別に土地などどこの国のものでもよかった。なぜなら自分たちは国ではなく世界のトップなのだから。国同士の敵対意識のある各国民たちとは違い、4人の王がこの世界を掴んでいるという認識をしていたから。

 王たちは各国の人口増加を見て戦いを起こし、人口をコントロールしていた。

 それと同時に、特に力のある者を仲間に引き入れ、少人数ながら強大な組織を作り上げた。

 だが王も人間であることに変わりはない。やがて寿命も尽きてしまう。

 そこで自分の子供にその玉座を渡し、世代が変わってもその一族が王として君臨するようにした。

 不思議なことに、子供にもその力と同種の力があったからだ。

 そうして王たちの歪んだ思想により起こされる戦争は500年も続いてきた。


 だが今代において、衝撃的な発見がされる。霧の発生原因だ。

 レホラ王国の研究員の1人が偶然見つけた1輪の花を解析した結果、偶然にも真実にたどり着いてしまったのだ。

 その研究員と同じく研究していた仲間たちは大喜びで王に報告をした。

 結果待っていたのは、研究員たちの粛清。

 王は知っていたのだ。霧のことなど既に。

 隠されてきたのは歪んだ理由だ。世界に広大な土地が戻れば、自分たちが支配しきれなくなると。この限られた世界で王であり続けるためだけにひた隠しにしてきたのだ。






 ――――――――――






「――――――とまあ、こんな感じだ」


 話終えたフィオンは軽く息を吐いて体をほぐす。

 ここまでの話を改めて整理すると、確かに簡単に漏らしていい内容ではない。

 それに都合が悪いということもわかった。こんなことが広く知られた日にはまず混乱が起きるだろう。そして家族を失った者や戦争で傷ついた兵士が王達を許しはしないだろう。

 それならば何故ミストライフという組織はその者たちを先導して打倒王を目指さないのか。

 理由としてはまず王の言うことと何かもわからない組織の言うことならどっちを信じるかは言うまでもないだろう。

 だがそれ以外にも――――――


「なあ、仮に今その王達の組織と全面的に戦って勝てるのか?」

「んー、わたしが知っているメンバーで全てならかろうじて勝てないこともないと思うが・・・・・・確実に知らない奴はいるだろうな。まあどれほどの死傷者が出るかは言うまでもない。そんな状態で市民まで巻き込みたくはないな」

「そうか・・・・・・」


 俺が言いたかったことを察してくれたのかフィオンは答えてくれた。

 聞いた感じフィオンも市民を巻き込みたいとは思ってないみたいだ。この辺は俺の考えと一致している。

 何度も言うがフィオンの言葉はほとんど疑ってはいない。仲間になるのもありだと思う。

 だが王族と聞いて脳裏によぎるのはアロマのことだ。目指すところはきっと同じだと思うが、ミストライフに入った時点で敵となってしまうだろう。

 アロマと願った平和を目指すならきっとミストライフに入るのがいいんだろうとは思う。だがここでアロマと敵同士になりたくないという思いが捨てきれない俺はただの偽善者なのだと思う。

 何が最善なんだろう。すぐに答えは出そうにない。


「はぁ・・・・・・考えることが多いな」

「とりあえずわたしのことも聞いておくか?」


 フィオンはかなりうきうきしてる。そんなに自分のことが話したいのだろうか。


「フィオンのことを聞いて俺の考えは変わりそうか?」

「そう言われるとそんなことはないな。いや、変わってほしいとは思うが」


 フィオンは少ししょんぼりした。


「すまないが考える時間をくれ。すぐには決められそうもない」

「いいだろう。3日待つ、それまでに決めてくれ。食事は用意するしトイレなどもこの部屋についてるから使ってくれ。ただこの部屋からは出られないと思ってくれ」

「わかった」


 話が終わるとフィオンは部屋を出ていった。

 3日間、どちらにするにしろ覚悟は決めなくちゃな・・・・・・。

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