表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミストライフ  作者: VRクロエ
王都決戦編
141/226

キャロルを信じて

 メリユースでは色々とあったが、キャロルの手腕もあり落ち着きを見せてきているようなので、俺達もやるべきことに戻ることが出来ていた。

 といっても、今のところなんの成果も出ていない。ほぼ毎日誰かしら、もしくは全員が捜索に出ているが、全て空振りに終わっている。

 バラバラに動いていると言っても、必ずしも毎回1人で探索に出ている訳ではない。数人で向かうこともあれば、全員で行くこともあった。

 異能などを使ってしか行けない場所もあるので、こうなることは必然だろう。


 さて今日も何処かへ向かおうと思いながら朝食を取っていると、珍しいことに、というよりも初めて拠点に客が来た。

 メリユースからの遣い。まあサレンさんなのだが、どうやら耳に入れておいてほしいことがあるみたいだ。

 丁度まだ誰も出発していなかったので、全員集まった状態で話を聞く。

 そして、報告の内容を聞いて、クーデターの時と同じくらい驚くこととなった。


「レホラ王国からメリユース王国に宣戦布告がなされました」


 宣戦布告。言葉は知っているが、実際にそれがなされたというのは聞いたことがなかった。


「それは本当なのか?」


 フィオンも戸惑っている様子。それもそうだろう、宣戦布告をするとなると、これまでの小競り合いだけを繰り返していた戦争とは訳が違う。明確に相手を滅ぼすという意志がそこにはあるのだ。

 各国の情勢が変わったからこその動きだとも言えるが、こんなに早く仕掛けるとは何を考えているのだろうか?


「はぁ・・・・・・全く、奴は本当に救いようがないな」


 奴とは、ヤカサスのことだろう。

 確かに以前会ったときに思ったのは、自分に絶対の自信を持ってそうな奴という感じだったが、それが王になったことでさらに酷くなったみたいだ。


 呆れるようにこめかみを抑えるフィオンを見て、サレンさんは何故か小さく笑っていた。


「ん? 何か可笑しかったか?」

「そうですねぇ、レイラから聞いたキャロル様の反応と全く同じだったもので」


 どうやらキャロルも同じ反応をしたらしい。

 2人からのヤカサスの評価が浮き彫りになるような話に、俺も可笑しくなってしまい笑いが出た。


 そんな冗談交じりの雰囲気は程々にして話を進めていく。


「なあフィオン、ヤカサスの狙いが何だか分かるか?」

「恐らくだが、五芒星の手が及んでいないメリユースを落として二つの国を自分のものにでもしてやろうとか考えたのだろうな。それに加えて現在実権を握っているのはキャロルだ。奴はキャロルのことを見下していたからな、余裕で勝てるとでも考えてるんだろ。全く持って愚かだ」

「そうなのか? 俺の印象だとキャロルって相当なもんだろ?」

「その認識で間違いない。キャロルとヤカサスでは実力も頭も雲泥の違いがある」


 本気で戦っているところを見たことがない為、実力の方は俺には分からないが、キャロルはフィオン並みに頭が良さそうな雰囲気があった。

 何だかんだ言っても、普通にどうにかするのだろうなと思ってしまう。


「大方キャロルのことだ、私達の助力はいらないとか言ってただろ?」

「キャロル様もそうですが、フィオン、あなたも本当にいい頭をしていますね。その通りです。報告に来たのは、後でどやされるのが嫌だという理由でした」


 そんなことの為にわざわざここまで来ることになったサレンさんが少し可哀そうだった。

 この場所を知っているのはキャロル、レイラさん、サレンさんの3人だけなので、恐らく軍のことで忙しいであろうレイラさんが来れない以上、サレンさんが来るのは必然だったが、嫌な役を押し付けられたものだ。


「報告はそれだけか?」

「ええ、伝えることはもうないです」

「そうか。直ぐに戻るか?」

「そうですね、キャロル様とレイラの補佐もしないといけないですし、私自身も戦場に出るのでその為の準備もしないといけないので」

「サレンさん、もう戦場には出ないって言ってませんでしたっけ?」


 サレンさんも戦場に出るということを聞いてアロマが反応する。

 確かに聞き覚えのある話ではあった。というよりも、実際にサレンさんはもう長く戦場に出ていなかったはずだ。


「そうも言ってられなくなってしまいましたから。少しでも私に出来ることがあるのならば、それをやらないといけません」

「そうなんですか・・・・・・気を付けてくださいね?」

「大丈夫ですよアロマ。そう簡単に死にはしません」


 アロマは心配そうにしている。いくら実力を知っているといっても、何が起こるか分からないのでその気持ちも分かる。しかも、今回の戦闘はこれまで類を見ない規模になりそうともなれば猶更だ。


「失礼します。お茶をお持ちしました」


 話が一区切りついたところで、マキアさんとルコが入ってくる。

 サレンさんも疲れているだろうから丁度良かった。


 だが、2人が入ってくると同時に予想外のことが起こった。


「あら? あなたは・・・・・・マキア?」

「その声・・・・・・よく見たらサレンじゃないですか」


 誰が予想出来ただろうか・・・・・・サレンさんとマキアさんはどうやら知り合いのようだった。

VRくん「おっと? また新しい展開になる予感」

VRちゃん「今回の章は色々と詰め込まれてるわね」

VRくん「前にキャラ紹介でマキアのもあったけど、戦えることと何か関係あるのか?」

VRちゃん「どうでしょうね? 次回はっきりするでしょ。 さて次回! 『かつての因縁』 お楽しみに~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ