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ミストライフ  作者: VRクロエ
王都決戦編
139/226

メリユースの方針

 皆で緑流亭を訪れた後日、調査班の全員で再びメリユースの王都にやってきていた。

 王城内の一室で、現状のメリユースのトップであるキャロル、それに加えて軍部のトップであるレイラ中佐とさらにはサレンさんを交えて今後の方針について話し合う。


「そうだラクリィとアロマ、私はもう中佐ではないから中佐と呼ぶのは辞めてくれ。それにいつまでも堅苦しいのはアレだ、私のこともサレンのようにレイラと呼んでくれていい」


 レイラ中佐からそう言われれば素直にそうしよう。確かにもう中佐ではないのだから変な話でもあるが、今後はレイラさんと呼ぶことになった。


「それでキャロル。今日の話はなんだ?」

「王都内も落ち着きましたし、メリユースが今後どういった体制でやっていくのかを話しておくことにしましょう」


 今のメリユースは裏で繋がっていた五芒星とは違い、国間の繋がりは何もない。完全に独立した状態となっている。

 表立って何かが変わったわけではないが、五芒星からしてみれば国として完全に敵対していることになる。それに対してのメリユースがどういった対処をしていくか、そんな感じの話だろう。


「まず頭に入れておいてほしいのは、メリユースはミストライフとは完全に別の行動をするということ。フィオン達は現在の指針として、霧魔花を作り出した施設の捜索、そして群生地の発見を目的として行動している。これに間違いはありませんね?」

「ああ、それで間違いない」

「それを見つけるという意味では国からも人材を出した方がいいとは思いますが、国の方針として動くとなると五芒星に勘付かれる可能性があります。メリユース領内に霧魔花を作り出した施設があるという情報が五芒星側に知られていないとなると、分かりやすい動きは悪手になりえますので」

「そうだな・・・・・・バレずに動くとなると確かにミストライフだけで動くのが最適か・・・・・・」


 メリユースの動向というのは嫌でも探られるだろう。そうなると、メリユース領内で何かしら動くべきことがあるのではと五芒星側に思われることになる。場合によってはミストライフの動きまで把握されてしまう可能性が出てくるとなれば、確かに目立った行動は控えるべきだろう。


「なので捜索に関してはミストライフに任せます。その代わりというわけではありませんが、メリユースでは他国への牽制、それと五芒星のメリユース領への侵入の警戒。後者に関しては完全にとはいきませんが、目が増えるだけで変わることもあるでしょう」

「牽制に関しては軍部の仕事でもある。今は味方を増やして戦力の増強、それに伴い戦力面での牽制が主となる。外交的な牽制、五芒星からの接触はキャロル様が対策を講じている」

「サレンの補佐もあるおかげで兵士達の練度も上がってきてはいます。どの程度対応できるかはまだ未知数ですが、そう簡単に好きにはさせません」


 教育という面ではサレンさん以上の人は中々いない。それに軍部を纏めているのはレイラさんということもあり、元々兵士達に信頼されているということもあり、国内の兵士達は殆どが味方になってくれているみたいだ。


「フィオンから何か要望などはありますか?」

「・・・・・・いや、十分だ。国がまるまる一つ味方になっただけでもかなり動きやすくなっている。現状、これ以上に望むことはない」

「そうですか。何かあればいつでも頼ってください、力になる準備はいつでもしておきますので」

「ありがとうキャロル。安心して入れる国があるのは本当に助かるよ」


 そう、何だかんだ言ってもフィオンが最後に言ったことが一番ありがたいのだ。

 これまではミストライフの拠点以外に安心して滞在できる霧のない地域というのは本当になかった。強いて言えば霧魔の村にある一部くらいだろう。

 更には味方も増えたとなれば、いざという時に安心して戦うことが出来る。

 王が2人減ったとはいえ、五芒星にはまだ気の抜けない戦力、さらにはハクラと行方の分からないシェダまでいるとなると、戦力面で逆転出来てはいない。

 そうなってくると人数がものをいう場面もあるだろう。


「国内の政治的な部分は問題無いのか?」

「ええ、なんとかなってはいます。最初は他国の王女である私に対して民衆は不安に感じていたようですが、レイラとサレンの協力により落ち着きはしました」

「キャロル様はこう言っているが、実際には紳士的に向き合い、優しくもカリスマ性のあるキャロル様に民衆が心酔しつつある結果だな。キャロル様も、もう少しご自身の自己評価を上げてもよろしいのでは?」

「私がしっかりしていればレホラをあんな風にすることはありませんでしたよ」

「それは仕方のないことでは?」

「そうだぞキャロル。あそこまで染まっていればもうどうしようもない。結果的にメリユースをここまで早く纏め上げたんだ、十分に誇っていいと思うぞ?」

「・・・・・・ありがとうございます。今は、その期待に応えられるように頑張るしかありませんね」


 初めて会ったときからキャロルは何も変わっていなかった。

 メリユースの王がアロマであればと思うように、レホラの王がキャロルだったのならばどれ程良かっただろうか。

 今言えるのは、キャロルがメリユースにいる以上心配はないということだけだった。

VRくん「キャロルが有能過ぎる!」

VRちゃん「キャロルに加えてレイラとサレンの組み合わせがなんかいいわね」

VRくん「これからのメリユースに期待だな」

VRちゃん「そうね、物語にも大きく関わってきそう。 さて次回! 『動き出すレホラ』 お楽しみに~」

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