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ミストライフ  作者: VRクロエ
王都決戦編
135/226

王城での戦闘

 最低限の情報共有が終わった俺達は、レイラ中佐の元に戻ってきた。


「そうか、お前達が戦闘に加わるのなら心強い」

「すいませんレイラ中佐。ここに来るまで兵士と戦闘になり、殺してはいませんが怪我くらいはしているかもしれません」

「構わんさ。殺さずにいてくれたことをこちらが感謝するくらいだ」

「レイラ、あなたはどうしますか?」

「キャロル様・・・・・・そうですね、私も戦線に加わるとしましょう。サレンのことも心配だ」

「分かりました。では代わりに指揮を取る者に指示を出してきます」


 レイラ中佐も行くことが決まると、キャロルはこの場の指揮を任せる人物に話をしに行った。


「そうだラクリィ、アロマは元気にやっているか?」

「元気にやってますよ。それに実力もかなり上がってます」

「そうか、会うのが楽しみだな」


 こうしてまたレイラ中佐と話が出来て本当に良かったと思う。

 最後に別れたときは、敵という雰囲気までとはいかなくとも、今後こうして会話をすることなんかないと、少し寂しくも感じていた。


「お前も強くなってるんだろ? その力を存分に発揮してくれ」

「任せてください!」

「お待たせしました。それでは、行きましょうか」


 ここから先はいつ五芒星のメンバーが出てきてもおかしくない。

 俺は探知の範囲を広げて、さらに霧の剣を五本に増やす。


 準備が整ったところで、王城内に突撃した。

 戦闘は先程同様俺で、そのすぐ後ろにフィオンとレイラ中佐。最後尾にキャロルという布陣で進んでいく。


 場内に入ってすぐ、兵士の死体が所々目に付いた。

 その中には格好の違う者もいて、それが恐らくは王城内の兵士か、五芒星のメンバーだろう。


 探知があるので、基本的に足を止めなくても大丈夫だ。俺達は真っ直ぐにサレンさん達が戦っているであろう場所まで向かう。

 進むにつれて死体の数も多くなっていく、戦闘音も近くなる。


 そして廊下の先、30人ほどの兵士が数人と戦っている中に、サレンさんの姿が見えた。

 どうやら戦っている相手の中の1人は異能持ちのようで、かなり苦戦しているのが遠目に分かる。


「フィオン、俺は先に行くから後のことを頼む」

「分かった、気を付けろよ」


 負傷している兵士や、レイラ中佐への説明などは任せて、俺はボディーミストを使い一足先に斬りこんだ。

 完全な不意を突いている状態なので、俺はまず厄介そうな異能持から仕留めることにした。

 突如として背後に現れた俺にそいつは気付く様子もなく、俺の放った一振りによって首が宙に舞った。

 その場で戦っていた兵士も五芒星のメンバーであろう者達も、状況についていけず、そんな隙だらけの中で俺はさらにもう1人の命を刈り取り、残った最後の奴も霧の剣により全身を斬られて地面に沈んだ。


 厳しいと感じていた戦闘が突然終わり、兵士達は一瞬呆けていたが、敵か味方かはっきりしていない俺に向けて即座に剣を構えた。


「・・・・・・え? あなたは・・・・・・」


 そんな中、サレンさんだけは俺に気が付いて手が止まる。


「お久しぶりですサレンさん」

「・・・・・・!? やっぱり! 久しぶりですねラクリィ!」


 サレンさんの様子から、俺が敵ではないと判断した兵士達が剣を下ろしていく。

 その後ろからフィオン達がやってきて、場は騒然とした。

 それもそうだろう、このクーデターの指揮を取っている、実質今回の頭であるレイラ中佐とキャロルが前線までやってきたのだから。


「レイラ? キャロル様まで、どうしてここに・・・・・・それにその蒼い髪は・・・・・・ミストライフのリーダーのフィオンですよね? どういうメンバーですか・・・・・・?」

「悪いなサレン、落ち着いて説明している時間は無い。1つ言えるのは、心強い増援が来たということだ!」


 メンバーに混乱しているサレンさんに、レイラ中佐が端的に伝える。


「つまりはラクリィも共に戦ってくれるのですか?」

「はい、その為に来ましたから。俺だけじゃなくてフィオンも、レイラ中佐とキャロルもここからは一緒に戦います」

「そうですか・・・・・・助かります。正直これ以上の敵が出てくると厳しいと思っていましたから」


 頭と胴が真っ二つになっている死体を見ながらサレンさんは言う。

 確かに消耗が激しそうだ。もっと大人数で突入したのだろうが、かなり数も少ない。キャロルにはまだ何か考えがありそうだったが、俺達が来たからそれも必要なくなったのだろう。


「それにしても・・・・・・強くなりましたねラクリィ。私も誇らしく思います」

「サレンさん・・・・・・」


 俺とアロマに戦い方の基礎を教えてくれたのはサレンさんだ。そのサレンさんにこんなことを言われれば嬉しくもなってしまう。

 おもわず零れた笑みを手で隠しながら、俺はまた最前列に立つ。


 いつもとは違うが、メンバーは揃った。後はこのクーデターを成功させるだけ。

 最奥で待つであろうシェダの顔を思い出しながら、俺はサギリを強く握り進みだした。


VRくん「サレンとも合流したな! しかも超カッコよかった」

VRちゃん「しっかり主人公してたわね。この作品にしては珍しいわ」

VRくん「この先どんな敵が出てくるんだろうな?」

VRちゃん「最終的にはシェダと戦うんじゃない? さて次回! 『アロマの兄弟』 お楽しみに~」

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