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ミストライフ  作者: VRクロエ
王都決戦編
130/226

群生地の予測

 今後の方針が決まった、というよりは再確認して、次に考えるべきは霧魔花の群生地のことだ。

 これまで手当たり次第に色々なところを探してきたが、未だにその糸口すら掴めていない。

 五芒星も探しているのならば、相当な範囲は捜索されているはずだが、それでも見つかっていないとなると、本当にあるのかが疑わしくなってくるが、ヒエンが言うには確かに存在するという。


「群生地についてだが、ここにあった資料を見ていて思ったことがあった」


 霧魔の村に残っていた文献や資料などを見て、ハクラへの対抗策は見つからなかったようだが、霧魔花の群生地についてフィオンは何か情報を掴んだようだ。

 俺達の本懐を遂げるために必要なことはあくまでもそちらの情報なので、むしろ一番欲しかった情報が手に入ったと言って良い。


「霧魔花は人が作り出したものだ、当然それが行われていた場所がある。その場所はどうやらメリユース領にあるらしい」


 なんとそこまで分かっているらしい。しかも運のいいことにそれがあるのはミストライフの拠点があるメリユース領。探すための労力は他の国に行くよりも遥かに少ない。

 だが、そんな有益な情報があるのならば、何故ヒエンは俺達に教えてくれなかったのだろうか? 世界に関しては無干渉と言っても、それを知っている素振りすらなかった。


「この情報だが、ヒエンを含めた霧魔の民は知らなかったようだ。そもそも干渉しないと決めているから古い文献にもさして興味はなく、単純に目を通していなかったと言っていた」


 なるほど、不干渉だからこそ知らなかったのか。


「それから外れて動いたハクラも私が籠っていた場所には入ったところを見たことがないらしい。つまり現状この情報を最大限に活用できるのは私達ということになる。これは大きなアドバンテージだ」


 ハクラももしかしたら霧魔花が生み出された場所を探したかもしれないが、なんの情報もなく見つけることが出来るとは思わない。そんな簡単に見つかっているなら、当の昔に見つかっているか、俺達か五芒星辺りが見つけている。


「今後はメリユース領内でこの場所を見つけるために動く。ここに辿り着ければ霧魔花に関する手掛かりが見つかる可能性は高い。それどころかその場所が群生地となっている可能性すらある」

「とりあえず分かった。ちなみにメリユース領内という情報以外には何か手がかりはないか?」

「それについてはすまない、これ以外の情報はいくら漁っても出てこなかった」


 流石にそう上手くはいかないか。仕方がない、しらみつぶしに探すことになるが、大きく場所を限定出来ただけでも収穫はあった。


「情報は無かったが、群生地について、私の予測でいいなら話せることはあるぞ?」


 これ以上は何もないかと思いきや、フィオンは自身の中である程度の予測を立てていたみたいだ。


「聞いてもいいか?」

「無論だ。だが先に言っておくと、あくまでも私の予測でしかないので当たっていない可能性も大いにある」

「別に構わないさ」


 正直フィオンの予測が外れているとは思えないので、当たっていると俺の中では既に確信している。

 これまでのフィオンの実績と信頼が、無条件でそうさせている。


「では資料に目を通して私が立てた予測を話そう。群生地は周囲が開けた場所には無い」

「そう結論を出した理由は?」

「とある文献『霧魔花は一度植えると人の手を借りずに自然に育っていき、繁殖もかなりの速度で行われる』と書いてあった。ここで重要になってくるのは繁殖もかなりの速度で行われるという部分だ。わざわざこう記したのならば、普通の植物などよりも早く増えるということだ」

「あっ! そういうことか! 普通よりも早く増えるのにどこにでも生えてる訳じゃない、つまりはそれ以上増えることが出来ないような閉鎖空間にあるってことだね!」


 話を途中まで聞いて何となく察したのだろう。納得したようにミシェが答えを言った。


「その通りだ。まあ私達が知らない特殊な条件なんかがある可能性もあるが、今ある情報で考えるならば、これ以上繁殖出来ない空間、洞窟の中や建物の中、水に囲まれいているなんてことも考えられるな。谷の底の方にある可能性もある。今後はその辺の閉鎖的な場所がありそうな所、普通の人であれば行けないような所を中心的に探して行こう」


 フィオンの予測は確かに理に適っていると感じた。

 繁殖が早いのならば、作られてから数百年が経過している今の時代にその辺で見かけるレベルになっていても不思議ではない。これが極端だとしても、探せばあるくらいには増えていそうなものだ。


 渓谷の底の方なんかはまだまだ未知数であり、見たこともない危険な霧魔獣などがいる可能性もあるが、行けるのならば行っておいた方がいいだろう。

 降りるだけならフィオンの異能や、俺のボディーミストなんかで簡単だ。帰ってから、準備が出来次第行ってみることにしよう。


 その後の話し合いは、メリユース領にある渓谷や洞窟の場所、それらの情報を合わせて何処から向かうか等を話し合った。

VRくん「確かに人が作ったんなら何かしら残っていてもおかしくないよな」

VRちゃん「それにしても狙ったようにメリユースにあるのね」

VRくん「シェダがいよいよラクリィ達の前に現れるか?」

VRちゃん「どうかしら? 今のところ動きは予想出来ないし」

VRくん「次章はあれそうだな」

VRちゃん「そうね、大きな動きがありそう。 さて次回! 『タキシム王都内』 お楽しみに~」

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