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ミストライフ  作者: VRクロエ
王都決戦編
113/226

シノレフ暗殺撃

気付けば月末!

 3人目。俺は無警戒に寝ている五芒星の人間の首を掻っ切った。

 こいつも、正面からまともに戦えばそれなりに強かったのだろうが、霧化して接近出来る俺からすれば気付かれる前に暗殺することは苦労しない。

 それでもこれ以上の強者になってくると察知される可能性もある。


 俺は誰かに見つかる前にこの場を後にすることにした。



 潜伏場所にて仲間達と合流する。

 こうして俺が暗殺を行っている間にフィオン達は五芒星の人間の所在を探ったり、フュストルの周囲を探ったりと動いている。


「お疲れらっくん」

「どうだった?」

「問題無くやってきたよ」

「そうか。悪いな、きつい役目を押し付けて」

「いいよ、気にするな」


 申し訳なさそうにするフィオンに何でもないように見せる。

 実際気分的にはかなりきついが、フィオン達に任せるくらいなら、この苦痛は自分で背負った方がいい。


「そっちはどうだったんだ?」

「そろそろ動きそうな気はする。どう動くかはまだ予想が出来ない状態だが」

「耳には入ってるって感じか。明日はどうする?」

「明日はまだこのままの動きでいこうと思う。頼んだぞラクリィ」

「任された」


 心身の疲労も大きいので俺は早めに休むことにした。

 明日も人を殺めなければならない。敵だとは分かっているがそれでも暗殺というものは思うことがあるものだ。

 未だ手に残る感覚が消えないまま無理やり睡眠に入った。






 ――――――――――






 翌日の夜もまた暗殺に出る。

 標的のいる家の前まで来てから一度探知を使い状況を確認する。

 眠っていることが確認出来たので、ボディーミストを発動させて侵入し、四度目の暗殺を成功させた。

 夥しく出る血に触れぬよう気をつけながら、目的の人物であったかを、事前に聞いていた特徴から参照して判断し、俺はその場を後にした。


 闇に包まれた王都を歩きながら思う。これではどっちが正義も何もないなと。


 俺達は自身の信念に基づき世界を変えようとしている。

 王達は私利私欲のために世界を操る。


 多くの人々にどちらが正しいと問うたらどういう返事が返ってくるだろうか。

 考えても分からないが、それでも思ってしまったのだから仕方がない。

 まあ結局のところ、今のネガティブな心情でどう思おうとも、俺の取る行動は変わらないのだから。


 明日も暗殺になるだろうか。

 情報では、王都内に住んでいる五芒星の人間は今回で最後だったはず。

 フュストルがどういう行動を起こすかは分からないが、外から戦力を呼び寄せるか、大本である俺達を叩きに来るのは間違いないだろう。

 これ以上の戦力低下はフュストルも無視できないはずだ。


 となると、そろそろ本格的な戦闘があってもおかしくはない。いつでも対応出来るよう万全の準備は整えておこう。

 今回は戦闘を前提として来ているので、ミールに付与してもらった小道具もかなりの数を用意している。

 ここぞという時に効果を発揮するものばかりなので、間違わないように頭に入れておこう。


「ラクリィ、変です」

「ん? どうしたサギリ」


 唐突にサギリが声を発した。といっても聞こえているのは俺だけだが。

 その声には若干の緊張が混じっており、俺も物陰に隠れて周囲の様子を伺う。


「人の気配が全くしません。一度、探知で索敵を行った方がいいと思います」

「分かった」


 俺はなるべく広範囲を索敵できるよう、サギリを通して探知を発動させる。

 そしてサギリが口にした通り、俺の探知には人間が1人も映らなかった。

 これが外であれば別に何の違和感もないのだが、ここは王都内、それも周辺には家が沢山ある。たまたま全ての家の住人が留守にしているなんてあり得ないだろう。


「罠か・・・・・・?」

「どうでしょうか・・・・・・人払いをすることが罠になりえるとは思いません。ですがそれ以外に考えられる理由は・・・・・・相手の意図がイマイチ分かりませんね」

「早く戻ってこのことを報告したいが、迂闊には動きたくないな」

「そうですね。現状だと見つからないようにしているのが得策だと思われます」


 俺は物陰に息を潜めて探知に何かが引っかかるのを待つ。

 それから数分後、探知の端の方に3人の人影が映りこんだ。

 意識を集中させ、その人物をよく見ると、驚いたことにフュストルだった。

 直ぐに動くべきか迷った。フュストルは俺の探知のように、周囲の情報を探る異能を持っている。物陰に隠れていたとしてもバレるだろう。

 だが咄嗟に動かなかったのは、既にバレていることも予想できるからだ。

 フュストルの異能で索敵できる範囲の情報を俺達は持っていない。仮に俺の探知よりも範囲が広いのならば既にバレている可能性も大いにあるのだ。

 そうなると、バレないようにと狭い所を移動するのはリスクがある。戦闘に支障が出る他、待ち伏せなどの対処もしにくい。

 ならば、最初から戦闘を覚悟して行動するのが一番だ。

 俺の戻りが遅ければ必ずフィオン達が気付く。それまで俺は耐えることにしよう。


 自身の方針も決まったとこで、俺は攻撃に対応しやすい場所まで移動してきた。

 ついに2人目の王との接触。その結末がどうなるかは、まだ分からない。

VRくん「一気にダークサイドに話が持ってかれたな」

VRちゃん「まあこの作品は元々暗いイメージの作品なんだし、このくらいで丁度いいんじゃない?」

VRくん「確かにジャンル的にはダークファンタジーだったな。いきなり真っ暗レベルにダークになったから驚いた」

VRちゃん「今までは人対人の構図がそこまで多かった訳じゃないしね。前はシャクストになるし」

VRくん「シャクストとの戦いももう結構前だもんな。そりゃ落差も感じるわ」

VRちゃん「私達も置いていかれないように気を付けましょ。 さて次回! 『フュストル・イグラ・シノレフ』 お楽しみに~」

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