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ミストライフ  作者: VRクロエ
王都決戦編
112/226

攻め

新章スタート!

 フィオンからの呼び出しで調査班のメンバーは訓練場に集まっていた。

 別にフィオンからの呼び出しが無くとも、いつものように集まっていたとは思うが、勝手に集まるのと集められるのでは訳が違う。

 この感じだと、しばらくなかった今後の動きについて何か話しておくことがあるのだろう。

 他の皆もそれを察して、身体を動かすような雰囲気ではなかった。


 しばらく待っているとフィオンがやってくる。


「集まっているな? では今から、これからの動きについて話していく」


 会話に余計な手間を嫌うフィオンは早速本題に入っていく。


「もう約一年近くになるだろうか、五芒星と目立った衝突はない。これは私達が大きな行動を起こすことを避けていた為だ。その間に世界の情勢は私達とは無関係に、相も変わらず戦争をし、多くの命が今も無為に失われている」


 大きく動いていなかったとはいえ、俺達も何もしていなかった訳ではない。定期的に外に出ては、各国の動きなどを遠目から見たりはしていた。

 そこで見ていたここしばらくの世界情勢は、変化がないというのが正直なところ。

 王達の細かな動きは探れていないが、相変わらず小競り合いのような戦争が各地で行われており、言い方はアレだがいつも通りであった。

 それもこれも王達が裏で手を引いている訳だが、俺達とシャクストが衝突したのにも関わらず、ここまで変化がないのは、ミストライフなど気にしなくてもいいと判断されているのかもしれない。


「流石にこれ以上停滞を許している訳にもいかない。ここで私は攻めてもいいだろうと判断した」

「攻める? 具体的には?」

「王の一角を崩せれば理想的だな」


 王の一角を崩す・・・・・・思い切った判断をしたものだ。

 これまでフィオンはなるべく直接的な衝突を避けるように行動を起こしてきた。それがここにきて強気の選択をするとは、どういう心境の変化だろうか?


「困惑する気持ちが分からんでもない。今まで私は戦闘をなるべく避けて来たしな。だが、私達は力を付けた。王にすら届きうるのではないかと思える程に。その力は何のために得たのか、いざという時の為に逃げるためではない、信念を突き通すためだ。なれば、ここらで世界に挑戦してみてもいいのではないか? そう思ったのだ」


 フィオンが戦闘を避け続けてきたのは直接的な目的とは外れるため、王に勝つことは難しいと考えていた為、その辺が主な理由だ。

 だが、王を御すことは俺達の目的に近づくことは確かだ。それだけで動きやすくなる。

 だからこそ、一年という期間で飛躍的に力を付けた今、その一歩として攻めという姿勢をとることを決意したのだろう。


「そうなると何処を攻めるかだが、フュストルを攻める。つまりはシノレフ王国だな」

「その理由は?」

「一番大きな要因としてはシノレフに探索範囲を広げたいからだな。王を崩すという点だけで言えばシャクストも考えたが、傷はある程度癒えているだろうから戦闘に関しての旨味があまりないのと、レホラは正直探索しきっているといってもいい、今更自由に動けたところで大した成果は得られまい」

「なるほど。理には適ってるな」


 シャクストは戦闘データもあるので戦うとなれば最もやりやすいだろう。ここ一年で新しく手に入れた能力なんかは知られていないだろうから、有利ではある。

 だがあくまでも目的は忘れないようで、その後の影響も考えてシノレフを選んだフィオンは正しいと思えた。


「今回は初めて戦闘を前提として動く。そのための動きはこれまでとはかなり変わってくるので、しっかりと頭に入れておくように」


 戦うといっても五芒星とは関係ない兵士達とも戦うわけではない。

 まずはフュストルを引きずり出す前に、分かっている五芒星の人間を襲撃する。これはいざフュストルと戦う時になるべく相手の陣営を減らすためだ。

 そうしていくうちに襲撃があったとフュストルに報告が入るだろう。そうなれば否応にも出てくるしかない。

 襲撃時はなるべく痕跡を残しておく必要もあるだろう。

 フュストルも大事にしてボロは出したくないはずなので、確実に五芒星の人間だけでこちらに向かってくる。その時が勝負だ。

 戦闘時はどういった流れになるかは分からないので、罠などは基本的に設置しておかない。動きにくくなってしまうからだ。

 戦闘は出来るだけ早期決着を心掛け、フュストルを倒し次第他の五芒星の人間が残っていようと撤退する。


「今回はギリギリまで王都付近に潜伏し、それでも現れなければ一度霧を抜きに近くの農村まで退避する。これを繰り返して、絶対に出てくるまでは粘るつもりだ。例外としては、万が一他の王が現れたならば即座に撤退くらいか」


 王を同時に2人以上相手にするのは流石にリスクが高い。そうなったら完全に撤退して、また期を伺った方がいいだろう。


「危険は大きいだろうが前に進まなくてはならない。そのための力も手に入れた。臆することなく、必ず勝とう」


 その言葉でフィオンは〆て今日は解散となった。

VRくん「新章が始まったな」

VRちゃん「今回の章は今までよりも勢いのあるものになりそうね」

VRくん「ついにミストライフ側から撃って出るからな」

VRちゃん「前の章の成果が試されるわよ」

VRくん「ぜひとも勝ってほしいな」

VRちゃん「勝てるわよ、きっと。 さて次回! 『シノレフ暗殺撃』 お楽しみに~」

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