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ミストライフ  作者: VRクロエ
霧魔の民編
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サギリの知識

 後日、再び調査班のメンバーで集まり、サギリを交えた情報共有を行うことになった。

 まず今掴んでいる情報をフィオンが話、それを踏まえたうえでサギリに捕捉を貰う。


「そうですね。まずは王達についての話をしましょうか」


 サギリは王についての補足説明から入る。


 初めに、シャクストについてだ。

 俺達との戦いで見せた身体強化、最終的には五倍までその身体能力を上げていた。

 見ている感じシャクストも辛そうだったが、親父との戦いでは十倍近くまで上げていたらしい。

 それでも俺の親父はシャクストをあと一歩というところまで追い詰めることに成功したみたいだ。

 今思えば、シャクストがフィオンだけでなく、意味は違うが俺にも執着していたのはそれが理由だろう。俺の親父に敗れたシャクストは、そのリベンジを俺で果たそうとしたのだ。

 シャクストがある程度霧魔の民の能力について知っているのにも納得がいった。


「前回のシャクストが五倍までの身体能力強化をしなかったのは、恐らくですが身体がもたないのでしょう。昔に十倍という身体能力強化を行ったせいで、今五倍以上の強化をすれば本当に命に係わる。捨て身となれば使えるでしょうが、現状そこまでしてこないと見るべきです」


 俺の親父がやってきたことは無駄じゃなかったようだ。今も確かに俺の為になっている。


 シャクストは魔法の類などは使えないようで、隠していることもないことから次の話にいく。

 次に話に上がったのはタキシムの王シャクラだ。

 結果的に霧魔の村で過ごした俺達だったが、薄い可能性で遭遇する可能性はあった。

 シャクラの異能については分かっている。さて、そうなると考えるべきはそれを活かしてどうやって戦ってくるかだ。

 実際に戦ったサギリが言うには、ナイフを投げ、それをスペースカットの能力で距離を無視して目の前に一瞬で飛ばしてきたり、戦いながら立ち位置を滅茶苦茶にしてペースをこちらに握らせないといった戦い方をするみたいだ。

 これといった弱点はなく、完全に不意を突くか、人数で攻めるしかないという。

 幸いなことに、俺達は六人いる。相手がシャクラだけならばどうにかなるだろう。

 もし相手がシャクラだけではないのならば、俺かフィオンが取り巻きと戦い早期決着を目指そうという方針に固まる。


 シノレフの王フュストルは異能の他にも魔法に長けてるという。

 異能は『オールノウ』といって、一定範囲内の事象を全て正確に把握するという、俺の探知に似た能力だ。

 これだけでは何にもならないが、それが異常なまでの魔法技術と組み合わさることで最大限の力を発揮しているという。

 フュストルは人類の中で唯一、手の平以外から魔法を放つことが出来る人物らしく、その場に立ったまま全方位に魔法を放ち、一方的に攻めてくるのが基本戦術らしい。

 不意を突くことは不可能なので、大量の魔法を掻い潜りながら接近して倒すか、それ以上の物量で圧すのが最適解で、逆にそれが出来ない内は一番戦ってはいけない相手だそうだ。

 仮にボディーミストで接近しても、常に気付かれている状況であり、回避されるか迎撃されるかの二択になるようだ。

 一応、俺以外は魔法を使うことが出来る。トアンもあまり戦力のあてにはしないでくれとは言っていたが。

 俺とトアンを抜いた4人の魔法で圧しきれるだろうか? 無理ならば俺も接近戦ではなく、霧の理で援護することになりそうだ。


 シェダだが、こいつについてはサギリも情報がないらしい。

 親父が唯一戦ったことのない人物であり、むしろ仮説が立っている俺達の方が情報を持っているといった方が過言ではないくらい謎らしく、結局何も分からないというのが答えらしい。

 だが、俺達の仮説を聞いたサギリは、それがほぼ正解かもしれないと言った。

 親父も接触しようと何度も試みたが、来るのが分かっているように悉く逃げられていたらしい。

 一体何を考えているのだろうか。


 最後にハクラだ。戦闘経験自体はないが、ハクラが幼い頃から知っているため、ある程度の予想は付くみたいだ。

 まず前提として、ハクラは親父と同等の才能を持っており、当然霧の理は使いこなしていることが予想出来る。

 その数も質も、現状は俺よりも上をいっていると考えた方がいいという程で、サギリを使った現状の俺では1対1だと勝率は低いというのがサギリの考えだ。

 五芒星にいった目的はサギリにも分からないようだが、そのうち確実に裏切るとみているようだ。


「昔から何を考えているか分かりづらい人でしたが、ここまで意味の分からない行動をされると、予測のしようがありません。ですが、少なくとも世界の害悪になることは間違いないです」


 酷い言われようだが、それだけの印象を周囲に与えてきたのだろう。

 優しそうに見えるヒエンですら、ハクラを始末することには肯定しているように見えていたのが何よりの証拠だ。


 それから、変わっているであろうが、まだ五芒星として生きている奴の情報や、戦う時の対処法などを話し合って、日付が変わる頃にようやく解散となった。

VRくん「ここで今まで明かされてなかった王全員の詳細情報が出て来たな」

VRちゃん「まとめて出したのは、次の章で誰と戦うのかまだ読者に悟らせない為でしょうね」

VRくん「まあ先が見え見えなのはつまらんからな」

VRちゃん「そうゆうこと。ちなみに次の話を終えたら新章みたいよ」

VRくん「力を付けた調査班の奴らが誰と戦うのか楽しみだな」

VRちゃん「そうね、いい活躍を期待しましょ。 さて次回! 『イルミアの悩み』 お楽しみに~」

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