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ミストライフ  作者: VRクロエ
霧魔の民編
109/226

新しいメンバー?

 人間の姿になったサギリと拠点の中に戻ってきた。

 こうして見ると、唯の子供にしか見えない。その正体が剣だとは誰も思わないだろう。


 時間は昼を過ぎている。朝食は食べていないので腹が減っていた。

 食堂にやってくると調査班のメンバーが昼飯を食べている。全員でいるということは何かやっていたのだろうか?

 俺が食堂に入ってきたことに気付き、皆の目がそのままサギリの方へと向く。


「その子は誰だ?」


 俺の隣を歩いているということもあり、敵だとは思われなかったようだ。その証拠に、フィオンからは何も感じない。

 アロマとミシェはサギリに傍まで来て、頭を撫でたりと可愛がっている。


「あー、なんていうか・・・・・・アメノサギリが人の姿をしているんだ」

「アメノサギリとは確かラクリィの持つ剣の名前だったな。それが人の姿をしてると?」

「俺も驚いたよ。サギリ!」


 無表情で可愛がられてるサギリを呼ぶと、その姿が一瞬消えて俺の隣に再び現れる。


「この子が・・・・・・」

「サギリ、知ってるとは思うが、こいつがミストライフのリーダーのフィオンだ」

「ボクはアメノサギリの意志のようなものです。サギリと呼んでください」

「あ、ああ。私のことはフィオンでいい。それで、お前達は朝から何処に行ってたんだ?」

「こうしてサギリと意志疎通出来るようになってサギリの能力を使えるようになったから試しに行ってたんだ」

「ほぅ、それは気になるな」


 とりあえず詳しい話とサギリの自己紹介を兼ねて、昼食を食べながら話をすることにした。

 料理を運んできたルコが驚いていたのが面白かった。

 調査班の皆にサギリのことを説明し、今日朝から外に出て何をしていたのかを説明していく。

 俺が上手く説明出来ない部分はサギリが代わりに説明してくれたのでとても助かった。


「つまりラクリィ、お前はまた強くなったと」

「俺が強くなったという訳じゃないが、まあ意味的にはそうだな」

「全く・・・・・・頼もしい限りだよ」

「それにしても本当に人の女の子にしか見えないね」

「サギリちゃん可愛い~! 私の剣にならない?」

「おい!」


 ミシェが冗談めかしてそんなことを言う。

 確かにサギリは可愛いと思うが、誰かに渡すつもりは何があってもない。


「今のボクはラクリィだけのものです」

「ありゃ振られちゃった」


 サギリが嬉しいことを言ってくれるので、思わず頭を撫でる。するとサギリは気持ちよさそうな顔をして撫でられているので続けて撫でることにした。


「あ、らっくんズルい! わたしもサギリちゃん撫でる!」


 俺がサギリを撫でていたのを羨ましがったアロマが、サギリを後ろから抱きしめるようにして頭を撫で始めた。

 サギリは特に迷惑そうにしていなかったので止めなくてもいいだろう。


「微笑ましいな。ともかくサギリは新しい仲間として歓迎しよう」

「お? それはミストライフの正式なメンバーとして迎えるということか?」

「勿論その通りだ。こうして見てると人にしか見えんし問題ないだろう。それに別に仲間が人限定である意味もないだろ?」

「ま、それはそうだな。サギリは仲間だ」

「まあ打算的な話をすると、サギリが持っている知識にも興味があるしな。元々はラクリィの父が使っていたのだろう?」

「そうみたいだな」

「ヒエンの言う通りであれば、ラクリィの父は今の五芒星に当たる奴らと戦っていたみたいじゃないか。ならば、私達が知らない敵の情報も聞けるだろう」


 盲点だった。確かにサギリは俺達よりも敵について詳しい可能性がある。実際に戦っていたのならば、覚えていることも多いだろう。

 そもそもサギリは子供の見た目をしているが、人の年齢で数えたら何百歳という年齢だ。五芒星のことに限らず、知識的なことで言えば俺達なんかよりもありそうだ。


 フィオンとそんな話をしていると、サギリは流石にアロマが鬱陶しくなったのか、アロマの腕を掻い潜り俺の膝の上に逃げてきた。


「そうしているとまるで親子だな」

「やめてくれ・・・・・・誰との子供だよ・・・・・・」


 顔つきだけで見るとフィオンに似ているため、余計なことを考えてしまいそうになる。

 フィオンは勿論そんなことなど思っているわけもないようで、ただただ微笑ましいような顔で俺達のことを見ているのでタチが悪かった。


「サギリは普段からこうして人の姿で生活するか?」

「そうしたいとは思いますが、ラクリィの霧の消費が激しいので剣に戻ってます」

「そんなこと気にしなくていいぞ? 別にそんなの外に出て補充してくればいいだけだからな」

「でしたら、こうして人の姿で過ごさせてもらいますね。この姿じゃないとボクは皆さんと話せませんから」


 遠慮がちに言うサギリの頭を撫でて問題ないということを言い聞かせてやると、サギリは少しだけ嬉しそうに笑って頷いた。

 本質は剣だが、サギリはミストライフの正式なメンバーとなったのだ。

VRくん「完全に幼女枠が増えた感じだな」

VRちゃん「年齢換算すると一番上なんだけどね」

VRくん「ロリババア枠か」

VRちゃん「その言い方だと悪意を感じるけど間違いではないわね」

VRくん「まあ可愛ければいいか」

VRちゃん「結局皆がほしいのはそれだからね。 さて次回! 『サギリの知識』 お楽しみに~」


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