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ミストライフ  作者: VRクロエ
霧魔の民編
106/226

半年を終えて

そろそろ新章に移る予定です!

 霧魔花を探す為、ミストライフの拠点を出発してから半年が経っていた。元々ここまで長く拠点を留守にしている予定はなかったので、研究班と生活班の皆は心配しているかもしれない。

 霧魔の村で予定していた修行期間は終わり、明日にはここを出て拠点に帰る。

 本来の目的とは違うが、収穫は大いにあった。これならば満足して帰ることが出来るだろう。

 半年の間に仲良くなった人達に会えなくなるのは少し寂しいが、ヒエンはまたいつでも来るといいと言ってくれた。聞きたいことが出来たり、近くに立ち寄った時はぜひ来ようと思う。

 フィオンはソラとラビを仲間に誘ったようだが、断られたらしい。何か理由でもあるのだろうか?


 最後に皆で世話になった人達に挨拶をして俺達は出発する。


「ラクリィよ、自身で決めたならば迷うでないぞ? この世界に真っ向から立ち向かうなのならば、一瞬の迷いが致命傷になりえることもある」

「心に留めておくよ。それと、五芒星にいる霧魔の民の情報が入ったら知らせに来る」

「うむ。頼んだぞ」


 基本的なスタンスとして、霧魔の民はこの世界の行く末に関与するつもりはないようだが、五芒星にいるハクラに関しては、戦うことも厭わないという。

 極端な言い方をしてしまえばハクラは霧魔の民の問題でもある。そこは責任を持って対処するとのことだ。

 だが、ハクラのことをそれなりに知るヒエンですら、ハクラがどういった目的のためにここを出て五芒星となったのかは分からないらしい。

 霧魔の民こそが世界を握るべきと考えていたらしいが、ならばどうして王達と手を組んでいるのかが分からない。動きには注意を払っておくべきだろう。

 とはいえ、直接出向いてその動向を探ることは難しい。どこにいるかを知らないということもあるが、探知を使える以上、ある程度隠れていても察知されてしまう可能性がある。あまりにもリスクが高い。

 その為、予め戦闘になることを覚悟して出向かないといけないのだ。

 フィオンは今後の動きをどうするか、まだ決めていないようなので、それ次第になるだろう。


「それじゃあ、帰るとしようか」


 あまりこうして話していると、移動に使える時間が少なくなってしまうので、ある程度の所でフィオンが区切ってくれた。


「アロマさん、次に会う時までさらに強くなっていることを期待しています」

「うん、きっと驚かせるからね! またねソラ!」

「いつでも来いよなお前ら!」


 ラビとソラとの挨拶も済ませ、俺達は村を出た。

 ここまで来る時はヒエンの案内だったが、フィオンは帰り道をしっかりと記憶しているようなので、道に迷うことはなかった。この辺りは流石のフィオンだった。

 帰りは、霧呼吸の習得によって強化された俺の探知を常時発動させていたので、特に問題が起きることもなかった。

 避けて歩くまでもない霧魔獣とは戦ったが、人と遭遇することは一切ない。


 披露は最小限に済ませ、俺達は半年ぶりに拠点に戻ってきた。

 帰ってきた俺達を最初に出迎えてくれたのはルコとミールだった。

 言っていた期間を過ぎても帰ってこなかったから何かあったんじゃないかと心配していたようで、2人とも俺達のことを見て泣き出してしまった。

 ここまで心配させていたと思うと申し訳ない気持ちになる。その後にやってきたマキアやコナットにも心配したと言われ、会いに出向いたリレンザに関しては怒っていた。

 最後には皆口を揃えて何事もなくて良かったと言ってくれるあたり、温かい場所だと思った。


 フィオンはリレンザに色々と報告すると言っていたので、俺は退出することにして、ルコとミールの元へ向かった。

 泣かせてしまったことに後ろめたさもあるので、しばらくは大人しく2人と一緒にいようと思う。

 俺は帰りに探知を常に使っており、流石にそれなりの疲れがあったが、悟られないように、2人と一緒に生活班の仕事をしながら、霧魔の民の村にいた間の話を聞かせる。

 俺の両親の話などは、優しい2人は気にしてしまいそうだったのでぼやかした。

 その代わりに、新しく使えるようになった霧分解や霧の理を実際に使って見せると、2人とも凄く楽しそうにしていた。

 霧魔の民では気を張っている時間が以上に長かったので、こうした緩い感じは久々で心が休まる感じがした。


 この半年で変わったことが多いのは確かだが、こうして変わらぬ場所に帰ってくると、やはり安心できる。

 それからの日々も、のんびり過ぎていった。

 フィオンは直ぐには動くということはしないようで、しばらくは大きく分かった俺達の戦闘能力を互いに把握しつつ、戦う時の役割や、分かっている限りの敵の情報を参照しての戦力分析に力を入れたいらしい。

 その合間に、フィオンとの模擬戦も何度か挟み、互いのさらなる能力上昇を図ったりもした。

 ちなみに帰ってきてからの模擬戦の勝敗は、今のところ俺が勝ち越している。


 五芒星の動きは把握出来ていなかったが、それを追々探って行けばいいだろう。

 今は半年を終えて変わったこと、変わっていないことを噛み締めてやっていくだけだ。

VRくん「村での話はこれで終わりか」

VRちゃん「とりあえず今の章ではここまでね。ラビやソラは今後も出てくる予定があるみたいだから、それまではお預けね」

VRくん「まあハクラと対峙する時に出てきそうなフラグを残してったからな」

VRちゃん「本当にハクラと一緒に再登場するかは分からないけどね」

VRくん「肝心のハクラはいつ出てくるんだろうな?」

VRちゃん「まだもう少し先みたいよ。まるまる1章分は挟むんじゃないかしら?」

VRくん「まあ王もまだ1人しか出てきてないしな」

VRちゃん「そうなのよ、そろそろ出てきてほしいわね。 さて次回! 『忘れてたこと』 お楽しみに~」

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