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結構サクサクと進んでいくので言葉不足が多いかもしれません。


「君は…?」


小さな身体で少し離れた場所から座っている僕を見下ろすような格好で飛んでいる。


「お兄さん、どうしたの?」


と近づいてくる。それじゃあ離れていた意味がないじゃないか。


浮遊している小さな体。触れば壊れてしまいそうな細い体に纏うのはドレス。

妖精、と言う言葉が思い浮かばれる。図書館で読んだ内容ならば、確か自由気ままな性格で、認めた人には甘く、契約を結ぶ事が可能だけど才能が無いと声を聞くことも、姿を見ることも出来ないと記されていた。


「もう大丈夫?」


「あぁ、大丈夫だよ。君は妖精さんかな?」


「うん!」


なるほど、陽気というか無邪気だ。

確かに間違いではないようだ。


「僕は人間だから、そろそろ街に戻らなくちゃいけないんだ。だから君も戻りな」


「うん!それじゃあね!お兄さん!」


と言って飛んでいった。どうせなら手でも振っておこうか。助けてもらえたし。


手を振ると、風が吹き抜けた。



ある妖精は、森の奥深くに入っていく。するとそこには彼女の様な空を飛んでいる子が多くいた。その妖精は更に奥に進み、ある建物に着いた。中に入ると彼女らを大きくした様な女性がいた。


「ふふ、どうかしたの?」


と女性は女の子に柔らかな笑みを浮かべて聞いた。すると女の子は


「今日ね、人間に会ったんだ〜」


と女の子が言った時。女性は少し笑みが固くなり、こう尋ねた。


「何かされた?」


すると女の子はこう答える。


「縛られてたから助けてあげたらね、えっとね、早く戻りなって言われた!」


少し緊張した面持ちで聞いていた女性だったが、それを聞いて少し安心した様子で、


「いいかい、人間は良い人も悪い人もいるからね、無闇に近づかないこと。約束して?」


しかし女の子は


「何で?」


と聞く。すると、


「私はね、悪い人を多く見てきたからね、貴女に同じ経験をして欲しくないんだ」


と返す


「わかった!」


と返事をして女の子は建物を出て行った。



僕が街に帰ろうとすると、まるで何もなかった様に静まった街があった。今は明け方の時間なのだろう。城壁に囲まれた街にある門の護衛の人もいない。そして門は閉じ切っていた。


この二日ほど、時間がどれだけ経ったかよく気にかけている。時刻は日の出の時間。そろそろ門が開く頃だろうか。


まあ、眠いから携帯していたギルドカードを門番さんに見せてとっとと宿に戻る。


宿の入り口から入ると、馴染みのおばちゃんが訝しげにこちらを見ていたが、無視して水浴びをして汚れを落とした後、部屋に戻って寝た。



窓から入る光で目が覚めた。今は正午過ぎぐらいだろう。下に行って昼食を取ろうと起き上がったら、ドアからノックする音が鳴った。


「ギルドのメイです、いらっしゃいますか」


…寝ようか、おやすみ


「いますか?」


の声と同時にドアを開けた。

僕は寝ているふりをして早く帰ってくれることを願う。


「寝てますか?」


何も返答はしない。すると紙に何かを書く音が聴こえる。


「ここに書き置き残しておきますね、それでは」


と、ドアも閉めずに出て行ってしまった。

紙には夜にでも来て下さいと書いてある。


しょうがないか、行くしかない。生活できなくなってしまう。



念のために荷物を全て持ってきた。一応変な噂を流されてたりするかもしれないから街から逃げる準備である。とは言ってもナイフと手袋と杖、そしてお金を入れる袋だけなのでいつもと一緒。


そして僕はギルドのドアを開ける。今の時刻は夜だから別におかしくはないのでカウンターの奥に視線を向けるといつもカウンターで出迎えてくれる女性がいた。いつも受けている依頼は朝に受けて昼前に帰ってくるような物ばかりなので、人が変わっているのは初めて見る。


とりあえず空いてる受付のところに行って呼び出せばいいか。


「あの、手紙を受け取って来たのですが、本人はどちらにいますか」


と手紙を男性の受付の人に渡す。するとその人が後ろに下がっていき、少ししてからメイさんが来た。


「今日はどうかされましたか」


と僕が言うと


「どうしましたか、じゃないですよ!」


と結構な大声で言うので周りの人がこちらを見てくる。

それでもやめる気が無いのかはたまた気付いてないのか


「それで、なにか?」


「ですから…!?」


睡眠が不定期だったのが良くなかったのか今の僕はとてもとても不機嫌だ。更に呼び出されたからイラついている。おかしいな、女性には怒りを向けないようにしているんだけどな。これで三人目だよ、僕を怒らせたのは。


「あ!、ちょっと!」


僕は面倒ごとがこの世で一番嫌いだ。あと、面倒ごとを持ってくる人も嫌いだ。この場合の面倒ごとと言うのは僕を襲った彼がどうなろうが知ったこっちゃ無いし、別にあの男には興味がない。それよりも、ギルドの試験が原因の確率が高いと思われる、と考えると慰謝料やらなんやらで噂になってしまう。それによって集られるかもしれない。それが面倒くさい。という事で無かった事にすれば万事解決になる。


そんな考えをした結果、今日のところはギルドから立ち去ることにした。


今日はもう食堂は開いてないかな。果物屋さんだったら開いてるだろうし寄って帰ろう。



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