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最終話

 砂浜でだべっちゃう二人。

 もはやいつものことである。


『この出会いも限りなく突然だった訳だけれども』

「突の然だったねえ」

『なんだかんだでよい出会いだったね』

「よきかなよきかな」

『感動のフィナーレだよね』

「だよね、マジフィナーレっていうか」

『ほんとそれ』

「……」

『……』

「フィナーレってどういう意味なんだろう……」

『わからない……』


 フィナーレの意味が分からない二人。

 フィナーレについて考え始めた。


「強いて言うならなんだろう」

『外国の魚てきな?』

「いそう……」

『ありがと』

「大海原を悠々と泳いでそう……」

『フィナーレ、大きく育てよ……』


 夢想するさやか。


「成長しすぎたフィナーレは人間を食べるようになった」

『なんてこったい』


 無双するフィナーレ。


「そして人間に討伐されたのだった……」

『悲しい結末』


 盛者必衰。


「この物語はノンフィクションです」

『容赦ない追撃』

「丸かいて?」

『……ちょん?』

「わはは」

『わははー』


 笑うことは大切だ。

 笑うと幸せな気分になれるのである。





 大きな夕日をバックに座り込む二人の男女。


「相手を噛んだ方が負けゲームやろう」

『がぶ』

「いたたたた」

『ごめめめめ』


 さやかは噛みついたまま謝った。


「勝った」

『負けた』

「ごほうびください」

『何を所望す』

「さやかさんがほしい。好きです」

『きゃあ大胆』

「すみません、大胆不敵なもので」

『いいよ』

「いいって?」

『私をあげる。君となら幸せな暮らしができそうだもの』

「マジかよさやかさん」

『マジだよじゅんくん』

「……」

『……』

「えんだあああああ!」

『いやああああああ!』

「えっ?」

『えっ?』

「……」

『……』

「いやなの?」

『ううん、喜んでる』

「ぼくも嬉しい」

『そりゃそうだろうね』

「唐突な上から目線」

『ダメなとこ出ちゃった』


 さやかは自分の頭を叩く。


「可愛い」

『照れるぜ』


 二人は唇を近づけ、そして――。


「ちゅっ」

『ぶちゅちゅちゅちゅっ』

「思ってたのより大分すごい」

『私の虜にしてあげる』

「もうなってるんですけど」

『……』

「……」

『……じゅんくんのばか』

「えへへ」


 少年と少女は二人で笑いあいましたとさ。

 めでたしめでたし。

これにて完結です。

お付き合いくださりありがとうございました。

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