二話
じゅんは海で遊んでいて、さやかはそれを眺めている。
今現在はそんな状況。
「なんだか楽しいね」
『そうだね』
「ひゃっほーい」
『はしゃぐ若人』
「若さが眩しい?」
『ピカピカしてやがるよ』
「同い年だけどね」
『どこで差がついたのか。慢心、環境の違い……』
「諦めんなよ! 明るい未来を諦めんな!」
『ありがとう……』
「うん……」
『この世に生まれおちたことに精一杯の感謝を……』
「すごい感謝してる……」
目をつぶって天に祈りをささげる系少女のさやかに、じゅんは思った。
「すごい感謝してる……」と。
じゅんは海から出て、さやかの隣に座ってる。
今現在はそんな状況。
「うぇーいゲームやろう」
『楽しそう』
うぇーいゲームが、ついに始まる。
「うぇーい」
『うぇーい』
うぇーいゲームが終わった。
「どうだった?」
『楽しそう』
「楽しいには至らない?」
『遠い道のり』
「楽しそうの壁は分厚いご様子」
『私簡単な女じゃないの』
さやかは顎に手を当てる。
その動作により女子力が上昇しまくった。
「難しい女?」
『ほどほど。私はほどほどな女』
「ほどほど……」
『うん……』
「ぼとぼと……」
『なんか落ちた……』
「ぼりぼり……」
『貪り喰らっている……』
「ぼにゅぼにゅ……」
『それはわからない……』
「そっか……」
『うん……』
さすがにそういうことになった。