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文集 H27

寓話:のゲーム ver■

作者: 珈琲髭

消されそうで怖い。オマージュとかリスペクトとかいう方向で、どうか一つ。

【選択するゲーム】


 >はじめる >やめる




 やあ、こんにちは。

 僕はこのゲームのナレーター。君のサポートをさせてもらうよ。早速だけど、ゲームを始めよう。まずは、“はじめる”を押すんだ。


 ≫“はじめる” やめろ


『ゲームスタート!』



 ::…::.…読み込み中……



 さあ、ここからゲームスタートだ。

 ところで君は、このゲームと、そのクリア条件を知っているかい? いや、これもナレーターの仕事なんだ。いちいち聞かなきゃいけないんだよ。ごめんね。


 それで、どうかな? 知らない? それはよかった。

 じゃあ説明しよう。このゲームは密室から脱出する事がクリア条件なんだ。大体のあらましは……そうだね。


 主人公の“佐藤”、つまり、君が密室に閉じ込められている所から始まるんだ。

 突然の出来事に君は戸惑う。「ここは一体どこなんだ?」

 そして気付くんだ。「もしかして俺は、閉じ込められてしまっているのか!」とね。

 君は決意した。「なんとかして、この部屋から脱出しよう」……のかも知れない。

 “佐藤”の運命やいかに!


 つまりはそういうゲームなんだ。

 おっと、君はゲームが苦手なのかい? 安心してほしい。このゲームは簡単なんだ。

 なにせ、僕というナレーターがいるからね。僕のサポート通りに動けばちょちょいのちょいさ。


 おっといけない、スタートから1分も経っているよ。

 説明が長くなってしまったね。さあ、選択だよ。


 ここは“最初の部屋”って言うんだ。どういう意味かは僕も知らないけど、とにかく、“最初の部屋”なんだ。まあ細かい事はいいよね。

 振り向いてごらん。


『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >右の扉


 こんな感じのゲームだから、気負わなくても大丈夫さ。

 それでこの選択肢なんだけど、これは左の扉が正解だよ。右の扉は道じゃなくて、開けた先は壁なんだ。

 さあ、左の扉を選ぼう。


 ≫“左の扉” 右の扉


『扉が開きました』


 どうだい、正解だっただろう。ま、ナレーターだからね。間違えようがないよ。

 何はともあれ、先に進むとしよう。



 ::…::.…読み込み中……



『廊下に出ました。進みますか?』


 >はい >いいえ


 これは流石に分かるよね。


 ≫“はい” いいえ


 うんうん、君もこのゲームがどんなものか、理解してきたみたいだね。

 そう。最初にも言ったけど、このゲームは難しくないんだ。所謂初心者向け、って言うのかな。このゲームを機に、ゲームを楽しむ人が増えたらいいなーって思って作られたみたいだよ。

 おっと、雑談はこのくらいにしておこうか。

 さあ、先に進もう。



 ::…::.…読み込み中……



 おや?

 廊下の行き止まりに扉が見えてきたね。まあ言っちゃうけど、これでこのゲームはおしまいだよ。さ、行こうか。


『扉の下から光が漏れている』

『扉を開けますか?』


 >はい >いいえ


 呆気なかったかな? ごめんね、本当に簡単なゲームなんだ。“はい”を選べばゲームクリア、ハッピーエンドさ。


 ≫“はい” いいえ


『“佐藤”は無事脱出した』

『今日の出来事を、“佐藤”は覚えていられるのだろうか』

『ゲームクリア!』


 おめでとう!

 これで主人公“佐藤”は謎の密室から無事脱出来たね。めでたしめでたし。



 ::…::.…読み込み中……



 うん? 「俺はどうなるんだ」って? 何を言っているんだい、君はこのゲームの主人公、“佐藤”じゃないか。早く“最初の部屋”に戻るよ。次の主人公候補が待っているからさ。

「俺はプレイヤーだ」……変な事を言うね。君は君であって君でない。つまりはそうだね、このゲームは“佐藤”の冒険。だから──


 他のゲームと違って、“プレイヤー”はいないんだよ?


『そう言って、ナレーターは“佐藤”と共に“最初の部屋”へ戻った』

『そして数分後、ゲームは再び開始される』

『何事もなかったように』

『自分で物事を、進むべき道を選べないのであれば──』

『生も死も、両者に意味はなくなる』

『そう、“佐藤”と“プレイヤー”は既に死んでいたのだ』



 エンド 1. 『解放』



『デバッグモードが追加されました』



 ・

 ・

 ・

 ・

 ・



【デバッグモード】


 >はじめる


 ≫“はじめる”



 …::;;:::…….::…::



『洗濯するげエム』



 ::…::.……:::;;::…



『選尺するゲエム』



 ::…::.……:::;;::…



『選択するゲーム』


 >はじめる >やめる


 ≫“はじめる” やめる


『ゲームスタート!』



 ::…::.……:::;;::…



『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >右の扉 >中心の扉



 ::…::.……:::;;::…



『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >右の扉


 左の扉 ≫“右の扉”


『あmtp→8a2804はかa_+€94%』



 ::…::.…:;;:…:::…



『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >右の扉


 左の扉 ≫“右の扉”


『壁だ』

『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >壁


 ≫“左の扉” 壁


『壁だ』



 ::…::…::.…:;;::…



『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >右の扉


 左の扉 ≫“右の扉”


『壁だ』

『扉が二つあります。どちらに入りますか?』


 >左の扉 >壁


 ≫“左の扉” 壁


『扉が開きました』



 ::…::.……:::;;::…



『廊下に出ました。進みますか?』


 >はい >いいえ >


 はい いいえ ≫


『コードを入力して下さい』

『5482』



 ::…::.……:::;;::…



『扉の下から光が漏れている』

『扉を開けますか?』


 >はい >いいえ


 ≫“はい” いいえ


『“■■”は無事脱出した』

『今日の出来事を、“■■”は覚えていられるのだろうか』

『ゲームオーバー』



 ::…::.……:::;;::…



 やあ。こんにちは。

 僕はこのゲームのナレーター。君のサポートをさせてもらうよ。早速だけど、ゲームを始めよう。まずは……




 END IS NEVER ……?

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