83 囮
あいつは奇襲をかけるつもりだろーけど、逆に俺が奇襲をかけてやるよ。
病院の中にある黒い点を押す。
┏ ┓
名前 英島 淕
残りのポイント 130ポイント
奪ったポイント 80ポイント
┗ ┛
「待ってろよ。英島 淕君。」
-狡神 真司目線終了-
-エリゲンジ・タンク目線開始-
暗闇の中スマホのライトを頼りにベンチを見つけ座る。
上位10名を倒せば自分の残りポイントにその人が奪ったポイントの分だけ加算される、安藤は奪ったポイントランキングで2位だった。
地図アプリを開き、赤い点を押す。
┏ ┓
名前 エリゲンジ・タンク
残りのポイント 2915ポイント
奪ったポイント 1235ポイント
┗ ┛
「……。」
やはり、残りポイント、2890ポイント加算されている。
それより、奪ったポイント1235……。最低でも12人、殺している……。
生きている頃はこんな感情なかったはずなのに。
「英島 淕……。」
君を知ってしまって…俺の何かが変わったらしい……。
立ち上がり「このゲームで生き残るべきなのは君だ。」と呟き、スマホの地図アプリを開く。
-エリゲンジ・タンク目線終了-
-英島 淕目線開始-
よし、この階にいれば大丈夫。
僕は管理室の真上の大部屋の病室に来た。ここは西病棟。自分が入院していた部屋は個室だったので妙に広く感じる。そして妙に暗い。
◆
僕は中学2年生の夏、心臓病が発覚した。バスケ部の中体連の日だった。急に心臓が苦しくなり、試合が始まる前の練習で僕は倒れた。
気づいた時には病室にいて、入院生活がすでに始まっていた。
この病院に入院をして1週間後ある事に気づいた。今までは全然気にもならなかったのに、
ここの病室からは夕日が見えない。
自分の病室は東病棟だったので夕日が一切見えなかった。学校の放課後遊んだ帰り道、疲れた部活の帰り道、友達と喧嘩した帰り道、夕日はいつも僕を見守ってくれていた。
◆
ここは自分の病室の真逆の病棟、東病棟だ。ここの病室からは月が見えない。だからこんなに暗いんだ。
どうやら僕は、ないものを見つけるのが得意らしい。
-英島 淕目線終了-
-狡神 真司目線開始-
……よし、管理室に着いた……。
カメラアプリに切り替え、そっと、扉を開く。……中には誰もいない。
……何故だ。
1歩前進し、扉を閉じ、スマホのライトを付け、周りを見渡す。足元に何かがある。その何かを持ち上げる。
「これは……。」
スマホだ。すぐに自分のスマホの地図アプリを開き黒い点を押す。
┏ ┓
名前 英島 淕
残りのポイント 130ポイント
奪ったポイント 80ポイント
┗ ┛
間違いなくこれは英島 淕のスマホだ。
……何故だ? 囮? スマホを囮にして逃げた? そんな……スマホが無かったらどうやって……。
ガタンッ!
……ッッ!!!
今、廊下から物音がした。
英島のスマホをポケットの中にいれ、管理室を出る。
今あいつはスマホを持っていない!
あいつがスマホを持っていない以上この地図はあてにならない。地図アプリを閉じ、カメラアプリを開く。
英島は階段で上の階に向かった、それを俺は走って追う。
「おい! 馬鹿かよ! スマホ捨てたら勝ち目ないじゃん」と叫びながら階段を駆け上がる。その時、
ピロリン ピロリン
「……ッ?」
ポケットの中の英島のスマホに着信が来た。
なんだ?
立ち止まり確認する。名前は!!!




