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―――俺と主任と異世界と。(偽)  作者: 北島夏生
第1章 ―――俺と主任と異世界と。
12/13

1-10 これからの道

エロイネン補充完了。

奇乳注意!とか、奇乳タグとか付けた方が良いのかな?

まぁ、いいや。

この世界で主に信仰される、神と呼ばれる存在は2柱であると聞く。

世界そのものを創造した存在たる『創造祖神』と、その原初の神が遣わした人間の長である『女神』。

教会では、信仰の対象として女神を崇拝している。

世界創造の後に去った祖神よりも、世界の管理を託された人間達の、その(ことわり)によって維持されている(とされる)今の世界に重きを置いている為だ。

故に教会に置かれている像は女神、それも若く美しい人間の女性の姿である。

そして、女神以外の『人間』達は言うなれば『天使』。

神の元に侍り、その手伝いをし、神の恵みをヒトに齎す存在。

女神のアトリビュートは様々であるが、必ず新たなる生命に関わるものであり、デミヒューマンの赤子、球(子宮)、珠と2本の棒を捻った杖、優勝カップのような杯(正面から見ると女性器と子宮を暗示させる)等の他にも幾つかバリエーションがあるらしい。

女神の(もと)での宗教故か、教会内での女性の地位は高めらしい。

それも主たる支配階級の王侯貴族に、従たる存在として付き従った為許された限定的なものであり、教会が台頭しようとすれば直ぐ様権力争いから排除される事になるだろう。

とは言え、人口が少なかった過去には多産を奨励する為、教会で聖娼を抱えていた事もあるそうなので平民には広く浸透しており、税金による補助を受けられる立場である事もあってか強欲丸出しの豚にならずに済んだようだ。

頭を出せば刈り取られると分かっている上に、少なくとも毎日の食事に不安を抱く必要が無い立場で居られるなら、いらぬ野心を抱かぬのが賢い選択であるとは理解しているのだろう。


アニータ(うしさん)の教会もまた平均的なソレの姿であり、下腹部の前でメロン程の球を両手で抱えた女神像の他は、質素な作りではあるが神さびた趣が有り、人手に困る事が無い為にか手入れも清掃も行き届いている。

つまり、祈祷の時間が終わったと思ってやって来る弟子達が何人か居る訳で、その少年少女達が来る度にアニータがしどろもどろに説明する。

まあ、『人間』と言う所だけ隠せば後は何の問題も無い事なのに、慌てふためいて説明しているのだから弟子達は余り納得出来ない様子で訝しげな視線を送ってくる。

シスターもウサギちゃん達も色々と聞きたそうにしては居るが、『自由や命に関わる』と聞かされた上、男達が重苦しい雰囲気(ふんいき)で口を(つぐ)んで居ては、迂闊(うかつ)に口に出す事は出来ないのだと理解しているだろう。

態々ケンタにドアを開けて確認させたのだから尚更だ。

ドヤ顔で胸を張ったり、鼻高々な娘が居ないのは僥倖だと思う。

後は何時、何処で説明するかだが。

色々と考え込みながら俺は天窓を見上げる。

すでに日は沈み、夕陽の最後の残滓が、押し寄せてくる闇に抗うよう深い青の空を作る(さま)を天窓に見ている。


何時の間にやらシスターが、3灯の燭台とキャンドルランタンを用意している。

長椅子の最前列に寝かされているソノの傍に椅子を置いて、その上に燭台を載せて火をつける。

『われはねがむ、かしゅかなる、ともしび。』

蝋燭(ろうそく)の芯を中心にして両手で包むようにし、何度か同じ呪文を詠唱すると芯にほんの僅かな灯がともり、揺らめきながら大きく育っていく。

シスターは他の蝋燭に火をうつし、ランタンは点けず、そのままだ。

そんな様子を眺めていると、入り口の扉を開いて何人かが入ってくる音がした。

俺は上半身を起こして其方を見ると、さっき出て行った冒険者達だった。

立ち上がって男達の方に向かい、そのまま入り口付近の長椅子を指差して、4人でそこに集まる。



「依頼料は?」

短くそう尋ねる俺に、本来の依頼主は俺なのだと中りをつけたのだろう、冒険者達のリーダーと思われる男が答えを返す。

「貰った、前払いだ。ギルドのカウンターで手続きしたから問題無い。」

男は素っ気無く短い言葉でそう言う。

あまり商人の様な愛想を求めても仕方の無い事か。

こっちの方がハードボイルドな感じで良いかもな。

「糞共は?」

俺が先程()した男達の処分を確認する。

確か捨ててくるとか、そんな事を言ってたと思うが。

「一人は死んでたが、二人とも『ゴミ捨て場』に捨てて来た。」

それを聞いて一瞬思考が停止したが、まぁ、それも今更かと気を取り直して考え込む。

恐らくは背中を(えぐ)ってやった方だな。

肺か心臓のどっちかだろう。

タイミング良く(?)強打すればどっちにもダメージは出るはずだからな。

少しばかり考えてみたが別に死因が如何のこうの言いたい訳じゃない。

死んだ事、居なくなった事そのものが問題となるなら。

「他に何かあるか?」

可能性を幾らか考えてみてから、そう確認してみるが、

「特に問題は無い。いつも通り(・・・・・)だ。」

男の返答は素っ気無いものだった。

糞供は居なくなったが、それについては何も無い。

ま、幾らかの含みがありそうな感じだったから、荒事専門とかより汚れ仕事に近い事が専門なんじゃないかとも思う。


「何も聞かないのか?」

挑発を混ぜたような薄ら笑いを浮かべてそう尋ねてみるが、返答はやはり素っ気無いものだ。

「聞いて欲しいのか?自警団にも領館にも届けずに冒険者を呼んだ。想像は幾らでも出来るが、正解に行き当たればコレだろ。」

男は親指を立てた右手で自分を指差しながら首の前で横に引く。

まぁ、見た目通り処刑、暗殺のハンドサインだわな。

元よりそのような(・・・・・)仕事を請けている連中なら、余計な事に首を突っ込もうとかも考えないだろう。

となれば、これ以上の会話は無意味、ソノを運べばミッションコンプリートでオーケーだな。


「悪いがソ、あの怪我人を『渡り鳥の止まり木亭』まで運ぶ手伝いをして欲しい。」

それだけ最後に手伝ってもらえれば、後は解散でいい。

契約が何処まで有効か分からんから、取り敢えず頼んでみる事にする。

頼むだけ(・・)ならロハ()だし。

「いいぞ?契約は日が変わるまでという事になっている。」

リーダーは特に悩む事も無く請け負ってくれた。

まぁ暗殺者とかじゃ有るまいし、料金の内なら雑事を頼んで問題にもなる訳無いか。

「そうか、じゃあ遠慮無く頼むか。」


俺達は揃ってソノの所に行くと、具合を見ているシスターに告げる。

「これからソノを宿に運ぶ。話がしたいんだったら、ソノの看病をお願いしたい。」

秘密を知りたかったらある程度の代金(・・)は支払って貰わなけりゃな。

先程知った、正しい詠唱の発音も合わせるとちょっと高額になるぞ?

「宿というのは何処でしょう?」

確りと食いついてくれたな。

まぁ、教会関係者(・・・・・)となれば知りたいという欲求は人一倍の筈。

何しろ、シスターが手に入れた情報に誤りが無いとなれば、ご本尊様がお出ましだという話なのだからな。

「『渡り鳥の止まり木亭』だ。」

女将の宿屋はシスターも知っているだろうし、俺達の取った4つ並びの部屋の一番奥は廊下の突き当たりの部屋。

俺達の取った部屋以外に隣室が無いから話し合いには丁度良い。


「ああ、あのヴィクトワールさんの所ですかー。」

あ?もしかして女将の名前か?何なんだその大仰な名前は。

「分かりました、一緒に行きましょう。」

特に考える事も無く、シスターは、問題ありません、とばかりに承諾する。

「着替えとかは?」

これから起こる事、いや、起こす事(・・・・)を考えると着替えは用意させた方がいいかもしれないと思い、用意させようと声を掛けるが、

「いえ、大丈夫でしょうー。事情を説明してくるので、少しお待ちをー。」

と答えて立ち上がる。

牧師とは言え、シスターは女なんだから着替えとかその辺り気にするもんだろうと思ったが、案外ルーズと言うか豪快らしい。

豪快でいいのか?

俺は、ああ、と頷いてから、冒険者達に向かって、

「シスターの準備が終わったら出発する。」

と指示を出す。

そうしてからキャンドルランタンの蝋燭を取り出して、火を点けてからウサギちゃんに預ける。

暫くすると、黒のフード付きマントを身に着けたシスターがランタンを二つ持って来た。

一つをウサギちゃんに渡し、自身も火を点ける。

「では出発しましょうー。」

男達が、未だ目を覚まさないソノの乗った担架を持ち上げるのを見て、そう宣言する。

ランタンを持ったトゥーラとシスターが先導に、その後ろが他のウサギちゃんで、次にソノの担架ときて、最後にランタンを一つ持って殿(しんがり)のレミーナが。

教会を出た俺達は一路、ヴィクトワール(女将)の宿へ向かって移動する。


道すがら、心配そうに度々振り返るウサギちゃんだが、何か気取られてはならぬ、とばかりに誰も声を出さず、一行は粛々と進んで行く。

やがて宿に辿り着き、誰とも無く安堵の溜息を吐くと、最後の難所、階段上りに取り掛かる。

女将が気が付いて話しかけてくるが、手が離せないから、という事で説明は待ってもらった。

そして俺たちが取っておいた4人相部屋の一番奥にソノを運び込んでベッドに寝かせると、空いてるベッドに倒れこんだ。

そうして手をブラブラさせながら、

「だっはー、重いんだよソノ!6人がかりでも1人20キロ位あるんじゃないのか?握力が無ぇわ、もう。」

と、気を抜いたのがいけなかったのか、思わずそう日本語で言ってしまった。

「すみません、(たく)のテッペーがご迷惑をお掛けしまして。後できつく、きぃーーーつく減量を申し渡しておきますわぁ。」

それを聞いていたトシが、どっかのおばさんみたいな、特に、きぃーーー、のところで叫ぶような甲高い裏声になるように発音して茶化す。

俺達の会話を聞いて、冒険者の一人が興味を惹かれたのか、

「ん?どこの言葉だ?聞いた事の無い・・・。いや、詮無き事だったな。」

と質問しようとしたが、聞かぬのも依頼料の(うち)と自己完結したようだ。

おおう、やべぇぜ、あぶねーぜ。

これ以上ソノを動かす用事も無いだろうから、これで解散にした方がいいかもしれん。


「ありがとう。後は手を借りる事も無いだろうから、依頼は完了で良い。後は何かあるか?」

そう言って解散を指示すると、やはり依頼完了の確認が有る様だ。

「分かった。なら・・・っと、これにサインしてくれ。」

そう言いながら取り出した紙は、A4くらいの紙を長辺で3分の1にして切り取ったような紙片で、割印と依頼の日付や依頼者他、依頼を特定出来る情報と依頼を受けた冒険者のサインが書かれていた。

そして、依頼完了確認者というところを指して、此処にサインを、と言っている。

俺はポケットにボールペンが無いか探してから、不味いと気が付き、何をしているのかと怪訝そうにしている男に言う。

「ペンとインク持ってないか?無ければ下で借りてくる。」

冒険者達は、持ってない、との事だったので、女将の所に行って借りる事にして冒険者達と一緒に下りる。

女将の方も担架で運ばれて来たソノの様子が心配なのか、気も(そぞ)ろに俺達を待っていたようだ。

女将に言ってペンを借りてサインをすると、冒険者達はそのまま宿を出て行った。


女将には、皆でバラバラに町に出たらゴロツキに絡まれた、として簡単に説明した。

そして冒険の結果は、冒険者を雇ってゴロツキを退治して貰って、何とか気絶したソノを連れて逃げ帰って来たと言う事になっている。

教会に連れて行って治療して貰ったが、効果は無いものの命に別状は無さそうなので、そのまま担いで連れて来たと言うところだ。

シスターはお金を取って治療するのに、これでは申し訳が立たないのでせめて一晩看病する事にした、と。

一晩も眠れば元気に起きてくるでしょう、と最後に付け加えて、ちょっと遅い夕食を用意してもらう

だが、どうやらウサギちゃん達は、夕方の買い食いと事件の衝撃と、驚愕の事実に食欲も湧かない様だ。

と言うのは幾らかの建前が混じっていて、実際には彼女達だけで何かの話し合いが持たれるのだと思う。

何人が食べるかは分からないものの、夜食として直ぐに食べられるように、取り分けたシチュー鍋を厨房に置いて貰ったので、彼女達には後でそれを食べて貰う事にして、俺達は俺達で食事を取る。

まぁ、結果から言えば、彼女達に俺達が『人間』である事を話すのは確実になったと言う事だ。

今日の所は、ソノが気を失ったままであるので、後日話す事になるだろうが。


そうして俺達とウサギちゃん達は、今日の所はケンタとシスターに看病を任せて、大人しく寝ると言う事でそれぞれ分かれる。

一番奥にソノを寝かせて、ケンタとシスターが看病を、ソノのツレは分散して残りの部屋に行っている。

俺は寝る前にソノの様子を見に行ったが、まだ起きてはいなかった。

帰り際にシスターに気付かれないよう、ケンタに向かって例のハンドサインを出して指示する。

その例のサインとは、拳を握り締めたまま親指を曲げて人差し指と中指の間を通す、というものだ。

それを見たケンタは、しっかと頷きながら了承する、何処までも黒いニヤリ笑いで。


そうして深夜、日が変わったと思う頃には、隣から荒げた呼気が聞こえてきた。

微かにしか聞き取れぬ、おおお、という抑える事すら出来なかった嬌声と、んんん、という抑えても尚、漏れ出た嬌声と。

俺は興味津々で隣の部屋との壁に耳を押し付ける。

勿論、ウサギちゃん達も何処から出したものか、コップを兎耳の根元に当てている。

ふむ、やっぱりそうなるのか。

外耳道とか何処に繋がってるんだ?

一度、噛むだけではなくて舌を入れて調べ・・・いや、そんな場合ではない!

暫くそうしていると、ハッキリとケンタのものと分かる声で、

「ほらほら、ちゃんとベッドに手を付いてね。足を広げて膝は曲げないこと。」

まさか!足を伸ばした中腰のまま、尻を突き出させているんじゃないだろうな!

「そんな所、舐めないで、舐めないで下さいー。」

く、何処を舐めているんだ。

いや、呆けるのは()そう、そんな体勢で舐める場所なんて限られているんじゃないのか!?

「あはは、すごいね。足がガクガクしてるよ。立っても居られないんだ?」

ああ、やはり、やはりか!俺の思考であるなら、まず迷わずにそうするであろう事に、正に違わぬ行為をケンタは行ったのだ!

「あわわわ、足が、足がー。」

そうだ、な。

そうなるだろうさ。

今、正にこの壁の先で為されているであろう行為が俺の思考に違わぬならば、そうなるだろうさ!

「ほぅら、こうやってゆっくり広げようね。無理に入れると血が出ちゃうからね。」

俺の目から血の涙が流れ出ちまうよ!

思いながらも俺はこの壁から耳を離す事が出来ない!

そう、絶望を味わわされると知っていながら、離す事が出来ないのだ!

その後の事はよく覚えていない。

「初めてなのに、初めてなのにー。」

とか、

「そんなにミルクを搾らないでー。」

とか聞こえたり、隣のレティの顔が上気していて色っぽかったので、思わず壁に手を付かせて後ろから頂いてしまった、とかはよく覚えていないのだ。


次の朝、ソノの様子を見る為に部屋に入れて貰ったが、うん、結構臭いが篭ってるな。

何の臭いとは言わないが。

ケンタはニコニコと満面の笑みで出迎えてくれたし、ソノの傍に座っているアニータは恥ずかしがりながらもケンタに時折視線を向けては逸らす。

俺がニヤニヤと昨日はお楽しみでしたね!と言うと、アニータは居た堪れなくなったのか、何か飲む物を用意しますー、と出て行ってしまう。


「で、どうだ?」

それだけを聞いてみる。

「ええ、谷間に通す、ではなく四方から寄せて中心に突き刺す、素晴らしいですね。」

いや、御丁寧にお約束をありがとう。

「それはうらやまけしからん。で、通るのか?」

そう言って叩きながら結果を聞く。

「アイタ、暴力はいけませんよ。少なくとも現物(・・)は手に入ります。それ以後は僕達次第でしょう。」

何が、暴力はいけません、だよ。

お前が一番酷い(・・・・)んだがな?

まぁ、ヤッてくれるとは思ってたよ、色々な意味でな。


クソッ、やっぱり処女だったかアニータちゃん。

少し残念ではあるが、それはまあ良い。良いったら良いんだ、悔しくなんかない!

そうだ、俺にはハンナとアリスとレティが居るんだ!

そんな事は微塵も顔に出さず、俺は続ける。

「では、早めに頼む。6人分でどれだけ掛かる?」

書類を作成するとなればアニータには教会に戻ってもらわなければな。

それから掛かってもらったとして。

「ええと、証明書だけでしたら今日中に作る事も出来そうですね。教会の戸籍記録その物も数日という所でしょう。しかし納税の記録や領主の下にある書類はどうにもならない様です。」

ふむん、証明書ってそんなに早く作れるのか。

愛ゆえに?

何だって良いか、早く手に入るなら。

「当面は何とかなりそうか。如何にかして誤魔化せんもんかな?」

証明書は兎も角、余計な証拠は出来る限り消えた方が有り難いんだがな。

「まあ、貧民窟に逃げ込んだり、野垂れ死んだ者はそれなりに居るでしょうから、そっちとすり替えてもいいかもしれませんね。」

そんな事も出来るのか。

今の状況を鑑みるに、存外、昨日の出来事は運が良いのかも知れんな。

ソノには悪いが、な。


最悪、ウサギちゃん達の奴隷として俺達を登録してしまえば、行動に不自由があっても俺達の身分は保証される。

それこそ、最低限の、という修飾での身分の保証だが。

とは言え、同時に6人もすり替え可能なのか。

「確実に死んでて、それが知られてない奴がいればそっちの方が有り難いかも知れん。」

ちょっと悩んでから、そう言ってみたが、世の中そう都合の良い事ばかりでもないらしい。

「流石に6人分でそんな都合のいい事はありませんよ。作り出せば(・・・・・)別ですが。」

作る、か。

さてさて、それは流石にリスクが高過ぎるというモノ。

「そんなリスクは負えんから無しだ、無し。今日中、という事は、次に来た時か。どうする?お前は今日は残るか?」

そう聞いてみると、

「ソノさん次第ですかねぇ?」

との事だ。


アレだけ激しく盛っても起きなかったのか?

俺だってとてもじゃ無いが、中てられずに居られない、というか我慢も出来ずに盛った様な記憶が有るような気がしている可能性が存在する。

というか、俺達の部屋にアイゼルナを預かっていたんだがな。

はっはっは、ラブホのAVチャンネルみたいに見られ放題だな・・・恥ずかしい・・・。

「怪我そのものは大丈夫なんだよな?叩いたら起きねぇかな。」

記憶に御座いませんとばかりに新たな黒歴史を封印して、そう言いつつソノの額をペシペシ叩いてみる。

そうして何度か叩くと呻くような声を出したので、もう少しで起きそうだ。

そのまま少し強めに何度か叩くと、

「痛い、痛いでス。起きました、起きましたよ、起きましたでスよ。」

訳の分からん3段活用でソノが目を覚ました。


「おはよう、ソノ。よく眠れたかね?」

爽やかな黒い笑みでそう聞いてみた。

「いいえ、全然寝られませんでス。気が付いたら隣のベッドで巨大な胸がバルンバルン跳ね回ってるし、目を閉じていても嬌声を引っ切り無しに聞かされるしで明け方まで寝られなかったでス。」

バルンバルンって何だよ、それは胸の躍動感を表すのに使う擬音なのか?

「災難だったなソノ、と言うかそのバルンバルンというのを見てみたかったな。」

うん、アレは凶器だ、仰向けで顔に乗せられたら必ず死人が出る。

「せっ、先輩になら見られても良いかなって。キャ、言っちゃった。」

ケンタが、下らない事を言った様な気がするんだが。

いや、間違いなく言った。

この胸の、(イライラした)高まりは間違いない!

「何つーか、今、すごい、イライラ、した。」

何か言葉が切れ切れに紡ぎ出された。

きっと俺の顔は歪んでいるだろう、イライラで。

「いやはや、彼女だけなら共用でも構いませんよ?僕は。」

ケンタはあっけらかんとそんな軽い口調で提案する。

「ええっ、確かにあの4つの胸の中心に突き刺すというのは体験の価値アリとは見るのでスが・・・。」

ソノは直ぐ様食い付いて興味津々だ。

ついでに俺も興味津々だ。


「ふむ?ウサギちゃんとは扱いが別なのか?」

とは言え、彼女の扱いが軽すぎるのでは、と疑問に思う。

ウシさん(アニータ)が寂しさで暴走しても困るんだが?

「ええ、何故か彼女はウサギさん達よりも、日本で付き合ってた()達に近い、いえ、同列と言ってもいいですね。」

ふむ、同列という事は、体を美味しく頂いても、心の方は食傷気味にノーサンキューって反応ですか。

「その辺りどういう基準なんだ?」

これは興味深い。

()を本当の意味で恋人のように慈しむケンタも珍しいという意味ではそうだが、その今のケンタをしてこの反応をされる彼女も興味深い。

「さてさて、どうなんでしょうね?何か、ウサギさんを敢えて言い表すならば、『この女は俺のモノだ』というような気分ですかね?」

それは普通の男なら、大体は当然の感情だと思うんだがな?

まぁ、お前がソレを言うから違和感が有る訳で。

「ふむふむ、お前にそう言わせるとは、ヤルな、ウサギちゃん!とでも言っておくか。」

何が原因かは分からないが、ケンタにそれだけの事を言わせるなら大したものと言っていいだろ。


「んで、アニータは普通に落としたのか?」

まぁケンタのツレになるんだろうし、扱いはケンタ次第ではあるけども。

少なくとも敵対的な行動に駆り立てるような事にはするなよ?頼むから。

「知っての通り、教会の目的が目的ですからね。『人間』の持つ威力はかなりのモノですよ?少なくとも、全員がそれぞれにお願いすれば応じてくれる程度には。」

全員が、か。

つまりは、そういう風(・・・・・)に扱っても大きな問題にはならないだろう、という予想はあるのか。

ソノは何かを我慢するように、或いは煩悩を振り払うように頭を振ってルチアとかエーリとか呟いている。

そりゃまぁ、アニータが喜んで抱かれてくれるってんなら、俺も(やぶさ)かではないしな。


「ふふん、どうせお前の事だろうから、現存する人間の数だの聖娼だの持ち出して篭絡したんだろうが。」

軽いからかいを含めてそう言ってやる。

という事は、だ。

望んで子を産みたいと思っている訳だ、ウサギさんとは微妙に違った考えで。

ああ、俺達が俺達である限り、彼女は喜んで俺達を受け入れてくれる訳だな、その胎の奥に。

「さてさて、それは・・・っと帰って来ましたね。」

彼女が帰ってきたか。

ま、この話は後のお楽しみという事で。


「お待たせしましたー。ってソノサンさん、目を覚ましたんですか!体は大丈夫なんですか?私の治癒魔法を受けただけなんですよ!」

酷いなコレ。

彼女は驚いたように両腕をブンブン振って興奮したようにソノに話しかけ、物理的に躍る胸。

「お前、どんだけ自分の魔法を信用してないんだよ。まぁ、確かにそんな感じのショボイ魔法だったんだけどさ。それと『ソノサン』じゃなくて『テッペー』だぞ。」

まぁ、どうせケンタがそう呼んでるの聞いて覚えたんだろうけどな。

「うわーん。ショボイって言われましたよー。ケンタさーん。」

そう言ってケンタの腕に抱きつくアニータ。

胸の谷間に確りと埋まっている腕は気持ち良さそう。

というか、修道服であんなにされたら俺も耐え切れる自信が有るだろうか?いや、無い!

「あはは、大丈夫、詠唱さえ間違わなければ威力は出るって分かったじゃないですか。」

うむ、確かに、あの詠唱はないわー、という発音だったが、キチンとした詠唱と発音に近くなったら威力が段違いだったしな。


「で、だ。説明はどうすっかなぁ。」

あまり話を脱線させ続けても進まないしね。

アニータが持ってきた紅茶を飲んで(しば)し待つが、コレと言った意見は出ないようだ。

「なぁ、明日か明後日まで待てるか?つぅか待て、ケンタの為だと思って。」

なら、俺が勝手に決めるとばかりに、そうアニータに言う。

「ええ?そんなぁケンタさんの為だなんてー。皆さんの不利益な事は出来るだけしませんよー。」

とか何とか言いつつも、チラ、チラ、とケンタを伺う様子なのがあざとい、ウザイ。

でも、その胸に目が行くと全てが許されると確信してしまう。


「よし、後はウサギちゃん達だが、こちらはまぁ、頼めば納得するかどうかは別にして待っててはくれるだろ。」

うん、彼女らは俺達との関係への不利益を回避する為なら、絶対に従うと思う。

そんな愚かしさを含めても彼女達の事が愛おしい。

何を要求しても、困った様な笑顔で最後は全てを受け入れてしまうハンナ。

自分の胸に俺の頭を掻き抱いて、飽きもせずに何時までも髪を梳いているアリス。

実は興味津々なのに、何も興味の無い振りで、2人に譲ってしまうレティ。

全てを話してやりたいが、それは絶対に出来ないもどかしさ。


「では、朝食という事で。ソノさんも大丈夫ですよね?気持ち悪いとかは。」

ケンタの声に思考を中断して、今日の予定を組み立てる。

「大丈夫でス。ちょっと体がだるいという所でスが。」

先ずは朝食からだな。

「んじゃ、ケンタはトシも起こしてくれ。下で集まろう。」

そう言って俺は自分の泊まった部屋に戻って4人に下に行くように言う。

先にケンタ達と話がしたかったので待っててもらったのだ。

レドブルガがちょっと興奮した様子の笑顔で、シューヘーさんの所は激しいんですね!、と小声で囁いて来たので思わず吹いた。

く・・・そうだよ!

ケンタに中てられた上に、耳が気になってハンナとアリスの耳を散々甘噛みしたり、舌を差し込んで蹂躙し尽したんだよ!

うん、其れでも秘密の解明には至らなかった。

乙女の秘密の場所は、何処も彼処(かしこ)も色々と()が深いね!


「お、起きてきたね?おはよう、直ぐに用意するからね。何人分出そうか?」

下に行くと女将がテーブルに載った皿の片付けや掃除をしていた。

ウサギちゃん達はそれぞれに挨拶しながら付いて来る。

ケンタ達はまだ下りて来ていないか。

「おはよう、全員分で19人、いや20人で。」

アニータに、起きたソノの分も入れて20人か。

随分と大所帯だな、これ。

どこぞのオンラインゲームのギルドかっつーの。

「おや、あの子も目を覚ましたかい。そりゃ良かった。適当に座っとくれ。」

人数で察しが付く辺り、それなりに気にしてたかな?

片づけをしながら(せわ)しなく動き回る女将を見ていると、そんな考えが浮かぶ。

いや、気が利く性格だったのは分かってるんだし、恐らく泊まっている人数位は全部把握しているんだろうな、とは思うが。


席に着いた俺達の前に、料理の載った皿を厨房から次々と運んでくる女将を見て、ちょっと思い出したように声を掛ける。

「そうそう、ヴィクトワールさん。」

何だい?と何の(てら)いも無く、普通に受け答えしてるようだから、こっちじゃ普通の名前なんかな?

ちょっとした挨拶というか、からかいのつもりだったので特に用事がある訳でもないから困った。

ええい、何か用事を。

「明日も泊まる予定なので予約しても良いですか?」

数瞬迷ったところで、結局は当たり障りの無い内容で何とか逃げる事にした。

「良いさね。同じ部屋で良いかい?」

ちょっと思案した様子で他所を見る様にしてから、視線を戻してそう答えが返ってくる。

「ええ、それでお願いします。」

まぁ、泊まるのは泊まるんだから予約が早くなっても問題無いだろ。


「ああ、それと。どうやら僕達が泊まるとかなり汚れる(・・・)みたいなんですけど、問題になりませんか?」

テーブルに並べられていくパンとシチューを見ながら待っていると、ニヤリとした笑みでそう言いながらケンタが此方のテーブルに歩いてくる。

その後ろからツレのウサギちゃん達も付いて来ているようだ。

「やぁだよ、この子達は。それ位なら気にしなさんな。馬鹿な冒険者なんて泥だらけ、血だらけなんて事も有るんだからね。破かないでくれればいいさ。」

大した事無いとばかりに軽い調子でそんな風に返してくれる女将。

太っ腹だな、2重の意味で。

「でもあんまりそっち(・・・)の臭いをさせられると、中てられて困るけどさ。」

ついでとばかりにそんな事を言って笑いながらケンタ達の分の料理を用意し始める。


「はっはっは。来年には新しい看板娘が生まれたりしてな。」

女将は、男手の方が有り難いんだけどねぇ、とか言っておきながら、何言わすんだよ、と背中をバンバンと叩いてくる。

力仕事もそれなりにこなすからか、地味に痛ぇなぁ、オイ。


さぁ、新しい朝が来た、ってヤツだ。

問題はまだまだ山積みだが、それでも獣道ぐらいには先が見えるだけの道はある。

おっかなびっくり歩いて行こう、両手にはハンナとアリスが、後ろには服をちょっと摘んでレティが付いて来てくれる。

彼女達が体を押し付ける程近くに寄り添って歩いてくれるなら、そんな細い道も悪くはない。

2014/03/08 誤字訂正

2014/03/09 誤字訂正

2014/03/10 誤字訂正 起きたケンタの分も→起きたソノの分も

2014/08/15 誤字訂正

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