Kiss
クランクインから4日後。今日は、2、3話の撮影をする。今日は、さほど謎解きのシーンはなく、ラブシーンの撮影ばかりになる見込みだそうだ。
「ねぇ、浩樹・・・わ、私ね、この前の事件で気付いたことがあってね・・・それはね、そのぉ・・・あ、あなたがいなきゃ生きていけないってこと・・・だからね、もう、ぜっ、ぜったぁ、絶対、無理ぃ、しないでねぇ?」
「な、泣くなよ・・・結凌。あ、あぁ。もうしない・・・って言いたいとこだが、きっとそれは無理だと思うんだよな、オレは・・・さ。」
「なんでよぉ・・・」
「だってさ・・・オレ・・・おまえを守るためなら、何でもしちまうと思うぜ。だから、許してくれないかな?」
「浩樹・・・うん!・・・分かったよ」
そして、キスシーン。しかし、その瞬間愛莉は固まってしまった。悠斗が、口の中に舌を入れてきたのだ。しかし、演技の為、カットがかかるまでやめられない。
「はいっ!カット~!お疲れさん♪愛莉ちゃん、キスの演技、よかったよぉ~」
「え・・・あ、ありがとうございます」
「じゃっあねぇ~♪」
「お疲れさまでした!観宿監督!」
「愛莉~、お疲れ~」
「・・・」
「愛莉?」
「どういうことよ。あのキス」
「あ、わりぃ。あれは・・・事故だ」
「!!・・・もぅ、もういい!」
「愛莉!!」
きづいた時には、愛莉は泣きながら走っていた。
でも、本当は嬉しかった。