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第十一話 誘イビト。

 突如、視界が広がる。

 たどり着いた場所は、今まで一度も見たことないような景色。


 ――辺り一面ステンドグラス張りの廊下――


 奇妙な空間だな、と俺はふと思った。

 十字架も燭台も、祈る神も何もない、ただ幾何学的な――それでいて美しい模様のガラスが支配する不思議な世界。

 協会のそれに似た、厳かで神聖な雰囲気に圧され、自然と俺の体がこわばった。

 天井は寮の廊下の高さの二倍以上高く、安直な例えで言えば俺が縦に十人分ぐらいは入りそうな気がする。

 どこか神秘的で、どこか現実離れした空間だった。


 ――くすくす。


 …………ん? 今なんか、声が聴こえたような……。


 ――ようこそ、いらっしゃぁい……くすくすくす。


 背筋が凍る。

 人影はどこにもない。この声は何処から?

 囁くような、甘ったるい響き。

 少年のような、少女のような曖昧な声音。


 次の瞬間、俺は誰かに背筋を撫でられた気がした。


「ッ! なっ――!?」


 瞬時に後ろを振り返る。……誰もいない。


「こっちだよぉ? くすくす」


 今度こそはっきり聴こえた。

 俺は体を前に戻し視線を天井近く、上に向ける。

 ――そこには髪の長い少女が一人、“天井に寝っ転がって”いた。




 床、ではなく天井に広がる彼女の衣類――それは純和風の着物。

 しかし彼女が身に纏っている物は清楚かつきちんとした正しい着方ではなく、素肌の上に自身の体のサイズとは明らかに合わない、簡単に言えば大きすぎて皺が寄っている物であった。

 余った裾はずるずると床(この場合は天井かな……)を擦り、胸元はぶかぶかで完全に肌けてしまっている。

 緩めに巻いた黒帯の上からさらに、銀の金具っぽいベルトを何個も巻いていた。

 さらにそこから下は着物なのに、何故か太ももの真ん中、ミニスカートのように短い布があるだけで、グラビアアイドル並の麗しい脚が惜しげもなく俺の瞼にちらつく。

 銀灰色の髪はとても長く、寝っ転がっているとはいえ床に――天井に広がっていた。


「わォ。そんなにじろじろ見られちゃ百合亞困っちゃぁぅ……くすくす!」


 そんな風に見つめられたら穴が空いちゃうよぅ、と言いながら妖艶に笑む。


 しかし俺が少女を凝視してるのは、何も容姿に惑わされてるからじゃない。

 ……いや、まぁそりゃあんなえっちぃ格好が……露出度の高い姿が気にならないわけじゃないが。

 俺が疑問に思うのは、『何故重力を無視して天井に寝そべっていられるのか』だった。


「えっと……あなたは誰ですか?」


 うむ、我ながらショボい口説き方だ……この場合、口説いてるのとは少し違うか。

 だが少女は話し掛けられたのがそんなにも意外だったのか、目をぱちくりさせながら俺を見てぽかんとしていた。


「…………キミ、百合亞が見えるの?」

「見えるの、って、普通に見えるじゃないか」


 いきなり何を言い出すのだろうこのおなごは。

 幽霊じゃあるまいし。


「まぁいいやぁ、せっかく質問されたんだから答えるねぇ。誰ですかって聞かれても……百合亞は百合亞、百合亞(ゆりあ)としか答えようがないねぇ……くすくす」


 なんとも曖昧な返事。声と喋り方のせいだとは思うが。

 とりあえず名前は聞き出せただけ良しとしよう。

 次の質問だ。


「ところであのー、ここ何処ですか? 俺、ある人を追っかけてたらここまで来ちゃったんですけど……」


 ふわ、と百合亞が空を舞う。

 と思えば今度はどこからともなく一枚の『扉』が現れ、目の前にどんっと置かれた。

 その上に少女は座っている。


「きょーちゃんならこの『扉』の中だねぇ」

「じゃ、じゃあこの扉をくぐれば――」

「無理だよぉ。鍵がかかってるもん」


 そう言って百合亞はまたくすくすと笑った。

 そして俺も、話題がすり変わってることにやっと気付き、再度慌てて聞き返す。


「ってそうじゃなくて! ここは一体どこ――」

「『扉の間』だよ。ちなみに言うと、ここもちゃぁんと寮の一部だから。心配しなくっていいよぉ」

「こ、こんな部屋まであるのか!? あ、ありえねえ……」


 つくづく常識を逸脱している……。

 俺が辺りをめまぐるしく見渡すと、百合亞はそんな俺を眺め呟いた。


「……やっぱり順応性を高めるよう、何かしら脳に働き掛けたかなぁ」

「何か言ったか?」

「…………言ってもいいのぉ? くすくすくす」


 百合亞が意地悪く笑い始めた。

 理由が分からない。




「――ねぇ、もし“キミの能力”が、もう動き始めているとしたら?」

「えっ…………?」


 俺の能力? そんなもんあるわけないじゃないか――

 と思ったところで、俺はあることを思い出した。

 そう、信じられないが……あの寮長の話だ。


「キミの能力は潜在的なモノなんだよぉ。だから目覚めてないうちは能力は表に現れないし、自分は普通の人間だと思い込む……まぁ知らないだけだから、思い込むってのは違うかぁ」

「ど、どういうことで……?」

「“その”能力が、動き出した。つまりどういうことか分かるぅ?」


 質問を質問で返されて困惑する。

 見かねた百合亞が先に答えを教えてくれた。


「キミの能力の効果が現れ始めてきた。……もう『カウントダウン』は始まってるんだよ」


 ――成人になる誕生日を迎えたとき、呪いで世界中の不幸を背負うことになる――


「……あ、あれって冗談じゃなかったのかよ!!」

「冗談じゃないよ。呪いは実在する、しかももっと過酷な内容になって」

「それって一体――」


 ――話してもいいの? 百合亞が無言で語りかけてくる。


 ごくり。喉が大袈裟な音を立てて鳴った。

 ……覚悟を決めて、俺は少女に向かって一度、大きく頷く。

 少女はくす……と笑って頷き返した。


「成人になる誕生日を迎えたとき、呪いで世界中の不幸を背負うことになる――これは昔の文献に書かれたもの、あながち間違っちゃいない。でも……実際は違ったんだよぉ。本当はね――」


『十八の誕生日を迎え使者が舞い降りたとき、世界中の不幸を背負い、やがて彼の英雄とその生まれ変わりは――“死す”』




「な、んだよそれ……!」

「確証はないよぉ。でもねぇ……百合亞達が知りうる中で、これまで勇者の生まれ変わりとされる者達は全員……十八でこの世を去っていった」

「なんだよそれ……! なんだよ呪いって! 意味分かんねえよ! えぇッ!?」


 かすれた声に威勢が戻ってくる。

 突然の『死刑宣告』に怒りが込み上げてくるのが、冷静な俺には手に取るように分かった。

 疑う余地はあるはずだった。

 だが、怒鳴り続けている俺は全く気付かない。本能のまま叫ぶのみ、だ。

 冷静さを保とうと、もがけばもがくほど熱くなった俺は喚き散らす。


「落ち着いてぇ……その前触れがとうとう現れたんだよぉ。だからキミは“ここに呼ばれた”」

「ここってどこだよ!? 前触れって――なんなんだよ!」

「よく考えてみてよぅ……ここは――異常者を閉じ込めておく牢獄だよぉ? そして前触れは……“非日常への急速な順応”だね」


 急速な、順応?


「文献に『不幸を呼び寄せる』ってあったでしょ? あれの初期症状が、異常なモノ……“普通じゃないモノ”に出会ってもあっさり順応しちゃうことなんだよぉ。一見ただ環境に適応しただけみたいに感じるだろうけど、それは不幸な目にあっても“大したことないから大丈夫”って思わせるためのものなの。これから徐々にキミは気付かぬ内に不幸に溺れていき、やがて……くすくす」


 そこで百合亞は話を切って俺の顔を覗き見た。

 ……俺の反応を、楽しむかのように。

 あんな理不尽な運命を告げられ、さらにその様子を見て笑われ、一気にコイツの印象が最悪に下がった。

 俺が苛立っているのに気付いてか、少女はさらに嘲笑する。

 分からない。コイツが敵か味方か――分からない。




「……どうすれば、俺は死なずに済むんだよ」

「さあてねぇ……百合亞に聞かれてもなぁ。ただ一つだけ言えるのは――つまりさぁ、使者が来なければいいんじゃない?」

「は……?」

「十八の誕生日を迎え使者が舞い降りたとき、だからぁ〜……要は使者が来ないようにすればいいってことじゃない?」

「で、でも! 不幸を呼び寄せるのは変わらないんだろ? その呪いはどうやって……」

「ん〜……正直それは心配しなくていいと、百合亞は思うけどなーぁ」

「な、なんでだよ!」


 だって、さぁ? 百合亞が笑いながら言う。


「結局はそれ、『貧乏くじ』とか『苦労人』の勇者そのものを表してるだけじゃん。ほらぁ、異世界に飛ばされた主人公は大抵――」


 …………オイ。今まで真面目にシリアス頑張ってると思ったのによォ……いくらなんでも、いくらなんでもさあ……。




「毎回こういう話でそのオチを出すんじゃねぇぇぇええぇええ!! それこそ俺の宿命なのか!? なんだかんだでこれか! これが宿命運命、呪いか能力かアイデンティティーか畜生! 泣くぞ、泣くぞ俺は今日こそ泣く! こんな三歩進んで三歩下がるような立ち回り嫌だ! てかツッコミ俺だけとか嫌だ! RPGにありがちな『脇役は人気だけど主役は人気ない』なんての嫌すぎる! 得以上に損ばっかな役職なんですよ!? あ、これが貧乏くじって言うんだっけ? とにかく! 俺はそんな役割嫌だからなぁあああ! 誰か、誰か俺以外にマトモな人ぉぉぉおおおお! プリーズ! プリーズプリーズ交換しましょ!? あぁなんかフェアじゃねぇッそしたら俺だけ得だぁぁあああ! もうこうなりゃヤケだ! 今すぐ、今すぐこんな寮出てってやるぅぅううう!!」

「出ていったら不幸に呑まれ使者に狙われオシマイ。呪いも解けないよぅ?」


 …………痛いところ突かれた。

 けど思う存分叫んだせいか、おかげさまで正気に戻ってきた。

 ていうかなんだ、解けんのかよ呪い。


「たぶん。姉さんが頑張って呪いの解き方探してくれてる」


 思考読まれた……。

 姉さん? ってことは姉貴がいるのかな。

 妹がこんなだし、きっと姉もとんでもない露出狂だったりして……やべっ、鼻血ぶー。


「変態さんだぁ……くすくすくす!」


 また思考を読まれたようだ。……そんなに俺分かりやすいお人なのか?

 とにかく場はすっかりシリアスムードから一転してしまった。誰のせいだっけ誰の。


「……って! 変態はお前の方だろお前の!」

「百合亞は変態さんじゃないよぉ〜……百合亞はこの格好が好きなだけでぇ」

「それを変態って言うんですッ! 大体女の子がそんな胸やら脚やら露出するんじゃありません」

「百合亞、女の子じゃないよ?」


 俺しばし硬直。

 対して百合亞はニヤニヤ笑ってるだけです。


「はっ、はあぁ!? だってどっからどう見ても女……」


 はて、どうしたことか。

 たった今、確認したところ、普通なら二つの膨らみが確実に見えるくらい開いた胸元からはそれがなく、虚しいくらいぺったんこかつ健全な胸があるだけだった。


「ね? 全国ネットにも放送可能でしょぉ?」

「お前の格好自体がアウトだなぁ……」


 で、でも、悲しいことにこのぐらいぺったんこな子だって女子にはいるはず……。

 だとしたら、確実に分かる方法は…………。


「なーに? なら“下も”確認してみる……?」


 そう言ってヤツは裾に手をかけ、そろそろと捲り始め絶対領域のその先へ――


「うわぁぁあああストップ! ストップストップストォォォオオォオオオップ!!」

「なんでぇ? 気になるんでしょー?」

「確かに気になるけどそれはマズイ! てかお前オープン過ぎるだろ!」

「べっつにぃ? いいじゃん減るもんじゃないしぃ」

「減る。めっちゃ減る。俺のMPとか何か失っちゃいけないモノとか」

「キミの反応おっもしろぉい……くすくすくす! 期待以上だねぇ、くすくす」


 な、なんてヤツだ。反応を見て楽しむためだけに、あんだけの真似をしてのけるのか。

 ……でも、こんなのがいるなら誰かしら教えて(忠告して)くれるはずだよなぁ?


「まぁまぁ、百合亞のことはいいからさぁ」

「『よくねぇ』が満載だよお前」

「それより、これからは気を付けた方がいいってこと……分かってくれたぁ?」

「…………何をだよ」


 『気を付けろ』って言われたところで、何をすればいいか何に注意すればいいかも分からないんじゃ、対処しようがない。

 だからコイツが何を言いたいのかわからなかった。


「あんだけ“普通じゃないモノ”がいるんだよぉ? ひょっとしたら……『使者』が紛れ込んでいるかもしれないじゃない。くす、くすくすくす……」

「な――」


 思わぬ可能性に俺は耳を疑った。まさか。そんな可能性信じたくない。

 でも、そのまさかだとしたら…………。


「なぁ、その『使者』については何か分からないのか」

「ん〜……? 勇者に比べると情報が少ないねぇ……というか、ほとんどないかも」

「ほとんど、ってことは……何か一つはあるんだな」


 うん一つなら――百合亞はこう告げた。


「一つだけ言えることは、『使者』もまた“目覚める者”ってこと」

「目覚める……?」

「キミのような潜在型ってこと。だって姉さんや百合亞が言うまで、キミは能力持ちだって気付かなかったでしょぉ? それは『使者』も同じ。“目覚める”まで自分の正体、使命に気付かないんだよ」


 分かったぁ? この世界の誰が『使者』か分からないんだよ――

 そう言って、百合亞はまたくすくす笑いを続ける。

 その声がこの空間に響き渡り、四方八方からヤツに笑われてるように感じた。


「くすくすくす――――」


 ふと、笑い声が止んだ。


「……あららぁ、誰か帰ってきちゃうね。残念、もっとお話したかったのにぃ」


 肩をすくめる百合亞。

 と、次の瞬間、


 …………扉の上からヤツの姿が忽然と消えていた。


「えッ――!? 今さっきまでそこに――」


 天井や壁を見渡してもどこにもいない。

 百合亞の気配が――消えている。

 そして視線を正面に戻したとき、


「ひぃぃいぃいいい!!」


 おなじみの台詞と共に、怯助さんがそこにいた。

 ちゃっかり扉の向こうから覗き込むように。


「な、な、こんなとこで何してるんだい大和くん……?」

「それはこっちの台詞ですよ……ところで百合亞どこ行ったか知りません?」

「……へ? ゆ、ゆりあ……ちゃ、ん? さ、ん?」


 相変わらず怯助さんは扉の隙間から、俺の表情を伺っている。

 曖昧な返答が俺の癇に障らないか気にしているようだった。

 ……だから、俺そこまで怯えられる理由が見当たらないんですけれども。


「どっちなのかは俺も知りませんよ。さっきまでここにいたじゃないですか――この扉の上にずっと」


 あれ、何か会話がズレてる気が。

 俺は彼の緊張を解くため笑いながら聞いてみた。


「ほら、いるじゃないですか百合亞って名前の露出狂が。あんなヤツがいるならあらかじめ教えてくださいよー! もう見た瞬間硬直しましたよ」

「……え、えぇえっと……大和くん、『見えちゃう人』だったの? こここ怖くないのかい……?」

「え、いや怖くなんかないじゃないですか。確かに見えちゃいけないトコがちらほら見えそうでヒヤヒヤしましたが」

「ひ、ひぃぃいいいぃい…………見えちゃいけないのがちらほら見えそうって……ヒヤヒヤするって…………! ややややや大和くん、い、今すぐ修治くんか筑祢ちゃんに診てもらった方がいいいいよ……!」


 やはりおかしい。

 怯助さんと俺とで会話が成立してないみたいだ。


「も、もう一度聞きます。えっと、百合亞ってヤツを知りませんか? 長い髪で着物を着て露出狂で……」


 ひっ、と怯助さんが息を呑むのが分かった。


「き、ききききみが何を言ってるのかぼぼボクは理解したくもないけどどどど、最低限言えるのは、そんな名前の人、ボクは聞いたことも見たこともないなぁ…………そ、そんな人が寮にいるなんて、今まで全く知らなかったよ……?」


 え? た、確かにアイツは――


「ぼ、ボクがいつもここに来るときは、この扉以外には何も見えないけど……しょっちゅうここに来てるけど、そんな人ホントにいたら気付くなぁ……き、ききき気付きたくないけど!」


 ………………あれ?




 誰も見たことの無い、俺にしか見えなかった住人――百合亞。

 また、俺は…………夢でも見ていたのだろうか……?

 くすくすくす。困ってる困ってる。

 まあ、百合亞のことは“真夏の夜の夢”とでも思ってくれるかなぁ?

 ……それはそれで寂しいねぇ、くすくすくすくす!

 百合亞は百合亞。ただのしがない『(いざな)い人』なんだからさあ……くすくす。


 ――さぁ、“干渉”はした。

 あとは駒がどう動くか眺めるだけ。

 言ったでしょう?


 “カウントダウンはもう始まっている”よ…………くす、くすくすくすくすくすくすくす、くすくすくすくすくすくすくすくすくす――




 ――愛しい、無力で愚かな人形達よ。

 己がままに、踊れ。

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