あとがき
読者の皆様、こんにちは。夜臨です。
本作は「牛郎織女(牛飼いと織女)」を軸に「囲碁」という要素を組み合わせ、それらを織りなすことで生まれたファンタジー色の強い物語ですが、いかがでしたでしょうか。
かつて私も囲碁を題材にした青春コメディを書いたことがありますが、今となってはすっかり「黒歴史」です。
私にとって本作は、そんな過去の自分自身に向き合うための挑戦でもありました。
いかにして異なる物語、異なる手法で、自分の考えをより良く表現できるか。そんな思いを抱きながら、本編の一文字一文字を打ち込んできました。
もし読者の皆様にその意志が伝わったり、キャラクターたちの境遇に何かを感じていただけたなら、これ以上の喜びはありません。
ここで、本作の裏話を少しお話ししましょう。
元々この物語は短編として構想していましたが、執筆の過程で各シーンをブラッシュアップし、繋ぎ合わせていくうちに、キャラクターや情景描写をより深く掘り下げたいという欲求が湧いてきました。あそこをもう少し練り、ここをもう少し丁寧に説明し、伏線を少しずつ足していった結果、最終的には中長編といえるボリュームになりました。
キャラクターについてですが、お坊ちゃまの「牛彦」は、当初のプロットでは「貧しくも向上心のある青年」という設定でした。しかし、それでは少し王道すぎる(ベタすぎる)と感じ、思い切って「天才肌で家柄も良い青年」へと設定を反転させました。もちろん、彼には彼なりの向き合うべき悩みを持たせています。
彼の名前はとてもストレートです。「牛郎(牛飼い)」であることに加え、日本語でアルタイルが「彦星」と呼ばれていることから、そのまま名付けました。
ヒロインに関しては、私は活発で美しい女の子が大好きです。時にお茶目な姿を見せ、時に大人びた雰囲気を感じさせる……そんなギャップこそが至高だと思っています。要するに、「こんな女の子と言い合いをしたり、ふざけ合ったりしたい」という妄想を詰め込んで彼女の物語を書きました。
彼女の名前も同じく、日本語の「織姫」からの直訳です。これもおそらく、非常に分かりやすいかと思います。
そう、分かりやすさこそがネーミングの王道なのです! 皆さんもそう思いますよね! 決して、凝った名前が思いつかなかったわけではありませんよ!
最後になりますが。
ここまでお付き合いいただいた読者の皆様、本当にありがとうございました。
まだこれからという方も、ぜひ手に取って読んでみてください。
それでは、また次回お会いしましょう。
二〇二三年十一月二十日
夜臨




