サトルとサトミ
若いカップルが手をつなぎ歩いている。
サトルは、自分の肩ほど背の彼女の横顔を見る。
『サトミは可愛らしいな。美人ではないけれど、愛嬌がある。料理が不得意で、気が強いけど、趣味も同じで気が合うし、一緒にいて飽きる事がない。ずっと一緒にいたいな』とサトルは思った。
のを、サトミは悟った。サトミは妖怪「サトリ」の子孫で相手の心が読めるのだ。
サトミは、サトルの顔を上目使いで見つめる。
『美人じゃないなんて、失礼ね。サトルだってイケメンじゃないじゃない。料理だって頑張ってるよ。趣味は同じじゃないんだよ。私があわせているの。でも、いいの。サトルは優しいし、いつも私を大事にしてくれるから。大好きだよ。サトル』
と、サトミは思った。
のを、サトルは悟った。彼もまた、「サトリ」の子孫だった。
「ははは」
「うふふ」
「今日はどこに行く? サトミの行きたいところにしよう。」
「え?ゲーセンじゃないの?」
「今日は、サトミの行きたいところに行きたいんだよ」
「嬉しい。じゃあ、私ランジェリーショップに行きたい。新しく可愛いのが欲しいんだよ」
「…」サトルは一瞬、沈黙する。
「何考えてるの? いやらしい」
サトミはサトルの腕を、ぎゅっとつねった。
「ははは、本当にサトミはなんでもお見通しだね」
「サトルもね」
若い二人のサトリは、ニコニコしながら歩いていった。




