第6話 これって俺のせい?
「「「..........」」」
紙が再生していくのを見て、俺たちは驚愕した。
「っどういうことだよ。これっ.......」
........こっちもか?
俺は、おもむろに袋からもう1冊のノートを取り出し、紙をちぎってみせた。
「「「.......」」」
───これもまた再生していた。
「マジでどういうことなんだっ?」
「もしかして....だけど、熨斗ちゃんがスキルとかを発動させてるんじゃない?」
⋯⋯いやいやそんな訳がない........とは言えないな。
なにせ、この光景が説得力を増しているからだ。
「確かにな。なにか、再生させる能力とかを持っているのかもしれん。『触ったものは再生する』......とか。」
そう考えるとワクワクしてきた。
────自分ですら知りえなかった能力とやらに。
「もう1冊、ノートを買いませんかぁ?」
「そうだな。買おう。」
アリアの提案に乗った。
俺たちは再度、文房具店に行き、ノートを買って出てきた。
「俺はまだそのノートには触れてない....これでどうなるかだな。」
「よしっ!じゃあ、ちぎるよっ!」
真奈はそう言って、ノートの紙をひきちぎった。
⋯⋯紙が、再生していない。
「なるほどな。」
俺は、ノートに触れてみた。
「「「っ。」」」
再生した。
「これ........完全に俺が原因じゃねぇか!!!」
**********
3人は歩いて、俺の家へと戻った。
───作戦会議の時間だ。
「さて、ノート以外も再生するのかって言う所が、肝心だな。」
多分、というか確定で俺が何らかのスキル持ちなのは判明した訳だが、そのスキルが何なのかを解明しなければならない。
「まずは.....これだな。」
俺は、まず紙を用意した。
───そして、それを破る。
「っ....」
「やっぱりっですねぇ。」
「まぁ、これは分かってたけどねっ!」
再生していく。やはり、紙類はいけるみたいだ。
さぁ、ここまでは自明だ。問題はこっからだ。
「っこれはどうだっ!」
俺は裁ちばさみで、用意していた布を裁った。
「........」
「再生しませんね?」
「そうだねっ〜。」
⋯⋯再生しない。ただ布を裁っただけだった。
そこから、検証に検証を繰り返した。
布、割り箸、絹、綿、そしてプラスチックと壊してみたが、どれもダメだった。
「何が条件なんだ?........紙だけなのか?」
少し、残念がっていたその時だった。
アリアたちが机に置いてあった俺のペンをガタッという音と共に落としてしまった。
「あ。」
───そうだ。
紙だけ......じゃないとしたら、他には何がある?.....スキルというのは本人の特徴を捉えたものであると言われている。
手刀なら昔から手刀が得意な人物であったり、透明化が出来るなら昔から姿を隠すのが得意な人物だったり.........と。
「なぁ皆、俺の特徴って......なんだ?」
「....?小説家ですねぇ。」 「私もそう思うっ!」
───だよな。
「それじゃあ.........っ!」
俺はそう言ってペンを手に取り、思い切りペンの先を折った。
「───やっぱりな。」
「「えっ?!」」
再生していた。みるみると再生している。
「なるほど......俺は小説が好きだから、それに因んで執筆に関連するものは全て再生する。」
仮説でしかないが、これは可能性が高い。
現にペンも再生しているしな。
「すごいっ!!条件を判明させるなんてっ!」
「あぁ♡やっぱりリグ様は流石です......♡」
───まぁ、再生できるからと言って特別凄いものではないのだが。
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