第5話 呪いノート再来。
思いに耽っていた時、突然声がした。
「ねぇリグ様ぁ♡この人やばいですねぇ?」
「っ?起きてたのかっ。」
───実は運んでもらった時には既に起きており、
しかも、密かに片耳を立てていた。
「そう思いませんかぁ?リグ様ぁ。」
「.......まぁ、そうだな。」
⋯⋯お前が言える立場なのか、という言葉は口には出さなかった。
「ふふ♡まさか私が手刀如きにやられるとは思いもしませんでしたぁ。」
「あはっ!その手刀如きにやられる貴方が悪いんだよっ!」
おいおい、こいつ火種撒きすぎじゃね.......?
「ストーカーには何も言われる筋合いはないですよぉ?」
「貴方にとっても、最愛の人である熨斗ちゃんに、魔法を掛けた人物の台詞とは思えないねぇ?」
⋯⋯魔法?もしかして昨日の夜、妙に居心地が良かったのって........
「アリア......あの時に、俺に催眠を掛けたのか?」
「いえいえ、ただ気分がちょっぴり良くなるだけの魔法を掛けただけですよぉ♡」
───それを世間一般では催眠と呼ぶのだが。
「それただの催眠じゃないっ?」
その通り。
「貴方の感性には疑いますねぇ?」
また火花が2人の間で散っていた。
───ただ、それをやめたのはアリアだった。
「───あぁ、言い忘れていましたが、とりあえず貴方を倒すのは、一先ず諦めることにしました。」
アリアはいきなりそう言った。
「だって貴方、手刀以外にもスキルがありますよねぇ?下手に出てまた気絶させられるのは癪なので、様子見をします。」
⋯⋯っ!
「確かに、スキルが手刀だけならアリアの豪炎をまともに受けて生きているはずがないな。」
「まぁ気付いちゃうかぁ。でも、それは教えてあげないよっ!あはっ!」
⋯⋯本当にこいつ......
俺は時計を見ると時刻は10時を回っていた。
⋯⋯ん?10時?───あっ!
「ノート買わないとっ。」
あれの代わりにノートを新しく買おう。あれを使うのは怖いからな。
10時は、よく行っている文房具が開く時間帯だ。
「.........よしっ」
いつの間にか置かれていたノートを机の中に入れ、財布を学校のカバンから取り出した。
「お前ら、ちょっと待っておいてくれっ........いや、やっぱし付いてきてくれ。」
⋯⋯こいつらをここに置いてたら、何が起こるか分からねぇな。付いて来させよう。
「わかりましたぁ♡」 「りょうかいっ!」
**********
いつ降っていたのか分からないが、外には水溜まりがあった。多分、昨日からだろう。
───とりあえず俺たちは文房具店へと向かった。
「まぁ、特段、このノートじゃないとダメっていう拘りはないからな.......真奈はどれがいいと思う?」
俺は、ノートがズラーっと置かれているコーナーを
指差して言った。
「絶対これっ!絶対にっ!」
真奈は、表紙に可愛らしい子兎が書かれたノートを指差した。
「なるほどね〜。アリアはどれがいいと思う?」
「センスの無い女とは違って、私はこれがいいと思いますぅ♡」
そう言って、これもまた可愛らしい子亀が書かれたノートを持って言った。
⋯⋯また2人の間で火花が散っていた。
──────完全に犬猿の仲である。
「どうせノートは何個あっても足らないし、2つとも買うよ。ありがとう。」
「う〜ん、まぁ妥当だねっありがとっ!」
「ありがとうございます♡」
こうして俺は2つのノートを買って店を出た。
「これからはこのノートたちに小説を書くか。」
「絶対に浮気に判定するものはダメですからねぇ?」
アリアがそう言って俺の肩にぶつけてきた拍子に、
ノートを入れた袋ごと落としてしまった。
───ぽちゃん。水溜まりに浸かってしまった。
「あ。」
「うわっ〜!アリアさぁん?それが愛する人に対する行動なんで〜すかぁ?」
「........」
今回で二回目である。
これに関してもなんも言い返せないだろうな。
「とりあえずっ....拾うか.....」
俺は服の裾を上げて、ノートを取る。
⋯⋯あれ?濡れていない?
「これ防水性とか無いはずだよな.....?」
中身を見てみても何一つ濡れていない。
「なんか、怪しくありませんかぁ....?」
アリアがそう言う。
「俺もそう思う。もしかしたらなんだが........」
俺はそう言ってノートの紙を少しちぎってみた。
「「「っ?!」」」
───紙が再生した。
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