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第4話 のしちゃん。

「な、なにを言ってるんだ??」


「あ〜言っちゃったっ。」


クスクスっと真奈は笑う。


あまりに楽しげと笑うせいで、俺がおかしいのかと錯覚してしまうほどである。


「見てた....のかっ?」


「うん、()()()見てた見てたっ!」


子供らしく、笑ってそう言う小悪魔(真奈)は、いつからこうなってしまったんだろう?


⋯⋯昔はこうではなかったんだが。


思い当たるのは、いつの日か大喧嘩をして、俺は気まずさで話しかけられなくて、疎遠になったことがあった。だが、その時の彼女は《《いつも通りだった》》。


⋯⋯本当にいつからなのだろうか。


***********************



──────これは、□□の記憶である。



「おい!□□!あそこで遊ぼうぜっ!」


□□□□□はそう言う。


「分かったよっ!□□□□□っ!」


彼は、私を川辺に誘って遊ぼうとしていた。

───そこで、私は過ちをした。私は過ちを犯してしまった。


「えいっ!」


私は、彼に川辺にあった石を投げつけた。

昔からこうだった。好きな人には悪戯をしてしまう。


「いっ.....!このっ........」


彼は仕返しで石を私に投げつけ............ようとした。

だけど──────急に倒れた。


「ねぇ〜っ。ふざけてるの?........ぇ?」


頭から少量の血が流れていた。

───私は混乱した。そして、幼いながらにして、まず頭に浮かんだのは、将来のこと、親のこと。学校のこと。


「どうしよう.....っ」


全部自分のことだった。好きだとは思ってても結局自分が大好きだった。自己防衛をしてしまった。


───罪悪感は、少し経ってからだった。


彼を介護して、家まで帰らせた。

途中途中、ボソボソと何か呟いていた。

私は、それが呪詛のように聞こえて怖かった。


帰宅後、彼の親が謝罪をしろ、と申し出てきた。

⋯⋯⋯⋯当然だ。


もちろん謝った。謝って済むものではないと感じながら頭を下げた。


───その時、ちらと見た彼の目は凍えていた。


⋯⋯そこから、少し時が経って冬になった。

私はずっと後悔の渦に苛まれていた。


彼からは話しかけられない。それが嫌だった。

そして、友達にはあの事件を広めていないらしく、友達から責められることはなかった。でも、その優しさが逆に私の心に痛かった。


「あぁ、あぁ。」


私は帰宅してからは部屋に籠りがちになった。

親は心配してくれているけど、そんなのはどうでもいい。彼が来て欲しい。彼が来て欲しい。


───朝になった。


ずっとこの調子だ。

いつの間にか朝になる。


「おはよ〜!真奈!」


「っ?おはよ。美夏(みなつ)ちゃん。」


久しぶりに、友達の美夏ちゃんと一緒に学校へ登校する。

ここ最近元気がないからだろう。何か勘づいているのかもしれない。


「っっ!!!」


───不意に見えてしまった。


私たちの歩く道路の先にいる彼が仲睦まじそうに、(メス)と駄弁っていた所を。


「私の□□□□□なのに私の□□□□□なのに私の□□□□□なのに私の□□□□□なのに。」


⋯⋯今度は、私が呪詛のように呟いていた。


「どうしたのっ?□□□□□。」


「いや、なんでもないよ。」


あの女をどうしてやろうか。焼く?刺す?落とす?

とにかく殺意しかあの女には湧かなかった。


彼が、氷の眼差しを向けたあの記憶が、今までとは違って、この時だけ反芻していなかった気がした。


───学校が終わり、私は帰宅した。


「っ........」


あの時の殺意は既に消えていた

───もう分かったからだ。私はもう彼の目には映らないことを。

嫉妬による殺意でそれを気付かないようにしても、仕方がない。


「一生を懸けて償いたい。」


私は、ぽろっと発した。

───そうだ、それだ。


「□□□□□に償うのが私の人生なんだ。そうなんだ私は彼のためだけの人間なんだ.......あぁ♡♡」


そう考えると興奮してきた。

昂る気持ちを抑え決心した。


───□□□□□のためだけに生きよう、と。

◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


ここまで読んで頂いてありがとうございました。


もし、


「ヤンデレが好きだ!」

「続きが気になる.....っ!」

「応援したいっ!」


と思ってくださいましたら、


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒、宜しくお願いします。


もし良かったらカクヨム様でも、「なにやらヤバい目をした自作ヒロインたちが追いかけ回してくるんだが?」を投稿しているので、1話だけでも見てみて下さい!!!


https://kakuyomu.jp/works/16818792440601283051

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