第34話 例えば君が偽物だとして。
俺の目に写ったのは紛れもなく、橘さんだった。
「な、なんで....ここに?」
「───ドール君の家なんて知ってるよ。」
「さっきからドール君....って誰のことだよ?」
「───あー、日熨斗宮君のことだよ。」
ど、どういうことだ?
「───そういえば名前はそうしたんだったね。ついつい忘れちゃうよ。ふふっ。」
不気味、不気味、不気味......
その三文字が俺を支配する。
「というか、よくよく考えれば........」
橘さんが訪問した時、疲れていたからか気付いていなかったけど、仲良くもないのに、なんで俺の家を知っていたんだ?
「.........」
それに真奈も、確かに同じ高校だけど既視感を覚えているのはおかしい。なぜならば、橘さんはずっと教室にいて、文化祭とかは休むような子だった。
───目に入ることはないはずだ。
「.......一体、橘さんは何者なんだ....?」
「───小説兼読者。日熨斗宮君と似てるよね?」
「そ、そうだな。」
「───まぁ、私がそう設定したんだけど。」
さっきから本当に何を言って......
「───可哀想になってきたから言うね?」
「.....っ、おう。」
「───日熨斗宮君が見てきた景色は全部私が創り上げた物」
「は?」
「───なんなら、日熨斗宮君も私が創ったんだ。」
情報が整理できない。
「ア、アリアは......?!」
「───私は創ってはないけど、実質私が創ったようなものかな。日熨斗宮君に、小説を書いているページを振り払うと、その小説の内容のキャラが出てくるようにしたの。」
「な、な......」
言葉が詰まる。
「───ドール君ってさっきから言ってるけど、知らないの?」
聞いたことはあるような.....?
でも、知るわけがない。
「───身近にドール君を知っている人物は居たよ。」
「だ、誰なんだ?」
「───君たち読者なら分かるよね?」
「読者.....?なにを言って?」
「───こっちの都合。」
「聞くが.......なにが目的でここへ来たんだ?」
「───日熨斗宮君を消すためだよ?日熨斗宮君の戦いを見たけど□□□□□なら、あんな惨いことはしないし、あんな発言はしない。失敗だ。」
「.........」
「───やっぱりこの日熨斗宮君は、まだまだかな。ドール君よりかはいいけど。」
「そのドール君っていうのは......?」
「───私の2番目の人。もう質問は終わり。それじゃあ......またね。」
そう言うと、俺の身体が消えていく。
「待って、待ってくれ.....!」
「───そういう所が似てないかな。」
「あ........あっ。」
今、わかった事がある。
アイロちゃんが言ってた災厄って───
───こいつなんだ。
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