第33話 読むことは、たのしいこと。
爆弾魔を倒してから家に帰ってきた。
「今日は、疲れたな。」
戦闘自体は早く終わったものの、精神消耗が激しかった。
「........寝たいところだけど、早朝から戦闘したせいで、中途半端すぎる時間帯だ。」
.......というか、彼女たちはまだ起きていないのか?
疲れてたから、つい2階へと上がっちゃったけど......
「おーい?」
俺は呼びかける。
「.....反応がない?」
皆してウクナになっちまったか?
「.......様子みに行くか。」
中は、嵐の前の静けさみたいに静寂に包まれていた。
「........っ?」
1階に居ても《《誰も》》居ない。
真奈も、アリアも、ウクナも。
───気味が悪くなってくる。
怖い、怖い。
「お、お前らー?」
彼女たちが帰ってきたとは思えない。
「一体どこへ.....?」
「───久しぶり。」
いきなり、声が聞こえた。
「っ?!」
びっくりしてしまった。
「───やっぱり、彼らしい動き。」
「な、なに?」
俺は、怖くて振り向けずにいた。
……てか、この声どこかで.......?
「───でも、今日でそれは終わりなのかな?」
「本当になにを言ってるんだ......?」
「───振り向いたら教えてあげる。」
本能が振り向くな、と呼びかける。
「───ねぇ?ドール君。」
振り向くと..........そこに居たのは........
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これは、□□□の記憶である
───私は、私は読むことが全ての生きがいだった。
中学生の時だ。
「□□ちゃん.......ずっと小説を読んでばっかで........ちゃんと勉強しなさい。」
今日も今日とて母に怒られた。
「───うん。わかった。」
うるさい、うるさい。
今、《《いい所なの》》。
小説の中の彼が、戦っている姿を想像していると、非常に楽しい。
あぁ、好きだ。
小説の中の彼が好きだ。
───そう思う毎日を、ただ繰り返していた。
「───あぁ、彼が例えば小説家で、書いたものが具現化する.....そんな物語でも、してみようかな。」
私は、読者兼小説家だ。
もし彼が同じ境遇だったら、どうするのかな。
私は、ずっとそう考えるようになっていた。
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