第22話 協力こそが鍵である。
「さっきよりも、攻撃が早いっ!」
激怒した巨人は、乱暴に体や腕を振り回して、俺たちを殺そうとしていた。
「さっきまで、俺だけしか狙っていなかったはずなのに.....」
「なにか、号令でも下されたんじゃないのっ?あいつの言うおかたってやつに。」
「多分、そうだろう。」
明らかに様子がおかしい。
―――なんか、同情してしまうな。
「あああああああああ!!」
また俺たちに拳を振りかざしてきた。
乱暴ではあるが、当たったらひとたまりもない。
次は、オーラを固形化して攻撃してくる。
オーラを液体化する、という話があったが、いくらなんでもこの状態では危険すぎる。最悪、死んでしまうだろう。
「どうすれば....」
「や、やっぱり、わ、わたしの事忘れてるよねっ?」
ん?ウクナか。
「いいや?忘れてなんかないぞ。」
「いや、現に、わ、忘れてるじゃないですか!」
「何をだよ。」
「私にもスキルはあるんですよっ!」
……知ってるし....俺は忘れてないんかないからな。
「し、知ってたさ。」
「あ、明らかに動揺してるじゃんっ!」
「取り敢えず、どんなスキルを持っているんだ?」
「反転......です。」
「やっぱりですよねぇ?」
アリアが途中、口を挟んだ。
「敵の攻撃を反転できるスキルですが、魔法系しか無理なので、あまり役に立たないでしょうねぇ?」
「ね、ねぇ!口は、挟まないでっ!合ってるけど!」
「合ってるならいいじゃないですかぁ?」
「よ、良くないよっ!」
―――にしても、反転か。
上手く、使えたりしないものなのか?
「おまえら、うるさい。」
そう言ってまたワンパターンを......
しなかった。
「倒れたっ?!」
巨人が倒れた。
「わ、私の出番はっ?!」
……ない。すまん。
「なっ.....?」
おいおいおい、マジかよマジかあ?
巨人が小さくなっていき、ついには人間の形へと様変わりしていった。
「敵キャラの、カーリアじゃないかっ.....」
そう、その人間の形をしたものは、俺の見知った自作キャラの射手のカーリアであった。
「なんで、巨人に?」
「ああああああああっっ!!」
急にカーリアが叫び出した。
「久しぶりだなぁ?リグぅ?」
俺は警戒をする。
カーリアはアリアと同じ作品の子である。
―――さっきも言ったが敵キャラとして描いた。
「別によぉ、殺す気はないしさぁ?」
ははっと乾いた笑い声を出しながら彼はそう言う。
「なんせ、俺を創りし神みたいなもんだからなぁ?」
「なぁ、あの御方って誰の事を指している?」
「あぁ?」
「誰なんだ?」
「さぁ、誰なんだろうな?」
「おい、答えろっ!」
俺が問いただそうとすると。
「まぁ、俺は失敗したから無理だ。」
「......は?」
次の瞬間、カーリアは全身がぐしゃっと潰れて死んだ。
「なっ.....」
カーリアっ......俺の作品の子だから、こんな短期間でも辛い。死ぬところを見るのはつらい......
―――本当に誰なんだ?あの御方ってのは
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