第21話 出番だなっ!
急にこの巨人から、とてつもない殺気が漂ってきた。
「しね。」
そう言うと俺を押し潰そうと、手を振りかざしてきた。
―――アイロちゃん、頼みます。
俺がそう思うと、身体が変形していく。
「えっ?!」
俺はその手を華麗に避けてみせた。
「リグ様、そのお姿は.....?」
「な、なにそれぇ?楓君。」
そういえば、言ってなかった。
「俺とアイロちゃんが融合したらこうなったんだ。」
言い放った途端、3人の目が嫉妬や羨望の眼差しを俺に向けてきた。
「ま、まぁ、この身体は凄いからなっ!見とけよっ!」
俺は、時の流れに逆らうほどに加速して、走っていく。
―――これジェットコースターよりも早くねぇか?
「おまえ、ちょこまかと、うっとうしい。」
そらそうだろ!
こっちにはアイロちゃんとかいう化け物が体内にいるからな。そうは問屋が卸さないぜ。
「しね。」
―――ワンパターンすぎる。
その巨人の攻撃を避けると、足元付近で俺は加速していく。
「動きがエグすぎて、身体の負荷がやばいが....」
最高速度までなった次の瞬間、迅雷かの如く、巨人の頭に一直線で飛び、拳を立てた。
「おれ、ぶつりは、きかないぞ。」
……それはズルじゃねぇの?
「ほんき、だす。」
突然、巨人に纏っていた黒いオーラが固形化した。
そして、固形化したオーラは、子槍のような形へと変形し俺の方を向いた。
「あぶなっ!」
一瞬にして、俺の方に飛んできた。
―――勝手に触手が出てきて、助かった.....ありがとうアイロちゃん。
声は聞こえないが、通じているからなんとなく、「別に構わない」と、そう言っている気がした。
「さて、どうしたものかな.....」
物理が効かないとなると、攻撃が絞られてくる。
「リグ様!すみません、ちょっと戦闘に見蕩れてて........♡」
「.......大丈夫だ。」
「私がリグ様に魔法属性付与をします!」
あっ!その手があった。
バフを使えば物理でなくともダメージを与えれる。
「ちょっと~私のこと、忘れてませんかっ?」
「お前の能力は手刀じゃあ?だから、効かないと思う.......が.....」
―――あ。
そういえば、手刀以外にもスキルがあった気が。
「思い出したっ?」
「教えてくれるのか?」
「もちろんっ!さすがに緊急だからね....私のもう1つの能力は、『液体化』だよ。」
「液体化?」
「そう。結構条件は設けられてるけど......条件に合うものであれば、液体に出来るの。」
つまり、アリアが放った炎を食らってたように見えてただけで、実際は液体にしてマグマにしてたのか。
「それで、巨人の何を液体化できる?」
「オーラだね。」
オーラか......
確かに、それを好きなように液体化させたら何か役立つかもしれない。
「あ、あのぉ。」
「ん?どうしたウクナ。」
そう彼女が何か言いかけた時、急に巨人が暴れだした。
「ああああああああああ!!!」
「お前ら、何かしたか?」
皆して首を横に振る。
「ころす、ころす、ころす!」
なんで急に激怒しだしたんだ......?
―――まるで、誰かが無理やりさせているような....
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