第19話 空は青かった。
「熨〜斗ちゃ~んっ!」
真奈が後ろから揺さぶってくる。
―――俺は今、小説を読んでいる。
……違和感なく俺の部屋に居る真奈は暇だからか、俺に執拗とアクションを起こしてくる。
「まだ、9時だしなぁ。」
今日は土曜日。
アリアが言ったように、俺たちは出掛けるのだが、だいたい10時辺りから出る。
「だから、小説を見るしかなくないか?」
「なにいってるの?」
―――独り言が過ぎたな。
それから程なくして、アリアが部屋に入ってきた。
「そろそろ行かないですかぁ?」
……ちと予定より早すぎないか?
「出発予定は10時じゃ........」
俺がそう言いかけた時、アリアが強烈な殺気を放って発言を遮った。
「―――というか、貴方ぁ?なぜリグ様の肩に手を置いているのでしょうかぁ?」
「置いても悪いことじゃないでしょっ?」
「いいえ、私のリグ様のお家に棲む時点で、非常に迷惑なのに加えてリグ様に手を出すつもりでぇ?」
あー、久しぶりに始まったかも。
……喧嘩が。
―――それから数十分後、俺が止めたことでその喧嘩は、やっと収集が付いた。
時刻を見てみると、10時になっていた。
「おいっ!そろそろ行くぞっ!」
俺は、さっきから寝ていたウクナを叩き起して、そう言った。
「はぁ〜い!」 「わかりましたぁ。」 「ひ、ひゃい♡」
俺たちは用意していた荷物を持って、外へ出た。
そして、駅に着いて目的の場所へと電車で向かった。
「ここだな。」
俺がそう言うと、続けて皆が言った。
「うわぁっ!」
「すごいですねぇ。」
「ひひっ♡で、でかいっ!」
―――俺たちが向かっていた場所は.......遊園地だ。
受付を済ませて、俺たちは中へ入る。
「っ!あれ行きませんかぁ?」
珍しく高揚した声アリアは言った。
「ジェットコースターか.....」
俺、苦手なんだよな.......
「まぁいくかっ!」
「「「おっ~!」」」
……後悔してきた。
めちゃくちゃ怖い。
俺はジェットコースターに乗るや否や、そう思い初めてきた。
「おっそろそろ始まるよっ!」
「いいですねぇ。」
「ひひっ♡た、楽しみ。」
「なんで、皆してジェットコースターが怖くないんだ.......?」
アナウンサーが流れてきた。
怖い怖い怖い怖い。
「それでは、ごゆっくりお楽しみください。」
どこがごゆっくりだよ!!!
「うあぁ、動き始めたよ。」
しばらくして、1番高い所まで着いた。
「やばい、やばい、やばい。」
「可愛いですねぇ♡」
「っ♡」
「ひひっ♡」
……あれ?これもしかして、俺の怖がっている姿を見たくて乗ったんじゃあ......?
こいつら、あいつと然程変わりねぇじゃねぇかっ!
「うああああああああああ!!!」
そう思っていたら、急に降り始めてきた。
怖い怖い怖い怖い.......誰か、助けてくれっ!
************
あの地獄が終わって、そこから様々な遊びをやった。メリーゴーランドや観覧車........その他諸々を俺たちは楽しんだ。
「今、何時ぐらいだ?」
突拍子もなく俺は言った。
「........え?」
真奈が困惑していた。
「どうしたんだ?」
「今、12時です。」
あんなに、遊んだのに12時.....だと?
―――空がやけに青かった気がした。
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