第13話 氷の美女
俺は、おもむろにパソコンを立ち上げると、自身の小説サイトを立ち上げてこう書いた。
───近いうちにダンジョン攻略をします、と。
「まずは告知だよな。」
そもそもダンジョン攻略者なんて稀有である。だから、告知をすれば多少なりとも名は渡る........はず。
「流石に今日から攻略ってことはないけど......」
俺が住んでいる浅山市では、ダンジョン.......なんてものはなく、我が国の首都である日野聡府にある。
⋯⋯ここから、約30kmくらいだ。
意外と近い。
「まぁこれからの目標が出来た。」
───俺の名を、渡らせるぞ。
次の日、またしても平然と俺の家に泊まってきた真奈と一緒に登校して、学校に着いた。
「それじゃあ!」
「あぁ、またな。」
ちなみに、アリアにアイロちゃんを透明にして貰って学校に連れてきている。
「......っ!」
俺は覚悟を決め、教室に入る。
「.......」
⋯⋯視線が凄く痛いっ!
そう思いつつ、机に座り教科書を用意する
「なぁっ?」
充が話しかけてきた。
「お前、急に女子に告白したと思ったら学校を飛び出したって聞いたけど本当か?噂になってんぞ。」
⋯⋯マズい、非常にマズい。
俺の高校生活が水墨画へと変わっていく.....
「そんな訳ないだろっ!ははっ。」
変に愛想笑いをしながら俺はそう答えた。
「だよな?お前はそんなことしないよな。」
⋯⋯こいつ神か?本当に良い奴だな。
「あ、ありがとうな。」
「......?なんでだ?」
「いや、なんでもない。」
「......そうか。」
そう言って充は前を向いてスマホを触り出した。
いつの間にか皆の視線はスマホへと変わっていて、少し安心した。
「昨日は魔物が現れたらしいですが、大した魔物ではなかったようで、先生は安心しました。」
先生は教室に入ると否やそう言った。
───というか、あの《《魔物の件》》をどう処理したんだ?普通、学校休みとかなるもんじゃないのか?
どんなに可愛い魔物だろうと、事態を大きく報道したりするものだが.......
「まぁ、いいや。」
正直、俺にとってはこっちの方が都合がいい。
「───ねぇ、消しゴム落ちてたよ。」
いきなりそう言われた。
話し掛けてきたのは、橘 冷華さんだ。あまり、表情が読めとれなくて、普段は小説ばっか読んでいる子だ。
「ん?ありがとう。」
というか、これ落としてたの気付かなかったな。
ちなみに、最近席替えしたばっかりだから橘さんとは全然喋ったことはない。
「───次は成功してね。」
「......?おう。」
何を成功させる要素があるんだ?
***********
「よって、ここの答えはx=2となります。二次関数のグラフは難しいですが、慣れれば簡単です。」
───眠てぇ。
今、7時間目の授業の数学を受けているところだ。
「皆も眠そうだな....」
周りを見れば、皆して薄目で耳を攲てている。
「よしよし。」
俺はアイロちゃんを撫でていた。
「ん?」
突然、肩を叩かれた。
隣を向いてみると⋯⋯
「───最初から思ってたけど、その子豚は何?」
⋯⋯なんで橘さんアイロちゃんが見えてんのっ?!
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