第12話 まだアイロちゃんは使いたくありません。
「というか......」
俺、学校を駆け抜けて来たんだよな。
今更だが、どうしたものか....
「無断で学校から出るなんて、ヤバいねっ!」
⋯⋯は?
「お、お前っなんで居んだよっ?!」
後ろを振り返ると、真奈がいた。
「なんで......?来ちゃダメなんですかっ?」
「いやダメだろ。」
「.............」
「リグ様はいいとして、貴方は何故ここへ?」
「だって、熨斗ちゃんがどっかに行っちゃったら、心配でしょ?だから、尾いてきたんですよ。」
さりげなく問題発言をしていることは置いとこう。
「ってか、なんか熨斗ちゃんが子豚?を抱えて、学校から出てったって聞いたんだけど、ほんとっ?」
「あぁ、そうだ。」
「その子豚ちゃんは何処にいるのっ?」
........どうしよう。
真奈との距離が近いから、俺が呼ぼうとしても聞こえちゃうよな.......あっ、触れさせればいいじゃん。
「今な、アリアに透明魔法を掛けて貰っているから見えないが、触れることは出来るから触れてみるといいよ。」
そう言って、アイロちゃんを渡す。
「おぉ、なにこれっ!透明だから分かんないけど、ちゃんと感触があるっ!可愛い!好きかもっ!」
───あ。
アイロちゃん、絶対に真奈に懐くな。
「ぶっ、ひー」
そう鳴いて、服の中へと潜って行った。
「あわっ!なんか懐いちゃったよ?!」
「そうなんだ、それに愛を伝えると懐......く.....ん?」
うん?なんか2人が凄い形相で見てくるんだが?
「はぁ、私以外の子に愛を囁いていたのですねぇ?」
「ひひっ♡わ、私しか、見られないようにぃっ、目を.....♡」
ここでアイロちゃんを使うことにはなりたくないぞっ!!!
**********
俺たちは、学校に勝手に出ていったことを謝罪し、急用があった、ということにしたので休みを得た。
「皆、聞いてくれ。」
「はい♡」 「うんっ!」 「ひ、ひぁい♡」
「この子は、アイロちゃんって名前だ。そして、俺の自作の魔物なんだ。」
「ほぉ....?」
真奈のやつ、理解してねぇな。
「つまり、人間以外もこの世界に出てきてしまっているということだ。」
「やばいですねぇ。それは本当に。」
「そ、それって、も、もしかして、楓君が作った強い魔物がここに出現してる.....とかだったら....」
「そう、ヤバいんだ。下手したら世界が滅ぶくらい。」
俺がそう言い放つと、真奈は俯いてボソボソとなにか言い始めた。
「守れないっ?守れないの?また?嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。絶対に守る。絶対に、だって───私は彼の守護者なんだからっ♡♡♡あはっ♡」
「.........なにを言ってるんだ?真奈っ?」
「っ?!い〜や?なんも無いよ。ただの独り言。」
「.........?まぁいいや。話を戻すが、そこで、だ。情報収集の意を込めて、ダンジョンにいきたいと思ってる。」
「ダ、ダンジョンっ?!ダメだよっ危険だよ!!!」
発狂に近い声で真奈は言う。
「そ、そんなにか.....?」
確かにダンジョンは危険だが.....
「すまないが、俺は1つやらなければならないことがあるんだ。」
「........どういったものなんですかぁ?」
アリアが言う。
「それは、有名になって友好的な自作キャラたちを集めるということだ。」
理由は単純で、まだまだ居るであろう俺の自作の魔物の退治が、仲間が増えれば捗るからな。
⋯⋯そしてもう1つの狙いがある
「同時に、敵対しているキャラが居たとしたら、危険ではあるが、それこそ、俺に集まってほしい。」
「......リグ様、それは何故ですか?。」
「───これ以上に被害を出したくないからだ。」
もし、敵対キャラが俺を原因として世界に悪影響を与えたとしたら、俺は耐えられない。
自分で作ったキャラが、自分の作品が、儚く散っていくような......そんな気がするからだ。
「とりあえず俺は注目されて、多分、まだまだ居るであろう自作キャラたちに自分を知ってもらう。」
そのためには、まずダンジョンの前に.......................《《アレ》》をやろうかな。
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