第11話 アイロちゃんはすごいぞ。
「アイロちゃんを手に入れるには、この人だかりをどうにかしなければならないな........」
───今更だが、人間以外のやつもここへ来ちゃうのか。
もし、俺が作った強い敵が居るとすれば....やばい。
「まぁ.....とりあえず強行突破するかっ!」
アイロちゃんは小柄だし、空も飛べるから捕まえるのは至難の技。だが、俺の想像してた設定では⋯⋯
「っすみませんっ!通りますっ!」
人だかりを掻き分けて、アイロちゃんへと向かう。
そして⋯⋯
「アイロちゃんっ!.........っ好きだっ!!!」
と、言った。
───やばい、視線が痛い。
「ぶっ、ひーっ!」
アイロちゃんは俺に近寄ってきた。
実は、この子は愛を伝えると懐く....そう設定した。
「おいおい、あいつやばいぞ....」
「名前とか付けてるのやばくねっ?」
グサッと俺の胸に刺さる。
正直、アレよりも痛い。
「まぁ、たった数ヶ月で俺の評価は戻る。」
なにせ、俺は学校では殆ど存在感がないからな。
「よしっ逃げるかっ!」
俺はアイロちゃんを抱えて、人だかりから逃れた。
───良くないが、このまま帰ろう!
なぜならこいつは、非常に目立つからだ。
「はぁっ、はぁっ!」
やっと家に着いた。
扉を開けて、玄関へ入る。
「アリアっー!居るかっ?!」
返事がない。
「おいっ!大丈夫かー?」
またしても返事がない。
⋯⋯心配になってきたな。
俺は自分の部屋へと向かう。
その間にアイロちゃんは俺の服へと潜っていった。
「おい、大丈夫か......って。」
2人して一緒に寝ていた。
大声出して、悪いことしちゃったな。
「なんだ、意外と仲がいいな。」
良い事だ。喧嘩ばっかするのは良くないからな。
「にしても、よく仲良くなれたな.....」
少し疑問に思いつつも、ソッーと音を出さないように、部屋を出ていく。
「ひひっ、あ、貴方の負けですねっ!ひひっ。」
声が聞こえてきた。
「貴方ぁ?反転魔法でもあるのですかぁ?」
「そ、それは教えないよ。」
⋯ん?反転魔法?
俺は再度自分の部屋へ入る。
「お前ら、何をしていたんだ?」
「実はですねぇ....」
**********
どうやら、喧嘩になってしまいアリアが睡眠魔法を使ったところ、自分も寝てしまっていたとのこと。
「本当に俺の作品の子なんだよな......?」
反転魔法を使ったとしたら、俺はそんな設定は入れていない。
「アリアもそうだが、一部能力や性格が変わっている....」
本当にどういうことだろう。
「ま、まぁアリアっ!おまえに用がある。」
「はぁい♡なんでしょうかぁ♡」
頼られるのは初めてだから、嬉しそうだ。
「この子豚に透明魔法を掛けてくれないか?」
俺がそう言うと、俺の服の中に隠れていたアイロちゃんが出てきた。
⋯⋯アリアの透明魔法はちと不便だ。
小さい物しか出来ないからだ。
ただアイロちゃんにはベストマッチである。
「わかりましたぁ」
そう言って、アイロちゃんを透明にしてくれた。
まぁ基本、アイロちゃんが離れることはないし、愛を伝えれば⋯⋯
「⋯⋯好きだっ。」
そう小声で伝えた。
「ぶ、ひっ〜。」
可愛い声で鳴いてくれる。
だから、居場所が分からなくても大丈夫だ。
「「♡♡♡♡」」
⋯⋯あれ?
なんか、2人して俺を見てくるんだが.........?
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