Chapter5【制作秘話】
Chapter5では、「蟲王の森」へ向かうシーンから始まります。
この冒頭で、リヴァイアが眷属の乗り物を提供するのですが――
ファンタジーといえば、FFならチョコボ、そしてナウシカならユパ様の乗っていたクイとカイ。
どちらも“騎乗する相棒”という意味で印象深い存在ですよね。
そんなイメージを思い浮かべながら書いていたら、なぜか恐竜が登場しました(笑)
そう、思い浮かんだのはジュラシック・ワールドのヴェロキラプトル。
ちょうどテレビでCMを見かけて「今年も新作やるのか~」なんて印象が頭の片隅に残っていたのでしょう……
気づいたら、もう勢いでそのままラプトル型眷属を書き上げていました。
蟲王の森編、始動!
そして物語は「蟲王の森」へ。
この舞台は、明確に**『風の谷のナウシカ』の腐海**を意識しています。
静かで神秘的、でもどこか不気味な自然――そんなイメージです。
この章では、ハル子が恋心を抱くキャラクター「蟲王ルイ」が初登場します。
ルイは巨大な蜘蛛という設定。
ここでは、**芥川龍之介の『蜘蛛の糸』**と、桃太郎の物語をモチーフとして取り入れています。
(※「桃太郎」は鬼側の視点で描かれた芥川龍之介の短編をベースにしています。1924年の作品で、現在はネットでも無料で読むことができます)
この“鬼視点の桃太郎”は、**亡き四天王「鬼将アスタロト」の話とつながっており、
やがて明かされるChapter54「真実」**の重要な伏線にもなっています。
ハチャトリアン剣技の誕生
この章で登場する**必殺剣技「ハチャトリアン」**は、近代作曲家アラム・ハチャトリアンの有名な楽曲『剣の舞』から命名しました。
戦いのリズムと躍動感をイメージし、音楽から剣技へと発想がつながった瞬間です。
もう一つの裏テーマ
実はこの『26歳ハル子、魔王に転生す。』という作品には、もう一つの隠された目的があります。
それは――
未来、いつか生まれるかもしれない「孫」に向けた物語ということ。
登場人物の名前やアイテム、地名などに隠された由来を検索しながら読み解く楽しさを感じてもらえたら……という思いで作っています。
つまりこの物語は、“読むだけじゃなく、調べて楽しい”仕掛け絵本のような構造を目指しているのです。
それでも読者は5人……
Chapter54の“衝撃”を最大限に盛り上げるため、前半ではあえてチープな話や緩い展開を続けています。
それゆえ、最初の頃は読者がなかなか増えず、毎日読んでくれていたのはわずか5人程度だったような気がします……(涙)
でも、読んでくれたあなたに届けば、それで十分です。
それでは次回――
Chapter6の制作秘話でお会いしましょう!