Chapter4【制作秘話】
Chapter4では、魔王軍の幹部会が描かれます。
この章で一番重要なのは――
**アルティメット魔法「ジ・エンド」**の登場です。
実はこの魔法、物語のクライマックス(59話)で使われる最大の伏線として、最初から構想していました。
ただし……
この魔法に「7つのクリスタル」を使うという設定は、完全な後付けです(笑)
ログエル王国で「7つのクリスタル」が登場した時点で、
「これ……伏線にできるじゃん!」と思い、急きょ繋げました。
本来は“魔石”のような別のアイテムを使う予定だったのですが、その設定がクリスタルに置き換わったわけです。
また、ここで登場する魔法「フェーバー」や「ディストラクション」なども、後々使う予定だった魔法を、**時間をさかのぼってこの4話に“押し込んだ”**という経緯があります。
このように、先に最終話まで書いてから序盤に伏線を散りばめるという作り方は、きっと「鋼の錬金術師」なんかも同じようにやってたんじゃないかな~……なんて思いながら、構築していました(笑)
魔王軍の幹部たちについて
本当は、もっと倍くらいのキャラ数を出すつもりだったんです。
でも、あまりに人数が多いと読者が混乱してしまうと思い、あえて最小限の人数に絞ることにしました。
さあ、ここからは恒例の「問題ラッシュ」!!
【問題①】
ベリアルの参考になったアニメキャラクターは、誰でしょう?
【答え】
これはもう、感づいている方も多いでしょう。
正解は――『オーバーロード』の アルベド です。
最初はサキュバスとして登場させようかと悩みましたが、最終的にはメデューサに落ち着きました。
ちなみに「ベリアル」という名前は実在する悪魔の名で、「無価値なもの」を意味する堕天使の一人です。
【問題②】
影偵軍のビゼ・スカーハ――その名前の由来は?
【答え】
音大生ならピンと来るかも?
「ビゼー」はフランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーから。代表作は『アルルの女』。
さらに、その組曲に登場する「ファランドール」も、作中に名前として登場しています。
「スカーハ」は、ケルト神話に登場する戦士の女神がモチーフ。
「ボクっ子キャラをどうしても出したい!」という思いから生まれたキャラクターです。
【問題③】
ヴァルフォレの名前の由来は?
【答え】
これも悪魔の名前です。
魔王ルシファーの部下たちは、基本的に神話や伝承に登場するソロモン72柱の悪魔たちを引用しています。
当初は「オネーギン」――いかにも“オネエ”っぽい名前にしようかと悩んでいたんですが(笑)、最終的に今の名前に落ち着きました。
【問題④】
リリス・カスミ――そのネーミングの由来は?
【答え】
「リリス」は、旧約聖書に登場する悪霊であり、最古の叙事詩『ギルガメシュ叙事詩』にもその名が登場します。
「カスミ」は……すみません、使わせていただきました、カスミさん!(笑)
彼女はラ・ムウ師匠一筋の少女で、登場時には髑髏の仮面をつけています。
これは、彼女が泣き虫であるがゆえに、師匠から「軍を率いる者としての威厳を保つため」にとアドバイスされた設定があったのですが……
ちょっと出し惜しみしてしまいました。
次回は――
Chapter5の制作秘話をお届けします。どうぞお楽しみに!