11-反省、反省、また反省
ギリギリになって予約投稿していないことに気がつきました……。
また、今回は主人公の反省成分がマシマシになってますので、苦手な方は次回更新のお話とセットでご覧ください!
「何だ少年。変な目をするな」
僕の希望の視線は変だと一喝されてしまった。
「あの、このままだと浸水が進んで船が沈んでしまうと思います。何かアイデアはありませんか」
「自分で考えろ。俺は頭を使えない愚かな人間が嫌いだ」
手厳しい一言を言われてしまった。出会ったのはつい最近だけれども、僕の考え方を認めると言ってくれたり、一緒に戦ってくれたり、褒めてくれたりしたので、てっきり心を開いてくれているものなのだと思っていた。そう思っていたのは僕だけだったらしい。
ただ指摘された一言は正しかった。他責思考をするような甘えた心構えじゃ、ライナの元へ帰った時にまた置いていかれてしまう。心の中の反省だけじゃなく、自分に対する罰として頬をバシンッと強く叩き、浸水のせいで黒さが薄まってきた足元を睨みつけた。話をしている間に水位はもう太もも辺りまで上がってきている。
具体的な解決方法を考えよう。上の階まで上がってバケツか何かを使って水を掻きだす……、というのは現実的ではないな。水の量が多すぎるし、なにより浸水し続けているのに水を掻き出すのは意味がないだろう。一気に掻き出すくらいしないと。なんかこう、どばーって。
ん、一気に掻き出す?
待てよ。ならばこの船を一気に持ち上げることができれば、空いた穴から水を排出できるのではないだろうか。そしてその間に空いた穴を塞ぐことができれば、船を進めるまで行かなくても沈没を防げるのではないのだろうか。
「マントさん、この船を持ち上げられませんか」
「ほう?」
僕が零した発想を聞いて、面白いという感情を隠さずにマントさんは口角をあげる。そして質問に対して質問を返した。
「先に聞いておくが、貴様はこの船を持ち上げられるか?」
「……無理ですけど」
あぁダメだダメだ。また自分ができないことをマントさんに頼ってしまった。
僕が思いついた方法は二つ。一つは水の魔法を使って海面を操り、水の力で船を持ち上げる方法だ。確か水の魔法の中には、水面を自由に操ることができるものもあると聞いたことがある。ただ僕はその魔法を知らないので、このアイデアは採用できない。
もう一つのパターンは風の魔法で船を船を持ち上げる方法だ。通常、風の魔法で持ち上げることができるのは、人間一人や魔物一体分の大きさ程度のものだと言われている。優秀な魔法使いはより多くのものを持ち上げることはできるらしいが、それでも十人あたりが限界らしい。ちなみにライナが過去に持ち上げられたのは勇者パーティの五人、そして僕は自分の体を浮かせることが限界で、他人を持ち上げることはできなかった。こちらも不採用だ。
そう考えると船を持ち上げるなんて机上の空論だ。僕にできなくてもマントさんならと思ってしまったが、そんな考えじゃダメだと反省したばかりじゃないか。自分でできるような他の方法を模索しなければ。
「そうか、無理か」
云々と唸る僕を見たマントさんは、何故か満足そうに眼を閉じて。
「俺ならできる」
と答えた。




