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7-魔法使いのお兄さん

「本当に愚かなる少年だ。貴様、まさか死にたがりではあるまいな?」

「い、いや。そんなことは」


 ない、と思う。僕の一番の目標はライナの隣に立つことだ。そのために自分の命を懸けていいとは思っているけれども、僕自身が死を望んでいるというわけではない。……と思う。


「ならば、まぁいい。ともかく今この場では俺たちはチームだ。頼ってくれて構わん」

「え、そうなんですか」


 少しだけ驚いた。まさかマントさんが僕のことを仲間だと思っていただなんて。でも、それならばもっと早く助けてくれても良かったのではないか。そう思ってしまうのは僕の怠慢だろうか。

 

「何を驚いている。目の前で死なれる方が気分が悪いというだけだ。それよりも今は、あの悪魔を倒すことの方が先決だと話をしたはずだが」

「それは、あのそうなんですけど――」

「少年よ、俺は魔法使いだ。だが最高峰の術技を手にした王国直属の魔法使いでもある。この言葉の意味がわかるな?」


 こちらの疑問を遮るようにマントさんから問いかけられてしまった。答えを出せずに唸っていると、マントさんはこう言ってくれた。


「わからないのであれば、まぁいい」


 再びの呆れた表情を浮かべた後に、続けて。


「俺がお前のサポートをする。お前は気にせず本体を狙え」

「任せていいんですか? 僕の体を」

「あぁ。貴様はその甘ったるい理想を叶えるために尽くしたまえよ。……さて、あの足は俺が対処しよう」


 その言葉に反応する頃には、僕に襲い掛かってきたクラーケンの足は既にボロボロになっていた。僕と話している頃にも、目の前にいるマントさんが攻撃魔法を使って迎撃してくれていたのだろう。

 悪魔の足は七本中、三本は既に、動かすことができないほどの深手を負っていた。これは好機と言えるのかもしれない。自分の体の一部が満足に動かすことができなくなったクラーケンを目にして、僕は自分を鼓舞するための叫び声をあげてクラーケンに斬りかかる。


「――ッ。――ンッッ」


 斬撃を受けたクラーケンは声かどうかわからない鈍い音を出しつつ、ギョロリとした目で僕を睨みつけた。そして何とか動かすことができるその四本の足をうねらせつつ、クラーケンは口からイカ墨を噴出した。

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