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(二)-2

 「ミノル」と呼ばれた男子生徒は、確か隣のクラスの稲葉ミノルという名前で、サッカー部だ。彼は「早くしないと朝練に遅れるぞ!」と言うと学校の方へ走り去っていった。

 稲葉の後を追って、ムサシ君も学校へと走り出した。

「行っちゃった……」

 私はそう呟いて、その場に立ち止まってしまった。あー、もう、昨日のお礼を言おうと思ったのに!

 でも今日はまだ始まったばかり。同じクラスだし、お礼を言うチャンスはまだある。

 そう考え直して、私は学校へ歩き始めた。


(続く)

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