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なろう系主人公について : なぜ『自己投影キャラ』と呼ばれるのか

作者: 滋賀ヒロアキ

拙い部分もありますが、ご容赦ください。

どうも初めまして、滋賀ヒロアキです。


今も昔も、この「小説家になろう」では異世界ものや無双モノ……所謂イキりモノだとか願望投影モノだとか呼ばれている作品が量産されています。

先日『異世界』とだけ検索ワードに入れて小説検索をしたところ、134708件ものヒットがありました。

いやー、すごい数ですね。1万の塊が約13.5個ですよ。すごいですね。


あ、ちなみに言っておきますが、僕はなろう系でよくある「俺TUEEEE」だとか「ハーレム」とか「チート」とかは大嫌いです。小説検索をするときには、それらの単語を除外ワードに設定して検索してるぐらいです。



平凡(笑)なニートや社畜が突然死んで


無能神から能力もらって


とりあえず敵倒して


女にモテて皆に認められる


他にも無能て言われてたけど実は凄いヤツでした~、とかデスゲームに巻き込まれた陰キャが知能指数の低いクラスで生存競争をしてお山の大将(敗北者じゃけぇ)気取ったり



ぶっちゃけ(僕は)吐き気を催すレベルです。



しかし、実は僕はこんなにグチグチ言っておきながら、あまり『なろう系』の作品は読んだことがありません。レビュー動画はしょっちゅう見るのですが。

そして先日、さすがに読まずに批判ばっかするのもどうかと思い、一冊買って読んでみました(酷評するので名前は伏せます)。


リアルガチで読んでる途中で気分が悪くなってきました。


孤高ぶってて、世の中すべてをひねくれた視線で見て、上から目線は基本、偉そうにしてるくせに台詞は中身のないものばかり、『お前が言うな』のオンパレードetc……。

素直で優しいものは報われず、リア充は悪に書かれ、主人公だけが甘い汁を吸う、素晴らしいほどのなろうクオリティでした。


前半はそうした部分に一つ一つ突っ込んでいましたが、後半になると常に半笑いを浮かべながらただ淡々と読むようになっていました。

主人公の中身のない説教台詞や、そこまで悪いわけでもない悪人へのえげつない粛清を見るたびに、

『作者はこんな台詞を中学生の頃から温めてたのかなぁ』とか、『作者はどんだけ悲惨な学生生活おくってきたのかなぁ』と脳内に見たこともない作者の顔が映し出されました。

そして改めて『なろう系』に絶望すると同時に、『なんで自分は作品を読みながら作者のリアル事情を考えているのだろう』と思い始めました。


なぜ本来作者と関係ないはずの作品のキャラクターが、『作者の自己投影』と呼ばれて、『イキり乙』とか言われているのでしょうか。

キャラクターはキャラクターであって、作者ではないはずです。


にも関わらず、なろう系のキャラクターは、『作者の願望を代わりに叶えている』だとか『作者の言いたいことを代弁している』ようにしか見えないのです。



なので、僕なりに無い知恵ねじり雑巾にして考えてみました。





それはキャラクターがロクに掘り下げられもせず、思想とかが何一つ明言されてないからじゃないかなと思いました。



例えば、なろうでよくある作品の『オッサン冒険者が云々(うんぬん)』とか『クラス底辺の陰キャが云々(かんぬん)』とかはキャラクターの性格って『無職のオッサン』とか『コミュ症の陰キャ』でだいたい統一されてて、それ以上掘り下げられることって無いですよね。


いじめられてた。上から目線。ニート。鈍感。でも実は優しい。

そんなのはもはや標準装備になってて、ただそれをポンと出されただけでは個性にならないんですよね。


小説のキャラクターだって一人の人間なのですから、物語開始時点の性格が形成された理由とか、思想いうものがあるはずです。


一口に『陰キャ』といったって、そうなった理由は千差万別です。


人付き合いが苦手だった。

幼い頃に騙されまくったせいで根暗になった。

単純に馴れ合うのが嫌い。


そうした過去を提示されて説明されて初めて、リアリティというものが付き、キャラクターは一人の人間になります。


それがされていないから、なろう系のキャラクターは一人の人間として見ることができないのでは、と僕は思いました。まぁ、ようするに掘り下げ不足ですね。



そんな掘り下げ不足の性格思想もロクに把握してないキャラクターが、能力はない癖に態度だけはデカくて、回りのキャラクターにやりたい放題して、それがヨイショヨイショと祭り上げられるのだから、これでは『作者の自己投影』と呼ばれるのも無理ないでしょう。



そもそも、現在なろう系主人公は数々の偏見を持たれまくってるのに(僕もそうです)、そんなキャラクターを出せば『はいはい自己投影』とますます呼ばれることになってしまいます。




キャラクターというのは、一重に料理の仕方で魅力が変わるのであると思います。実際結構前に発売された『魔王の俺がエルフを買ったがどう愛でたらいい』(正確なタイトルかはわからない)とかは、設定自体はなろうで使われまくったものでありながら、キャラクターの料理の仕方によって良作に仕上がったのだしね。

料理の仕方を誤らなければ、なろう系主人公だって充分人気キャラになれるポテンシャルは秘めているはずです。



なろう系を書いてるような作者の方には、もう少しキャラクターを大事にしてほしいです。

せっかく本屋の一角を専用スペースにしてしまうぐらいには社会的地位があるのだから、もっと質の高い、面白い作品が出てきてほしいです。

同じ作品ばっかでつまらんにもほどがある。


イキり系とかが少しでも減ってくれれば、消費者側も批判をせずに済み、無駄なため息を吐くこともなくなるのですが。




以上です。


「いや、その理屈はおかしい」とか、「は?なに言ってんだこの底辺は」という意見がありましたら、遠慮なく言ってください。

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― 新着の感想 ―
[一言] 一人称なのに、あぁ作者は昨日この映画見たんだな、とか感じることが多々あるからだね。主人公がしょっちゅう作者から怪しい電波受け取ってると作者=主人公感が強まっていく。
[良い点] 敢えて読んでみるその勇気。 おかげでいろいろ解ります。 [気になる点] 何故に死地へ飛び込むのか。 ありがたやありがたや。 [一言] こんばんは。 キャラクターが薄っぺらなのは、作者と読…
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