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勝ったのは農民だ

ポークビーンズはお好きでしょうか。

昔のアメリカ映画では、さすらいの男と言えば一人焚火にあたり、豆の缶詰をナイフでこじ開けていたものです。

そうまさに豆こそはロマンの詰まった食材っ!

ジャックと豆の木を見ても分かるように未知への挑戦の象徴なのです。


今回の『ゲームしようよっ!』ですが、

そんな豆の成長を喜びとする農夫たちの生き方を非電源ゲームで追求してみましょう。


そう生活習慣病だの、株の大暴落だの、鉱山事故だの、地球規模の感染爆発だのと、世界の暗黒面を見つめるのは、ひと休み。


タイトルは『ボナンザ』

カードゲームですので、お値段もサイズも手ごろです。

いざという時のゲーム不足に備えて、カバンの中に潜ましておくにも良い相棒ではないでしょうか。


まずカードゲームの定番セットアップとしてプレイヤー各人に数枚の手札を配り、

残ったものを山札とします。

手札を見ると擬人化された(といっても美少女じゃありませんよ)豆たちが描かれています。

この豆たちもガンベルトを巻いたり、火遊びしたりと様々な恰好をしているのです。全8種類。


ついカードの向きを揃えたり、豆の種類ごとに並べ替えたいところですが、

ストップ!ここで手札をいじってはなりません。

この『ボナンザ』では配られたカードの順番こそが、とても大切でゲームの根幹となっています。

「配られたままでプレイする」ちょっと独特なルールですね。


ゲームの目的は畑で豆を栽培しては収穫し、一番裕福な農家になることです。


ゲームの流れは下記の通り。

①手札の豆を畑に植える

②山札から豆をめくって場に出す。

③交渉する。

④場の豆を畑に植える。

⑤山札から手札を補充する。


「畑」は各プレイヤーの前に植えた豆カードを置いて表現する2農地分。

一つの畑に違う種類の豆を混栽することはできないので、同時には各プレイヤー2種類の豆を栽培できるだけです。

畑に植えた豆はいつでも収穫できますが、

たくさん植えてから収穫した方が効率よく現金化できます。

また豆の方にも8種類がありますが、

何枚も入っていて良く出る豆ほど換金率が悪く、

レアな豆ほど換金率が良い。という法則があります。


換金率は最も安い豆で4/6/8/10 すなわち4枚植えて1コイン。6枚植えて2コイン〜となっていますので何としてもたくさん植え付ける必要があります。

なにせ3枚以下ならゴミ扱いですよ。

ところがこれをルールがあちこちで邪魔するのです。

①の「手札から植える」のは義務ですよ、農夫。

空いている畑が無ければ、無理矢理収穫してでも植えなくてはなりません。

ここで効いてくるのが先ほどの手札を入れ替えてはならないと言うルール。

手札の順に植え付けなくてはなりませんし、植えたい豆の間々に余分な豆が挟まっています。

更に②の「山札からめくる」に至っては完全に運任せ、さらにこの豆を植え付けるのも義務なんです。

これじゃまともに収穫なんてできない、ガンマンを雇うだよって気になってきますね。

でも『ボナンザ』で必要なのは七人のガンマンではなく③の「交渉する」。

これこそがこのゲームの肝、本質です。

いま山札からめくったカード、更には邪魔っけな手札まで。これらをプレイヤー全員でまとめて整理できるのです。


「今めくった8の豆くれよ。どうせ畑は一杯なんだろう?今なら俺の20を2枚あげるぜ」

「あっ、私は手札の中の20を1枚あげるよ、タダでいいから受け取ってよ」

「僕も8が欲しいな、今はなにも渡せないけど後で必ず恩返しするから、さ…」

こうした交渉はお互いが邪魔なカードを抱えているので、非常にスムーズに進むはずです。


一見交渉で損をしている様に見えて手札を効率良くしたプレイヤー、

逆に他人が放り出したクズ豆を一財産にまで育て上げたプレイヤー、

様々な勝ち筋がありますが、交渉なしで『ボナンザ』で勝つ事はあり得ません。


収穫した豆のカードを裏返すとコインの模様になっていますので、手元に取っておきます。

余ったカードは捨て札として再利用されますので、どの豆が何枚くらい残っているのか考えるのも二周目以降のセオリーですね。

こうして集めたコインの枚数で勝者を決めるのが『ボナンザ』です。


そして特筆しておきたい事として、この『ボナンザ』は勝っても負けてもプレイ後感が非常に良いゲームなんです。


点数を争う競争型、しかも交渉を主体とするゲームとしては稀有に思われます。

攻撃的、陰謀的交渉ではなく、一緒にプレイしているライバルと協力し合わないと点数の上乗せが出来ない交渉システムのためなのか、間抜けな顔をした豆たちの人徳なのか。

おそらく『ボナンザ』で勝つ農夫は最も多くの農夫と利益を分かち合った者です。

正しい意味での商道(農夫なのに…)が学べるゲームではないでしょうか。


小難しい事は考えず、ワイワイ遊べるパーティーカードゲームの名作

『ボナンザ』は持っていて損する事はありません。

すぐに通販サイトで…プレミア価格だ…安い時があったら買いましょう。

海外版でも全く問題なく遊べますよ。



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