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ダイヤモンドと黄金と

「一攫千金」憧れますか?

あるいはリスクを冒した者が成功者になるという欺瞞について。

「一攫千金」良い響きですね。

でも私たち凡俗がこれを叶えるのは中々難しい。


競馬場で撒き散らした外れ馬券が全部万札に見えた…そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

宝くじにしたって、どう理屈で考えてみても、投資額とリターンの効率が悪すぎです。

それでもこいつを毎シーズン買っているのは、十万や百万なんてケチな額じゃない、

<億>というお金を得て、みずほ銀行から『【その日】から読む本』をもらうためです。


どうやら現実で億万長者が叶いそうもないと考えた日には、

ゲーセンに出かけて山の様にメダルを積み上げてみる。

気分だけはマカオのお大尽ですが、周りをじっと見てみればお子様ばかり。

一体俺はリアルのお金をいくら出資して何を得たんだろう。


『億万長者ゲーム』や『モノポリー』にしても、

不景気の時期ほど流行るらしいので考える事はみんな一緒でしょうか。


「それでも俺は一攫千金を夢みてみたいっ!!」


どうせ夢ならご一緒に非電源ゲームで、大金掴んでみましょうか。


今回は『ダイヤモンド』


ダビデの星型のゲーム盤を使うあの有名ボードゲームとは違います。


ダイヤモンド掘りの鉱夫になって人生大逆転!

というテーマのゲームの筈なんですが、

箱絵に描かれているのは宝箱の転がる洞窟の中を進むインディアナ・ジョーンズばりの冒険野郎。

その頭上には毒蛇、足元には有毒ガスまでありますから、

ジョーンズ博士どころかスぺランカーの気分です。


まあ民兵にAK−47突き付けられながら、ダイヤの露天掘りさせられるよりは安全だと思いましょう。


箱を開けてみますと、

じゃらりっ、じゃらりっ!!

アクリル製のダイヤモンドが赤と白二色でたっぷりと入っております。

しかもこのダイヤ、ちゃんとカットされているのでキラキラと光るのですよ。


この瞬間、奇声を上げてダイヤに飛びつくプレイヤーが出ます。

子供ならほぼ100%。

大の大人でも目の色が変わりますから、ダイヤの魔力恐るべし。


それ以外にはダイヤ保管場所となるトロッコ、鉱夫をかたどった可愛い木製マーカー、ゲームカードが入っているだけです。


この『ダイヤモンド』は三歳の子供でも遊べるほどシンプルなルールです。ルール自体は…


① みんなで一斉に自分が進むか、引き返すか決める。

② 引き返した人は手持ちのダイヤをトロッコに入れて、点数を確定する。

③ 進んだ人はカードをめくり、ダイヤが出れば公平に分ける。

④ 事故が発生したら、進んだ人はダイヤを持ち帰れずに終了。

⑤ 進んだ人のみ①に戻り繰り返す。


ようはチキンレース。事故が発生するぎりぎりまでブレーキを我慢してダイヤを回収できるかどうか。

このゲームの肝になるのが、「公平に分けられないダイヤは置いていく」と言う鉱夫たちの仁義に溢れたルール。

すなわち4人でプレイしていて、ダイヤモンドが3個出た場合にはこのダイヤを置き去りにして進むのです。

鉱夫たちの進んだ後には大量のダイヤが捨てられることとなりますね。

この捨てられたダイヤの行方は?そう引き返した鉱夫がもらえるのです。


「危険を冒して前に進むより、引き返した方が得なんじゃないのか?」

「そろそろ、落盤が起きる頃だよな」

「今帰れば、7つのダイヤが俺のもの…」


何せ事故が発生すれば、集めたダイヤの価値は0です。

そう誰も引き返すあなたを臆病とののしる事はできません。

ただ、あなたの隣のプレイヤーも今引き返そうとしているのかもしれませんよ。

どうしますか、決断の時です。


さて、臆病者たちは小銭をかき集めてトロッコに帰っていきました。

残るはあなた一人です。

ここから先、掘ったダイヤは全て独り占め。

何せ危険を冒しているのはあなた一人なのです。

奴らと違うエリートのあなたには大金を得る当然の資格があります。

さあっ、あの山札の中にはダイヤ15枚のカードもまだ眠っている筈です。

落盤・毒蛇・溶岩?

もう一枚めくる間は大丈夫。たぶん次の一枚も(どっかーん!!)


さっき書きました様に、この『ダイヤモンド』

ルール自体は非常にシンプルなゲームですが、家族・友人・恋人・学校/職場関係など知っている人とプレイすると非常に性格が良く現れます。


堅実派?ギャンブル狂?確率主義者?破滅嗜好?

水晶ならぬダイヤのきらめきに性格占いを託すのも乙なものかと。


あと、ほぼ同一ルールの『インカの黄金』というゲームもあります。

違いはお宝がダイヤから黄金の装飾品に変わっている事ですが、

不思議な事にこちらはあまり受けませんでした。

永遠の輝きのダイヤモンドと比べて、金相場が値下がりしているせいなんでしょうかね。


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